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FX PANTHERA は買いなのか、問題。

先日、FXエアガンから新しいエアライフルが発表されました。

その名は、PANTHERA(パンテーラ)。つまり豹。
FXエアガンはなぜかネコ科の名前をつけたがる説。

さてこのパンテーラ、一体どんなエアライフルなの?
日本に入ってきたら買いなの?というのが今回のネタです。

早速パンテーラはどんな銃なのか、外観からチェックしていきましょう。

パンテーラとは?外観的特徴

これは一番短い500

以前の記事でエアライフルの世代と特徴は書きましたが、このパンテーラはラージプレナムを備えた第3世代です。
で、第3世代に触れた時にもれなくブルパップになると書きましたが、訂正します(笑)
このパンテーラはセミブルパップに近いライフルタイプのピストルグリップモデルです。
通常のライフルタイプだと、グリップは機関部より後ろに来ますが、パンテーラは機関部の下にグリップを配置してますね。
エアタンクの配置が独特ですが、ストック側にエアタンクを配置する手法は昔からあります。またカーボンタンクを反転させて装着していますが、これはエドガン・レシー2も採用していたので、特段珍しいということはありません。
配置の都合上、タンク容量は300ccと控えめです。

で、パンテーラを一言で説明すると、

コンペティション エアスラッグガン

 ということです。


パンテーラの技術的特徴

スペックシートはかなり詳細に書かれている

まず公式のこのスペックシート。
やっとこうなったかという感じで参考になります。
全てのメーカーのエアガンがこれと同じようなスペックシートを公開してたら良いのにと思います。

さてパンテーラはバレル長で、700/600/500の3つのバリエーションがあります。そしてどのモデルにも4.5mm~7.62mm(国内許可)までの口径がラインナップされています。
このうち700と600はエアスラッグ弾専用モデルで、バレル(ライナー)含めそれ用のパーツが予めインストールされています。
500だけはペレット&軽量スラッグモデルと謳っており、組み込まれるパーツが異なります。

700のスペックを拡大表示してみます。

実にFXらしい書き方(笑)

まず、言っておきますね。全長1245mm(笑)
コンペティションライフルですからね。文句は言うまい。

5.5mmで見てみるとパワーがなんと107ftlbsでSPF(満充填からの発射可能数)が90発以上!?すごい!
と言いたいところなのですが、よく見てみると107ftlbsは40grのスラッグを1040fpsで撃った場合の数値で、SPF90発というのは22grスラグを900fpsで撃った場合のショット数です。
FXエアガンのマーケティングは、いつだってそう(笑)
もうお茶目さんなんだから…

まず22grを900fpsというのはかなり低い弾速で、低速で安定するハイブリッドスラッグを使ったデータでしょう。ただこれは一般的なホローポイントエアスラッグに当てはめるのは難しいですね・・一般的なエアスラッグ、例えば23gr/970fps程度で撃った場合のSPFはきっと50発は切るでしょう。また40grに至っては20発程度ではないかと思います。
これが最も燃費が良い700mmバレルモデルでのスペックです。

ただし、その用途を考えれば十分なはずです。コンペティションライフルですから。

さてここからはFXが発表している情報を上げていきます。

パンテーラの技術的特徴

フロントアルカレール

機関部とバレルシュラウドを繋ぐアルカレールが標準でついています。
これは剛性&自由度アップ。そしてサイドはM-LOKガード仕様なのでさまざまなタクティカルパーツが付きます。基本的には、重心バランスを調整するバレルウェイトを装着することを想定しているようです。

アルカレールは最近のエアライフルのトレンドで私のバルカン3やAMAクレイトにも装着しています。レール左右幅がピカティニーの20mmに比べて38mmと広く、前後のズレを防ぐギザギザもなくフラットなレールです。
そのためスコープなどの強固な固定には向いていませんが、エアライフルのアンダーレールには必要十分でしょう。
座面がフラットで広いのでバッグレストもフォアハンドも非常に安定します。
また大抵のアルカアンダーレールにはピカティニーレールを追加できるようになっています。

スラッグ用マガジン

マガジンは現行のものと近い設計ですが、蓋の部分を厚く作った専用マガジンになっています。これは例えば.22で言うと40gr程度の胴長のあるヘビースラッグをマガジンに収めるためです。

45度デュアルメーター

メーターが機関部に2つ並んで付いてます。残圧とレギュレーター圧を挙銃したまま確認できます!ギークなあなたは、え、なんでここに残圧メーターと並べてreg圧メーター付けられるの?と思うでしょう…説明は省きます(笑)

ハイパワーショートインパルスバルブ(とダイナミックブロック)

パンテーラにはなんと世界初の革新的なHPSIVが導入されました!
え?なにそれ?僕も同じ意見です(笑)

つまりプレナム室のエアバルブを、大型でショートストロークにすることで、エア流量を増大、バルブを叩くハンマーの移動量も少なくなり、発生する振動も弱いものとなる、といった狙いのようです。

機関部も新たに作り直しており、効率的で非常に凝った作りになっていますね。
またこれらの配置は今までのエアライフルより直線的に配置されており、FXはこれをストレートバックリコイルと読んでます。
このリコイル問題はエアスラッグを撃つ上ではなかなか頭を悩ませる問題で、この改良は、そうきたかー、という感じです。

