フランスでパン職人②

フランスのブーランジェーとパティシエの資格(職業適性資格)を持っているわけですが、あくまでも”その職業に就く事が出来る”というだけのものです

学校では、1週間の授業、2週間店で仕事を繰り返しながら、次の年の国家試験を合格した後、その資格を得て職人として仕事を始められます。その1番底辺の資格レベルがCAPと呼ばれ、(私は、CAP boulanger )その上、また上、そして最上級がMOF(meilleurs ouvriers de France)です。

授業は、難しくはありません。(ただ、フランス語が出来てというのが大前提ですが。)
ただ試験に受かるように技術が身につくのは、思いっきり店によります。

店側の見習いの扱いにかなり差があるので、使えないヤツだと同じ単純作業ばっかりです。気が利いて使えるヤツだと、戦力になる(見習いでも給料がありますが、その当時で6万ほど)ので、いろいろ任せてもらえます。しかし、残念ながら同じクラスの思春期男子達の半分以上は、高校に行きたくなくて仕方なく来てる連中なのでほぼ前者でした。

ですが、フランス国民の彼等は見習いであっても身分がしっかり保証され、従業員として一人で仕事をさせてはいけない事や決まった金額の給料が保証されるなどして、法律で守られていました。

よって、外国人の私は、それに該当せず、彼等の給料の1/3程度だったり、最終日に、”給料を払う義務はない”と言われたり、違反のはずだけど、従業員として一人で働かされたり…とまともに扱われた事はありません。

まあ、こんな扱いを受け、労働階級のフランス人達の強い差別意識やシビアな金銭感覚(といえば格好いいが、単純に汚い。ゲスい。)を嫌という程知る事になりました。しかしながら、短期間でかなり腕をあげる事が出来たのも事実です。

学校では、一般的な授業(数学、公民等)に小麦の知識、パンの技術、実技が主になります。ちなみに、私がいた学校では、パン、パティシエのクラス以外に、料理人、ハム肉加工、売り子、花がありました。地方によっては、椅子の布貼りなんかもあったようです。

ちなみに、なぜかハム肉加工のクラスの男子達は、すこぶるガラの悪さ。町の肉屋の多くの店員さん達のマッチョな感じがすでにその時点で醸し出てます…。

こんな感じで見習い学校生活を始め、その後数年間、どっぷりパンにはまっていくのでありました。




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