披露宴

20代半ばの頃、母の知り合いに誘われて土日に結婚式場でバイトをしてました。
わたしを誘い込んだ後その人は辞めてしまったのでうまいこと使われた気がする。

正確には結婚式場にバイトを派遣する会社の所属だったので、たまに違う式場に行かされることもあった。
だいたい一日2本の披露宴のお手伝いをしていて、わたしは披露宴で音楽を流すのと照明の係。
新郎新婦から要望があれば挙式で電子ピアノを弾いておりました。
結婚式1本につきいくら という給料形態だったので、わたしありきで注文を受けてわたしだけ早く出勤して挙式もやってというのは都合よく使いすぎだろーと思っていたんですが、
お料理を運ぶ女の子たちよりお給料を多くもらっていたので従ってました。

音楽はよほど好きなアーティストがいるご夫婦以外はだいたいお任せだったので、完全に自分の趣味で流してました。
なのでとても楽しいお仕事でした。

しかし、そのうちウエディングプランナーさんから音楽の打ち合わせに参加してほしい等の呼び出しが平日に多発するようになった。
当時わたしは真冬にコートも持っていないような完全な車移動人間で、主な式場まで片道40分ほどかかる上、無償の拘束なのでどう考えてもおかしいし、
当然派遣会社も勝手に呼び出すのは困るとなったし嫌になって辞めました。
それだけじゃないんですけどね。
式場のマグロな社員さんに二股をかけられていたのが発覚したこともあって辞めました。
数年後に当時優しくしてくれていた司会者さんから、
その彼の結婚式で司会をしたんだけど新婦さんが梨沙ちゃんにそっくりだったよ、
といういらん情報をもらってうんざりしました。

20代後半になって父方の従兄弟♂の結婚式があり、母が行きたくないと言うので父と二人で出席しました。
式場で着せてもらえば良かったのに家から母の黄緑色の振袖姿で片道二時間ほど運転して行きました。
運転しにくかったです。
父は余興で弾き語ってくれと頼まれていて、ベタに関白宣言を弾き語ってました。
驚くことに子ども以外の会場の全員が泣きました。
生まれて初めて父を凄いなと思いました。
帰りはただの泥酔者でした。

結婚式と言えば、
大学の友達の結婚式に出席した時、彼女のお母さんの前で「旦那に取られたようで悲しい」と号泣して呆れられました。
ご主人は高校の時から付き合って10年で結婚した人なのでずっと知っていたんですが、
わたしは数少ない友だちに依存するタイプなので悲しくて悲しくて。
まぁ、泣いてそれで終わりなんだけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?