Dum spiro, spero.

わたしの胸に青いバラを刺して
泣けない かなしみ方も忘れてしまった
わたしの心に
その言葉を注いで

いま、あなたがいなくてよかった
こんなところ、もし見られてしまっていたら
わたしはもう、あなたに顔向けできなくなる

それでも、いいよと
あなたは笑うでしょう
また、そんな風に
泣きそうな顔で
微笑むの
分かっているよ

あなたの誕生花
どれがいい
出したリストから選んだ花は
アプリコット

あなたらしいね
そう、素直に言えた
あの頃が懐かしい
どこにいったの

いつか、こんな日が来ること
分かっていたから
あらかじめ、記憶に収めていた
いつものように

出来るかぎり、鮮明に
匂いも温度も質感も
その時何を想い、
何を願っていたか

私の誕生花
あなたは知らなかったはず
それなのに
向日葵ではなく
聖母の花を贈ってくれた

別に意図した事じゃないだろうし
私も言わなかった、けれど
あの日、別れた後
私は抱いて泣いたの

あれがあなたの心ならよかった

そうやって、またすれ違うのかい
口に含んだ実は
熟れてすぐに崩れた
飲み下した酸味は
想像したものとは程遠い
愛を言葉にできたなら
涙はそこにあるかしら

わたしの胸に青いバラを刺して
そこは魂の棲まう場所
あなたの手で痕をつけて
わたしの心
確かに

育てた花は
きっと、いまも
ふたりの星で咲いている
季節が来たら
いつか、便りの風に乗って
こちらの空にも届くでしょう
花弁

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