ダイナミックプレナム

パンテーラは最大156ccのプレナムを備えてます。これは私のバルカンをも超える容量です。そして容量よりも驚きなのはその搭載位置。

革新的なオーバーザバレルプレナム機構により、
なんとバレルシュラウド(おそらくアルカレール先端まで)がプレナム室になっています。

ドーナツ状のプレナム室でバレルを覆うことで、剛性を上げている!とのことなのですが、これはFXが肉厚の薄い自社バレルの欠点をカバーする機構でもあります(笑)

ちなみにバレルを空気室で覆う構造は既に存在します。
10年以上前にチェコのALTAROSというメーカーがM24ルックのエアライフルで採用しています。これはプレナムではなくエアシリンダーそのものをバレルシュラウドとして使う、というものですが、剛性を上げるコンセプトは同じです。
またArtemisというメーカーもシュラウドタンクを採用しています。

ちなみにパンテーラのプレナムは、出力と出荷国規制で3つの容量があるようです。
マイクロプレナム(サブ12ft/lbライフル)、マクロプレナム(62cc)、マグナムXLプレナム(156cc)となっています。

レギュレーター&ハンマースプリングの外部調整

Regとハンマースプリングを調整する革新的なクイックチューンシステムが導入されています。
ハンマースプリングのテンションを大きく動かすホイールと細かく動かすダイアルの2段構えになっており、個人的にはこれは便利そう!弄りがいがあるぜ!と感じますが、
そもそもこれらは国内においては所持者自ら弄ることを推奨されていないですし、知識なく弄るのは大変危険です。
よっぽどのギークを自負している方以外は、無いものだと考えましょう(笑)

無段階自在バットプレート

コンペティションライフルであるパンテーラは、バット部が2つのポイントで固定されている革新的なアジャスタブルバットを備えています。
平行四辺形状に繋がれており、長さと傾きを調整できます。
いたれりつくせりです。

※他にも
個人的に最新のFXシリーズで便利だなーと思うのは、独自のレギュレーター調整機構です。一般的に外部調整可能なレギュレーターは、設定圧を上げるときにはボトル残圧があっても問題ないのですが、下げる時は一度ボトル圧(プレナム圧)を抜いて空にしなければ調整できません。
しかしながらFXは内圧がかかっている状態で上下に圧力変更が可能になっています。

結論としてどうなの?

ペレット運用なら500、スラッグ運用でも国内なら600で十分だと思います。

まず全長がですね…700の1200mm超えは流石に取り回しが気になります。
500は965mmと控えめですので、悪くないでしょう。

そして500だけはペレット設定だそうです。
加えて軽量なエアスラッグまで対応します。

600と700は出力下限値が、今までの標準ペレットの重さで対応可能なのかわかりません。
ただし、スラッグ専用パーツがインストールされるのは600以上です。
逆に500は、ヘビースラッグを使用せず問題が出ないから、インストールしない、とも取れます。

どうしてもエアスラッグを完璧に撃ちたいと言う方は600を選んでも良いでしょう。それでも口径は5.5mmまでではないでしょうか。

と言うのもオーバーパワーはさておき、エアタンク300ccで250barからの運用となると、一体何発撃てるの?となるからです。

少なくとも国内エアタンクの充填はMAX300barです。
そして重いスラグ、もしくは大口径を選べば、Reg圧は150bar以上でしょう。100barの300ccエア、これで撃てる弾数は非常に限られています。
恐らく5.5mmで30gr以上の弾であれば、30発ほど、6.35mmで40gr超えとなると最大で15発ほどしか撃てないのではと思います。
そして充填圧が300barまで入れられるのは最初のうちだけですw
加えて、FXでは最大ボトル充填圧を低めに設定していて最大圧は250barとなっています。

SPFについてはそれで良いの?とも思いますが、パンテーラはコンペティションライフルですから15発ほど撃てれば十分という割り切りをしているのでしょう。またエアタンク直結で使えるように、フィルポートもバットについています。

もし狩猟用に考えているという方は、低パワーで運用しないと不便が出そうです。

そしてエアスラッグで高アキュラシーシューティングを楽しみたい、という方。パンテーラはエアスラッグガンではありますが、どちらにせよ、弾に合わせてセッティングは必要です。

なんにせよ、新しい技術が盛りだくさんなので、ぜひどなたか購入してみては、と思います。

しかしくれぐれも、エアスラッグの取り扱いは慎重にお願いしますね。
ペレットとは全く違う飛翔体、というか

エアスラッグはライフル弾です(キッパリ)

とまあ、そんなところで今回は終わり。
久しぶりに面白いPCP情報でした。

最後にスキ!ボタンを押してくれると嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。

※興味ある方はこちらのマットダバーの動画もどうぞ


2024.5月追記

FXダイナミックがセール中です!!

パンテーラと機関部を共通とし、タンク容量を増大させたモデル、ダイナミック(700)がトウキョウジュウホウさんでアニバーサリーセール中となっております。
期間は2024年5月末日まで、お値段はなんと44万円(税込、ハンドポンプ付き)です。

さらになんと!!
f-rangeではお値段据え置きでエアスラッグセッティング付きで販売しますので、この機会にぜひご検討ください♪
(もちろんセッティングは私が行います、笑)


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