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スコープゼロインを効率的に行おう。

Twitterでそんな話を書いたのですが、
よく考えたらnoteに書いちゃった方がわかりやすいよね?
と言うことでサクッと書いてみます。

まず、エアライフルに新しいスコープを載せた場合、
射撃場でゼロインを取る必要があります。

多くの方が自宅や銃砲店でスコープを載せ、
射撃場でゼロインを始めると思うのですが、いざ始めてみると、弾がどこに飛んでいるか分からない、ダイヤルが調整できないなど、意外とトラブルが発生しがちです。かく言う私もそうした失敗は1度や2度ではありません(笑)

そこで、事前にできる限りのことをしておこうぜ、今回紹介するスコープのプリセットゼロインです。

プリセットゼロインとは

とは、なんて書いてますが、今思いついた言葉です(笑)

弾道落下などの計算値を予めスコープのエレベーションダイヤルで調整しておけば、実際の射撃でもだいたい、センターが出ます。
少なくとも用意した的紙に入るレベルにはなります。

そのために必要なデータは下記です。
①スコープハイト
②アブソリュートドロップ
③マウントレール(リング)の傾斜角

①スコープハイトは、バレル中心軸からスコープ中心軸までの距離です。
これは使っているリングの高さやスコープのチューブ径によって異なりますが50~70mm程度が多いでしょう。定規をあてて測ってみてください。

②アブソリュートドロップはバレル直線上からのドロップ量です。50mでゼロインをする場合は50mのアブソリュートドロップを計算します。
弾道アプリで確認してください。
※スコープのホリゾンタルドロップ(みかけ状のドロップ値)とは異なります。

③マウントレールやリングが傾斜付きでなければ①と②を足した数値がスコープのエレベーションセンターからの総ドロップ量です。

スコープのエレベーションセンターは、新品スコープであれば大体センターに合っているはずですが、不具合などを確認する意味でも、最大値と最小値を確認しておくと良いでしょう。
カリカリ回してその数を数え、中心を取ってください。
スコープのスペックシートには総調整はば/クリック数など記載されていますが、実際は多少ずれが生じます。

上記図では総ドロップ量が20cmとなりますので、エレベーションセンターでスコープを覗いて射撃をすると、下20cmの位置に着弾するはずです。

つまりエレベーションダイヤルを上に20cm分クリックします。


スコープのエレベーション単位(50m)
1クリック
1/10 MRAD:5mm  1/20 MRAD:2.5mm
1/4 MOA:3.625mm  1/8 MOA:1.8125mm


クリック単位が1/10MRADだった場合は上に40クリック回すことになります。

傾斜レールの場合

最近はエレベーションダイヤルの使用幅を広げるために傾斜レールを備えたエアライフルが増えてきました。
どういうことかというと図の通りで、レールが前方に傾けてあります。
そのため、平行レールでスコープエレベーションセンターで覗いた位置より、レティクルセンターが低くなります。
20MOA傾斜レールであれば50mで約29cmです。
先ほどの平行レールと同じデータで考えた場合、総ドロップ量は20cmですから29cm-20cmで、着弾点より9cm程スコープセンターが下になっています。
つまり先ほどとは逆にエレベーションダイヤルを下に9cm分回す必要があります。

左右のズレだけは現場で合わせる

エレベーションについては、上記プリセットゼロインでおおよそ出ますが、
左右のズレだけは撃ってみないと分かりません。
これはレールとスコープリングの相性や精度、そもそも銃のレールが真っ直ぐついていないケースもあります。

これはいたって普通のことで、どのメーカーも割と良い加減です(笑)
こればかりは撃ってみて、ああこっちに飛んだか、という確認になります。エレベーションほど、大きなズレではないことが多いですけどね。

傾斜レールだと何が良い?

一般的な30mmチューブのスコープを例にします。
例えばエレベーション調整幅が20MRADだったとします。
50mでの1MRADは5cmですから、このスコープはエレベーションセンターから上下に50cm動かせるということです。

そこで先の例に戻り、平行レールだとエレベーションセンターから上に20cm動かしていますから、残りの上側への調整幅=つまりドロップ方向への対応幅は30cmとなります。

しかし20MOA傾斜レールの場合は、エレベーションセンターから下側に9cmでゼロインしていますから、ドロップ方向への対応幅は59cmとなります。
つまり傾斜をつけた分、余分にエレベーションダイヤルを使用できます。

スコープはエレベーション対応幅が20MRADあっても、水平取り付けをする限り使用できる調整範囲は1/2以下になります。
傾斜レールはこの調整範囲を有効利用する機能です。

最近は30MOAレールや可変式のレールを備えたエアライフルも出てきました。ただエアライフルには1次〜2次ゼロイン間の見かけ上の上方シフトが発生しますので、あまりギリギリにするのも考えものです。
また、スコープはエレベーション(ウィンデージ)センター位置が一番良く見えるようにできています。
あまりここで欲張るのも考えものでしょう。


総ドロップ量はエアライフルの弾速や弾種によって変わってきますが、
スコープのエレベーションダイヤルをセンターにセットした上で、

平行レール=上に20〜25cm
20MOAレール=下に20cm


とざっくり計算して予めダイヤルを動かしておくだけでも、現場でのゼロイン作業がだいぶ楽になると思います。

射撃場でのゼロイン

センターに撃つと上下20cm、左右15cmまでのズレが確認できる

射撃場でゼロインを取る場合、私は大抵、的紙のセンターに1発目を撃ちます。もし、これで的紙内に弾痕が付けば、ズレている分をエレベーション/ ウインデージダイヤルで調整するだけです。
※あくまで着弾点の確認ですので、スコープの倍率を落とし、的紙全体が視界に収まるようにするのがコツです。

例えば上のGeek's Targetであれば1cm四方のマス目が引いてありますから、
上下、左右をそれぞれ(ズレた数値)÷エレベーションダイヤル単位
で計算すれば1発でセンターが取れるでしょう。

さて困るのは何らかの理由で的紙に着弾が確認できなかった場合です。
綺麗な的台であれば、的台に着弾を確認できる場合があるかもしれません。
しかし、そうでない場合は闇雲に撃ってもなかなか解決しません。
そんな時は的紙の4隅を使います。

センター狙いで弾痕が確認できない場合の対処法

着弾エリアを4分割で確認することで、上下40cm左右30cmまでのズレが確認できるようになる

これはとても簡単な理屈で、的紙の4隅にそれぞれ1発撃ち込むことで、的紙4枚分の範囲で着弾を確認する技です。
銃によほど重大な問題がない限り、この方法でも着弾が確認できない、ということはほぼ無いでしょう。

1発ごとに的台をよく観察し、弾痕がなければ次に移る


1例を挙げます。
上は的紙のセンターを撃ったが、的台に当たる音すらしない、という場合です。この時点ではわかっていませんが着弾は的台を超え右上に抜けています。
次に4隅を順番に狙って行きます。左上、右上、右下を撃っても着弾が確認できません。
しかし最後に左下を撃った際に的紙への着弾が確認できました。
後はダイアルを調整するだけです。

ただし、この方法は場合によっては的台から大きく外れた射撃になるため、
射撃場によっては許可されない場合もあるかもしれません、ご注意ください。
(的台のセンター以外に撃たないでください、なんてルールの射撃場もあるくらいですから)
というわけで、本日はここまで

ではでは。


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