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麻生田町大橋遺跡 土偶A 170:天空の回廊

岡崎市鍛埜町(かじのちょう)の無名橋3から県道35号線に戻り、1.1kmあまり西に向かうと、同じ鍛埜町の須淵橋(すぶちばし)に到達しました。

乙川 岡崎市 須淵橋〜平成大橋
乙川 岡崎市 須淵橋〜平成大橋

須淵橋上から上流側を眺めると、35号線(下記写真左手)は再び乙川(おとがわ)沿いに下りてきている。
川床の石は上流とくらべると小粒になってきており、川床の両岸には石と土砂が堆積し、その上は雑草に覆われている。

岡崎市 乙川 須淵橋 上流側

右岸(上記写真左手)は高さ4mほどのコンクリート壁、左岸は高さ2mほどにコンクリート・ブロックで護岸されている。
左岸には広くはないが水田が広がっている。

下流側は人為的な護岸は姿を消し、再び両岸とも樹木と灌木に覆われていた。

岡崎市 乙川 須淵橋 下流側 大高見川合流点

乙川右岸(上記写真右手)沿いの35号線は灌木の陰になって見えないが、35号線から分岐して山に向かう白いガードレールが見えている。
一方、左岸の岸は低くなり、左岸側からは大高見川(おおたかみがわ)が合流し、大高見川が運んできた砂が乙川の川床に堆積し、砂州ができている。

大高見川のすぐ上流では乙川の川床に自然の断層が存在し、白波が立っていた。

岡崎市 乙川 須淵橋 下流側 川床段差

これは偶然、石が水流を遮るように並んだところに土砂が堆積して段差ができてしまった珍しい例だ。
通常の自然段差は段差の部分で川床が流水によって削られていくので、上流に向かって段差部分が後退していくものだが、ここは石が並んでいることから、この石列が壊れるまでは段差は現状のまま維持されるのだろう。

須淵橋から35号線を西に向かい、400mも走ると、遠方に高速道路の高架が視界に入ってきた。
第2東名高速道路だ。

さらに600m近く走ると、珍しく、35号線沿いの乙川右岸にモターサイクルを止められるふくらみがあって、乙川の川床が見下ろせる場所があったので、愛車を駐めて、乙川の下流に向かって撮影(上記MAP内「撮影地点A」)したが、上空には白くてスリムな高速道路高架が回廊のように通っていた。

第2東名高速道路高架 須淵町から撮影

橋梁は、かなりな上空を通っており、脚柱も橋梁もスリム過ぎるように見えるが、真下に行って見上げれば太い柱と梁なのだろう。
その高架はコンクリートの打ちっぱなしではなく、白くペイントされているようで、美しかった。
ここは須淵町だ。
こんなに美しい高速道路の橋脚はあまり見ないが、山と山を結ぶ高速道路で、間に広い谷があることから成立している風景だ。
上記写真、第2東名高速道路右手には岩中岩戸トンネル、左手には才栗(さいくり)トンネルが存在し、二つのトンネル間のほぼ690mを結ぶ橋脚だ。
乙川の両岸は樹木で覆われている。

撮影地点Aから35号線を440mほどで、第2東名高速道路下り線橋脚に沿って、乙川に向かって分岐する作手街道があるので、乙川を観るために作手街道に入った。
作手街道に入って240m以内で、乙川に架かっている岩戸橋に到達した。
ここは才栗町だ。

岩戸橋上から上流側を眺めると、上空に第2東名高速道路の橋脚がのぞいている。

岡崎市才栗町 乙川 岩戸橋 上流側

東側から見た高架と違い、橋梁の西側の高欄部分だけが、赤っぽい色で彩色されている。
下から見上げた人間が橋脚のどちら側にいるのか判りやすくする措置だろうか。
目印の無い山の中では、目視で自分がどっちに向かっているのか判断できるのは人為的に築造されたり、表示されているものしか存在しないのだ。
その橋脚に届きそうな勢いで乙川の両岸には高木が幹を伸ばしている。

乙川を見ると、川床は滑らかではないようで、白い波立ちが点在していた。

岡崎市才栗町 乙川 岩戸橋 上流側

これまでとは明らかに質の異なる赤っぽい巨石が川床に点在していた。
鉄分を含む岩だと思われる。

橋下の巨石を見ると、角はほとんど削り取られている。

岡崎市才栗町 乙川 岩戸橋 上流側 巨石

岩戸橋上から下流側を眺めると、上流側のような白い波立ちは見えず、水面は上流より穏やかになり、水は下流に向かっている。

岡崎市才栗町 乙川 岩戸橋 下流側

岩戸橋を渡って、作手街道を150mあまりで作手街道は35号線に合流していた。35号線はこの合流点の北70mあまりの場所で乙川を渡っているので、35号線を戻る形で、乙川に向かった。そこに架かっていたのが平成大橋だった。
ここも才栗町だ。

平成大橋上から上流側を眺めると、第2東名高速道路から離れたことで、樹木の死角から外れ、その脚柱がよく見えるようになった。

岡崎市才栗町 乙川 平成大橋 上流側 第2東名高速道路高架

川床に転がっている石を見ると、赤味はあるものの、赤味が少なくなっているように見える。

平成大橋上流側の脚元を見下ろすと、水面上に出ている石は赤味はほとんど無く、角が取れている。

岡崎市才栗町 乙川 平成大橋 上流側 石

一方、水面下を見ると、角のある扁平な石が川床に沈んで並んでいるのが確認できた。

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才栗町は岡崎市大平地区に属しており、地理的に岡崎市の中央部に位置しています。才栗町も丁番を持たない単独町名であり、44の小字が設置されています。才栗町では難読地名を3つ挙げてみます。1字寺久後前(てらくごまえ) 2字内海戸(うちげと) 3字入(いり)
番外で珍妙な地名として「字猿鍋(さるなべ)」がありました。


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