Dear Madonna1000

Madonna。
あなたへの手紙もこれで1000通。

1000通。
これは実は私の死んだ妹の日記を読みながら書いたの。
彼女が死んでもう随分経つんだけど、
広島という土地の中央のビルの屋上から、
私の妹は飛び降り自殺をしたの。
甥は当時、7歳くらいだったかしら。
雪の日にね。
1人で飛び降りて死んでしまった。

当時、何か色々と大変なことがあったみたいで
、私は遺品整理をしていて、
その日記を見つけたんだけど、
妹は同じ経験を2度したらしくて、
内容は正直わからないくらい、
混乱している。

でも、少し理解出来たのは、
どうやらアマチュアのシンガーか何かを、
好きだったのか、大切だったのか、
知らないけれど、
音楽のことがよく書かれていたわ。
解読が難しくて、自分も知ってる歌手も混ぜて書いてみたの。

エンターテイメントではなくて、
どうやら音楽だったみたい。

だから街の人や友人たちとも、
心のどこかでは融合しきれなくて、
いつも合わせているうちに、
彼女は心を開くことが、なくなっていったみたいなの。

それはそれで彼女の人生だったと私は感じている。私の妹は、
嘘をついてまで他人たちと交わろうとしなかった人間。それだけはよく理解出来たわ。

彼女は、
幸せな人生ではなかったかもしれない。

けれど、私は彼女が飛び降り自殺した、
その人生を肯定しようと思ったの。

死にたいほどの辛さや、
死にたいほどの強い思い。

私が死ねば誰も苦しまない。
そんなことも当時の日記には書いてあったわ。
自分さえ消えれば、
息子も親も関わった人達も、
誰も苦しまない。だから死にたいと。

そして本当に落ちていった。
脳みそは飛び散っていて、私は死体を直視出来なかったの。

あれから随分時が流れて、
彼女のことは甥でさえ、
うまく思い出せない。

でも、彼女が愛した音楽の正体や、
彼女が何を守りたいと思って、
もがいていたのか、
日記を読みながら、あなたへ書いてみたかったのよ。 Madonnaも大好きだったから。

妹とはいえ、別の人格。
私の脚色も入っているわ。
辛そうな思いだけは真実だと思うけれど。

なにしろ自殺した人間の日記。
それはそれなりに混乱しかなくて、

私もうまく描写出来てはいない。

ただ、人を恨みながら許して、
人を嫌いながら幸せを祈って、
そのたびに、自傷行為をして、
自分がその悪い感情になるたびに、
自分にバツを与えながら、
生きていたその時間たちは、

他人には滑稽でも、
私は一生懸命、正しくあろうとしたんだな。
って、感心するほどよ。

悪口や他人を憎んだままになれない、
だから自分にバツを与えて、
血まみれの腕で踏み出していた妹が、
私はなにか、キリストのような、
宗教家に思えるときすらあった。
文句だけ言ってりゃいいのに、
それが罪だと彼女は感じていた時期。

彼女の人生。

飛び降りる瞬間まで戦って、
そして謝り続けていた人生。

あの子は虫を踏んづける時でさえ、
ごめんね。というような子だったの。
さぞかし当時は辛かったんだと思うわ。

私は彼女よりうんと長く生きてしまったから、
そんな優しさはないけれどね。
だから、彼女が愛した音楽にも文句書いたりね、、生きたまま焼かれろだぁ?なんて、
歌聴いて腹が立ったり。

彼女は優しい子だったから、
友人たちにどこにも行かないで!
旦那もいるし彼氏もいるけど、
いなくならないで!ばかり言われていてね。
彼女の友人たちは、
彼氏や旦那さんに相手にしてもらえる時、
私の妹は必要なかったの。

それは芸能人に似てる。と彼女は書いていた。

都合のいい時にその人達の寂しさのための道具。けれど満たされた時には、
全然いりませんけど?
でも、引き出しにはいて。って、
これじゃ私は彼女達の好きなアイドルと変わらないな、、いつか捨てるくせに。

そんなことも書いていたわ。

みんな自分の都合ばっかりだ、、、とかね。

彼女の死ぬまでの時間、
まぁ本当に愚痴が沢山あったのよ。
ノートで10冊。

でも Madonna。
あなたたちは私の妹のような人間には、
心に水をくれる唯一の職業の人だったの。

あなたのことも大好きだったみたい。

わたしは脚本家ではないから、
うまく書けないし、脚色も下手だけど、
とにかく成仏させたかったの、妹を。

妹が成仏したのか、
私にはわからないけれど、
1000も書けば、きっと天国へ行ける。
わたしはそれを信じたいのよ。

ありがとう。
Madonna。
あなたの未来に素晴らしいこと、
沢山沢山ありますように。

あなたが私も大好きよ。

これからのあなたに素晴らしい未来が沢山ありますように。






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