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【ツール】プルスルー式クリーニングキットGEN3が完成しました。

エアライフルにバレルクリーニングは必要か??


突然ですが、今回はこんな話題の深掘りから入ります。
エアライフルのバレルクリーニングは不要派の方も多いでしょう。
これは射撃クラスタの中でも宗教思想論として度々話題に上がりますが、
真実はどうなのでしょうか。

私の結論を先に述べると、
精度を求め、かつ保つためには定期的に行うべき、です。

海外のフォーラムでの情報交換や射撃仲間とやり取りしていても、基本的にはみんなバレルメンテはしています。もちろん競技射撃では一般的なメンテでしょう。

逆に日本ではなぜバレルクリーニングが浸透していないのか不思議でなりません。

しかしながら、じゃあメンテをしなければ精度が出ないのかというと、そうとは言い切れません。
エアライフルの主流弾であるディアボロペレットは、バレル内の接触面がヘッド外周とスカート外周のみであり、さらに空力的にも飛翔安定性が高いため、バレルがスラッジで汚れていても、悪い影響がグルーピングとして顕現しない、ということは大いにあるでしょう。

しかしながらそれは、いつでも最高の精度が出る理由にはなりません。
バレルの汚れ方によっては、突然グルーピングが悪化する可能性を内包しているからです。

一方、新品の綺麗なバレルは当然精度が出ます。その状態でバレルをクリーニングしても、新品以上にはなりません。(ラッピングの話は置いといて)
しかし汚れた時にきちんとクリーニングを行えば新品同様に綺麗にすることができます。
つまり人為的に同じ良い状態を保つことができるということです。
となれば、バレルを綺麗にしておくに越したことはありません。

特にエアライフルのセッティングを取る、なんて話になると、エアフローやReg/ハンマーバランスなどを見極める必要があり、それ以外は常にイコールコンディションに保つ必要があります。

またエアスラッグに関してはバレルとの接触面積が大きく、汚れに特に敏感です。あれなんかまとまらないなーと思って、軽くクリーニングをしたらグルーピングが良くなった、そんな経験は何度もあります。これはエアスラッグを研究している仲間も、別の銃砲店でテストしている方もそう仰っていました。
頻度はバレルの状態によりますが、50~200発程度で行うのがおすすめです。

バレルが綺麗であれば、故障や不調にいち早く気づくことができます。
バレルは綺麗にしましょう(笑)

というわけで本題に入りますが、そんなバレルクリーニング教に興味のある迷える子羊たちに向け(笑)
今回リニューアルしたオリジナルバレルクリーニングキットの紹介(みちびき)です。

プルスルー式クリーニングとは

これがクリーニングに必要なもの。非常にシンプルでコンパクト。

プルスルー式クリーニングとは、紐の後端にクリーニングパッチをつけて、バレル内を引き通して清掃する手法です。

エアライフルのバレルクリーニングは、パッチをつけたクリーニングロッドをバレルに通す方法や、フェルトペレットを発射する手法などがあります。

この内、クリーニングロッドは作業が簡単ですが、道具が嵩張るのと、口径別で道具を組み替えたり、パッチの調整が難しかったりします。

フェルトペレットは国内では多くの方が今まで使ってきたと思いますが、正直あんまり綺麗になりません(笑)←クリーニング不要論はここにも原因がある気がします…

また、最近の大型シュラウドを備えたエアライフルでは銃口→シュラウド出口までにフェルトが横転するなどして、その一部がシュラウド内に残ってしまうことがあります。実際、お客様のエアライフルを分解整備した際に、シュラウドから半欠けくらいのフェルトペレットが出てきたことがあります。

鉛弾を撃った時に、なんかの拍子にこの欠片が弾の軌道上に重なって、なんて最悪のケースもあり得なくはないでしょう。
今のところそうした事故は聞いていませんが、可能性として存在する以上、私はお勧めしません。
ですのでフェルトペレットを使用するなら第2世代くらいまでの、サイクロンとかS510といったシュラウドの小さいエアライフルまでにしておきましょう。

38TUNES特製
プルスルークリーニングキットのポイント

これは収納ケース付のセット。大きさはタバコ1箱ほど。

というわけで、確実にバレルクリーニングを行うならプルスルー式となるわけですが、私がこれをキット化しているのにはいくつか訳があります。

ひとつは軽量コンパクトであること。
プルスルー式は紐や糸を使いますので、収納時にとてもコンパクトになります。重量も軽く、銃ケースや鞄のポケットに常に入れておいても全く邪魔になりません。いつでも使えます。

