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麻生田大橋遺跡 土偶A 2:「×と凹」

豊川市の麻生田大橋遺跡(あそうだおおばしいせき)から出土した土偶Aには御用地遺跡で出土した土偶や、本刈谷貝塚から出土した土製品などと共通する記号が記されていた。

S麻生田大橋遺跡土偶A

上記(写真クリックで拡大)の麻生田大橋遺跡土偶Aには複数の描線が入っていたが顔面の中央には「×」の描線が入っている。
その、同じ「×」の描線は以下の御用地遺跡から出土した後頭部結髪(けっぱつ)土偶にも見られる。

2御用地遺跡後頭部結髪土偶2-1

さらに土偶だけではなく、以下のような本刈谷貝塚から出土した土製品にもみられる。

3本刈谷貝塚 土製品

そして、麻生田大橋遺跡から出土した以下の土製品にも。

4麻生田大橋遺跡土製品

本刈谷貝塚土製品(全長60mmほど)も、麻生田大橋遺跡土製品(大きさ不明)も方向は異なるものの、貫通している穴が空いているようで、首飾りや耳飾りのメインの装飾物として使用されたものである可能性がある。

麻生田大橋遺跡土製品に刻まれた図柄は表裏とも厳密には「×」になるのを意図的に回避し、「×」を暗示する形にしてあり、表裏で相似だが異なっている。
描線の本数に意味が持たせてあると考えるなら、片面が6本(陰数)で、片面が7本(陽数)。
陰陽を表裏で合わせたものとみることができる。
「×」の意味するものも、前の記事で紹介しているが、現時点でも陰陽の結びつき(=完全なモノ)、つまり「卍」の原型ともいえるものと解釈できる。
また、「×」が円形の顔面や球体との組み合わせに意味があると考えるなら、以下のケルト十字や

以下のカタカムナ文字の基本形との関係もあるのかもしれない。

5カタカムナ文字基本形

また、麻生田大橋遺跡土製品に刻まれた記号を「×」に「−」を合わせたものと考えるなら、御用地遺跡後頭部結髪土偶の顔面に描線された記号と同じものと考えられる。

麻生田大橋遺跡土偶Aに描線されている線のうち、左右、あるいは天地にセットで描線されている凹レンズ形の描線と共通する描線を持つ顔面が描画された土器や石棺も存在する。
以下の愛知県安城市 亀塚遺跡から出土した人面文(じんめんもん)壺型土器、

6亀塚遺跡 土器 2-2

あるいは香川県の仙遊遺跡で出土した石棺蓋石に刻まれた人面文だ。

7仙遊遺跡 石棺蓋石 2--3

この二つの人面文には×が入っていないので、麻生田大橋遺跡土偶Aとは表現が少し異なるが、双方の人面文は同じものと言っていいほど似ている。
出土場所は以下のように離れているのにだ。

1MAP土偶

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麻生田大橋遺跡では他にも土偶が複数出土しています。愛知県内の遺跡の中では抜きん出て多くの土偶が出土している遺跡です。

本日、愛車の修理が終了して戻って来た😂
小生にとっては、生活にも趣味にも欠かせないインフラなので、やっと長期の停電から回復したような感じ。




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