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中条遺跡 土偶A 23:未調査の円墳

このページでは刈谷市内で唯一現存している、丸山古墳を紹介します。
ヘッダー写真の怪異な花弁を持つ花は夜間だけ開花するカラスウリだが、6月下旬、丸山古墳の森の薄暗い陰側で開花していた。

●中条遺跡 土偶A

中条遺跡の北々西1.2km以内に位置する丸山古墳に向かった。

1MAP丸山古墳

そこはデンソーやアイシン精機などトヨタ自動車グループの大工場の広大な駐車場と水田地帯の狭間だった。
すぐ脇を下流で八ツ崎貝塚や天子神社貝塚(あまこじんじゃかいづか)に接している恩田川が流れており、その水源もすぐ近所に存在した。
その恩田川を挟んだ堤防の西側にある広い駐車場内から撮影した丸山古墳は以下のように平地に出現した、ただの森にしか見えない。

1上重原町 丸山古墳

森の側に行って中を覗き込むと、やはり内部には土が盛り上がっているのが確認できた。

2丸山古墳墳墓

陽の当たる森の表面には様々な樹木が繁殖し、それに蔦が絡まって、青い葉を茂らせているのだが、暗い森の中の若い樹木は極端に痩せていて、水槽の中のチンアナゴの林みたいになっている。
恩田川沿いの道路に面して立てられた教育委員会による案内書『丸山古墳』には以下のようにあった。

昭和52年(1977)に発見されたこの古墳は、市内で現存する唯一のもので、墳形は円墳と推定される。墳丘規模は、復元推定径約14m、高さ2.5mで、葺石や埴輪などは確認されていない、また内部の埋葬方法も不明である。
 知立市を含む衣ヶ浦湾周辺では古墳の数は非常に少ないことが特徴である。

葺石や埴輪などが確認できず、埋葬方法も不明なのに、なぜ古墳と認定しているのか謎だ。
これまで、登れる古墳は、すべて登ってきているので、今回ももちろん登ってみることにした。
森の中に足を踏み入れると、土手が崩れている部分があり、痩せたまま朽ちた樹木が倒れている。

3丸山古墳噴頂

墳頂上からの眺望は悪く、麓を見下ろすと以下のような様子だ。

4丸山古墳眺望

一方で、森が形成される以前に育ったクヌギと思われる樹高が15mはありそうな樹木が森の一部を覆っている。

5.丸山古墳クヌギ/ツタjpg

しかし、この樹木の表皮の多くもツタが覆っており、成長はいずれ止まりそうだ。
一方、ツタは森の表面に出ている樹木の幹でさえ、麓から葉を繁殖し、完全に日光を遮って覆い隠していた。

6丸山古墳ツタ

この夏季、古墳の表面の1/6ほどを赤く色づき始めた丸い果実を付けたヤマモモが覆っていた。

7丸山古墳ヤマモモJPG

なぜか、このヤマモモにはツタは絡みついていない。
この分だと、未来の丸山古墳はヤマモモに覆われた森になるのかもしれない。

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刈谷市に存在していたとみられている古墳は3ヶ所だが、古墳である証拠が実際に出土しているのは泉田古墳のみだ。
古墳である証拠が無いのに古墳となっている裏側には不動産税が関わっている可能性がありそうだ。

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