パッチの調整が容易なこと。
私のクリーニングキットはコットンの糸を使用していますので、口径やバレルの汚れ具合に応じて使用量を微調整することが可能です。便利です。

最後にバレルへのダメージが限りなく低いこと。
使用する素材はバレルよりはるかに柔らかい樹脂や天然素材なので、傷つける心配がありません。特に装填口内部には気密を保つためのOリングが入っており、これを傷つけてしまうと精度が落ちたり事故のリスクが高まります。これを絶対に傷つけない、ことがこのキットのポリシーです。

という理由でこのキットを作ったわけですが、この商品、決して市場最高のクオリティ、とか一生使えるタフネス!とかを求めているわけではありません。特徴を一文でまとめるなら、

【軽量コンパクトで使い勝手が良く、安価な商品】

です。
皆さんが気軽にこの宗教 メンテを始められるように、
そしていつでもどこでも簡単に作業ができるように考えた商品です。

使い方

1)口径や汚れに合わせた量のパッチをエンドループに挟み、止めゴムで固定する。
ちなみにこれは既製品にもない私オリジナルのアイデアです。
2)トップガイドを装填口からバレルに押し入れる。
3)押し続けるとトップパーツが銃口から出る。
4)銃口のラインを引っ張りながらパッチを装填口に引き入れる。
5)ラインを手に巻きつけると作業が楽。これを数回繰り返す。

使い方は簡単。
シュラウドを外し、コッキングレバーをあげた状態(もちろんセーフティはかけてね)で、メインライン後端にパッチを挟み、トップパーツをバレルブリーチから挿入しマズルから引き抜くだけです。
シュラウドが付いていると、マズルからシュラウド出口に向かう途中で引っかかる可能性が高いため、基本はシュラウドを外しての作業となります。

が!
今回入手した新素材と改良のおかげで、シュラウド付でも簡単が作業できるようになりました。
その理由がこちら。

NASAが開発した(わけではない)自在に曲がる夢の新素材!!

メインラインは撚り糸ですが、この素材は樹脂を染み込ませ適度に硬さを持っていて、針金のように変形させることが可能です。(限界はありますが)
このため、収納時は丸めておいて、取り出してから指で扱くように伸ばすと、癖がつかずそれなりに真っ直ぐになってくれます。
また挿入用のトップパーツに硬度を持たせ長さも10cmほど取ったことで、おおよそのエアライフルにて、銃口側から挿入してもシュラウドを抜けてバレルに挿入できるようになりました。

この改良により、ほぼ全てのエアライフルのクリーニングが可能になりました。

ちなみに引き抜く方向は、できればバレルブリーチ→銃口が基本です。
というのも銃口側からブリーチに向かって引き抜くとバレル内の汚れが最後にブリーチ側のOリングに溜まってしまう可能性があるためです。
可能性、といったレベルなので、シュラウドが外せないエアライフルは気にせず銃口側から入れてください(笑)

プルスルーは海外では最も一般的なクリーニング方法で、多くの方がDIYをしている一方、既製品も多くあります。なのですが…


携帯性が悪かったり…
パッチを切るのがめんどくさかったり…
微妙なコスパだったり…

と、どうにもトータルバランスが微妙なのです。
それならばと自作したのがきっかけなのですが、なんせ年間5000発以上はエアライフルを撃つので、メンテも頻繁で、使いながらあーでもないこーでもないと改良を続けて今回に至ったわけです。

例えばですが、メインラインの後端のループを作るための結び目。
バレルに引き入れた時に極力Oリングを傷つけないよう、進行方向と逆側に端糸を出し焼き潰しています。
またコブが大きいとブリーチで引っかかったりとこれも良いことがありませんので、適切な強度の範囲でなるべく小さくまとまるノットを使っています。

釣りで言うとループノットの類なのですが、このキットのために変形ノットを編み出しました(笑)

たかが結び目、されど結び目

というわけで、これをお読みになって、自分もバレルクリーニング教に入信したい、もしくは改修したいという方は、ぜひ当商品をお買い求めくださいませ♪

パッチは150本付いており、5.5mmで一回5本程度使いますので、毎回使い捨てても30回分あります。実際は、汚れが少なければひっくり返したりして何回も使えますし、1本のパッチを二重にして挟むなんてエコ技もあります。
またトップガイドも短い方がバレル内の押し出しは楽になりますので、長さが必要なければカットしてお使いください。

まあその辺は色々試してみてください。
一点注意していただきたいのは、初めてバレルに通すときは、バレル詰まりを避けるため、パッチ量を少なめから始めてくださいね。

また一部銃砲店ではお取り扱い頂いております。新規お取引も承ってますのでお気軽にご相談くださいませ。


最後に以前作成したクリーニングキットの使用動画を置いておきますね。
ではでは。


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