prunus mume

prunus mume

☀︎︎☽夢をみた、あなたが居た気がした

🕊

愛してるって一言
言ってあげればよかった
僕たちはいつも、肝心なところで間違えたね
あるいはそういう風に
望んでいただけなのかもしれない
もしも僕があのとき
少しでも大人になれていたならって、
おとなってなんだろう笑

雨雲の中一瞬、
光が見えた気がした

神様、私たちは
終わりの始まりを夢見ていたのかもしれない

微睡みの中でただ揺られて
悪意のない優しさの中
純粋培養の私たちはいまや
触れられれば簡単に壊れてしまうような
脆さをもって
器の中に引籠もる

胎の中
彼女の歌声にただひたすらに
酔っていたかった

愛してるって
言葉にすれば伝わったのかな
どうすればよかったの
たまに思うよ
もしも一言
せめて、さよならを

忘れない、
愛してるは言えなくても
この言葉は言えた

胎の中
ここは誰もいない
すべてがある
彼の宇宙のなか

ただそばに居たかった
そこで眠っていたかった

純粋培養
箱庭育ちのお嬢さん
そろそろ、お目醒めの時間よ

分かっている
目を開けて、そこに見えなくても
あなたは此処にいる

待っていれば、いつかは来るでしょう
それでも、私の魂は急かすの
背中を蹴って、あの日から
ずっと
あなたは待ち草臥れて
他の人と結婚しちゃったけれど
私の心はまだあなたのものなんだよ

待って、お願い
せめて、最後まで付き合って
形ある終わりを私にください

安全な揺り籠から飛び出て
獅子の待つ草原へ
駆け出す私は今は人
言葉を持つ、同じ種をしたイノチ
私が私である内に
伝えておきたいことがある
貴方が貴方である内に
言っておきたい想いがある

こころから

抱えて逝くには重たすぎるから
今世で手放し置いていくわ

私が私、貴方が貴方でいる限り
結んだ約束に

形ある終わりを

その前にひとつだけお願い

私がわたしである証
もう一つの名で
私を呼んで

(約束は守るよ)

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