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エアスラッグ博学審問(11) JSBから新しいペレットが出るぞ

先日、エアライフルペレットメーカーの最大手、 JSBから新しいペレットの発表がありました。

狩猟用エアライフルペレットといえばEXACTディアボロシリーズが有名ですが、今回は5.5mmで少し重めのラインナップを発表しました。

ディアボロ弾とは

ジャンボヘビー18gr

まず今まで基本となっていた5.5mmペレットは18gr のジャンボヘビーです。
これは各エアライフルメーカーが基準弾として選ぶほど優れたもので、今も当然人気があります。

このディアボロ弾のディアボロとは鼓のことで、くびれを持ったペレットをそう呼びます。(悪魔という意味のディアボロではないよ)その形の一つの完成形が18grのジャンボヘビーで、恐らくこの形が最も安定性に優れたペレットの形状です。

そしてこれを元に5.5mmでは25.4grのジャンボモンスター、そして33grのジャンボビーストというヘビーペレットラインナップがあります。

今回発表したのはこのうち25.4grのジャンボモンスターをベースにしたものです。
そもそもジャンボモンスターは現時点でGEN2=ジャンボモンスターリデザインドに改修されています。

先に簡単にまとめると、

今回はリデザインドを元に、よりジャンボヘビーに近いくびれを持たせたデザインにしたシャローを発表、区別するため今までのリデザインドはディープと名前を改めたようです。
さらにディープをベースに重くした28.5grのグランドを作りました。
で、このグランドをベースにヘッドにスリットを入れたハデスを作ったということでしょう。

はい、この時点で多くの皆さんがなんじゃそりゃ??となっていると思います。
そしてこれらについてまだ深い公式見解は出ておりません。
ですが、あらゆるペレット/スラッグを試してきた僕なりの推測、見解を述べたいと思います。

JUMBO MONSTER(無印)25.39gr


ジャンボモンスターはまずこれが標準です。というより数年前まではそうでした。

このモンスターはディアボロ弾の特徴である胴のくびれがほとんどありません。
なぜかというと同じ形で重くするにはペレットスカートの内側を肉埋めしなければいけないからです。
ペレットは重心が前にあることで安定した飛翔姿勢を生み出していますから、スカートの内側を肉埋めすると重心が後ろに下がります。
そうなるとジャイロを積極的に利用しないのペレットのバレルではヨーイングなどを起こしグルーピングに悪影響を及ぼす可能性があります。そうならないためにできるだけ重心を前に持った結果、このデザインになっています。

今回の新商品がすべてリデザインドをベースにしていることから、おそらくこの無印モンスターはディスコンになるのではと思います。

JUMBO MONSTER REDESIGNED (DEEP)25.39gr

これは数年前に発売した再設計(REDESIGNED)のままですが、バリエーションが増えたことでディープという名前が追加されました。
無印に比べるとくびれが大きめになり、その代わりに僅かにスカート内側が浅くなっています。
海外でもとても良い評価のペレットで、私も試しましたが、十分なグルーピングを見せてくれました。

JUMBO MONSTER REDESIGNED  SHALLOW 25.39gr

今回新しく出したのがこのシャロー。上記リデザインドよりさらにくびれが大きくなり、よりジャンボヘビーに似た外観になっています。
そしておそらくその分、スカートの内側を浅くして重量を稼いでいます。

このように前方に大きなくびれを作れば、
空力的には、ディアボロ弾の飛翔安定性の恩恵を受けられます。

しかしスカートの内側を詰めて重心が後ろにずれるほどに、先に書いたように逆に安定性はスポイルされます。

このバランスがペレットの肝です。

今までのペレット用のエアライフルは、あくまでジャンボヘビーを基準としてみていたため、重量弾での最適なセッティングが解決できませんでしたが、
近年はエアスラッグの台頭により高ツイストレートのエアライフルが増えてきました。
ツイストレートが高ければその分ジャイロが効くため、多少重心を後ろにしても安定性を保てるようになりますので、JSBはそこに焦点を当てたのでしょう。

JUMBO MONSTER GRAND 28.55gr

えーややこしいんですが、これは見る限りリデザインド(DEEP)の形状です。
GEN3=SHALLOWが出たと言ってもリデザインドはかなり評価の高いペレットです。

上記のように最近はエアスラッグの台頭でハイパワー化が進んでいますので、リデザインドの外見のまま、スカート内部を肉埋めして、少し重くしたのがきっとこのモデルです。

JUMBO MONSTER HADES 25.39gr

重いハデスを求める声は以前からあったので、ユーザーに応えた商品と言えるでしょう。
そもそもハデスはストッピングパワーを上げるために頭頂部に切りかきを持たせています。そのせいで重量が軽くなってしまうのが難点でした。

リデザインドはもともと25.39grですから、ヘッドを肉抜きするとそれ以下の重量になります。
なので、GRANDの方をベースにヘッドを肉抜きし、25.39grのモンスターの重さに合わせたのだと思います。
ちょっと心配なのはディープをベースにスカート内側を浅くすれば重心は後ろに下がりますが、ヘッドにスリットを入れることでさらに重心が下がります。
モンスターハデスはこれらの新商品の中では最も重心が後ろになると思われます。

JUMBO MONSTER LIGHT

※2024.2.17追加
モンスターシリーズはこれだけかと思ったら、さらに一つ追加されました。
それがモンスターライトです。
見た感じシャローのデザインですが、重量が20.83g、つまりシャローをベースに内側を肉抜きするとこの重さになるんでしょう。
もはや頭が混乱しますねw



とまあそんなところでしょうか。
このうちシャロー、グランド、モンスターハデスは重心が後方に移動してますので、今までのリデザインドもしくは無印モンスターでグルーピングが取れているエアライフルで上手く撃てるかは未知数です。

ただし現在エアスラッグ用で主流の17.7:1程度のツイストレートバレルの相性は良いんじゃないかと思います。

ここは完全に妄想ですが、JSBは近年のエアスラッグブームに乗っかっておらず、一応ノックアウトスラッグという商品はありますが、重量のバリエーションはありません。
JSBとしては、ペレットこそエアライフルの本質であり、そこにこだわりたいのではないでしょうか?
つまり最初からエアスラッグガンで撃つためのペレットとしてこれらを作ったのではないか、ということです。

いやー、なんにせよ楽しみですね。

運用はくれぐれもご安全に。

というか、日本に入るのかなこれ?(笑)

ではでは。

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