フランスでパン職人③

フランスでパン職人②で書いたように、
ルーアン(パリより北の地方都市)のCFA(職業見習い養成学校)入学後、見習い受け入れ先を学校の担当女性がいくつかピックアップしてくれます。

その担当者と一緒に顔見せに行った後、一人で行き、見習いを始める日や時間等の詳細を告げられます。

見習い先になった3軒の店のうち、2軒はルーアンの個人店。1軒は、パリでチェーン展開していた店。いずれもパンと菓子を置いている店です。

私個人の意見ですが、個人店で、パンと菓子を置いてる店だと、旨いバゲット、トラディションに出会うのは、稀です。毎日、バゲットだけでも何百キロの生地を扱うので、バゲットの“旨さ”よりも効率重視のようで、他のパンは、ほぼミックス粉。菓子もビックリする程味も見た目も期待出来ないです。

やっぱり、餅は餅屋でしょうか。どっちも悪くない、という店はチェーン展開してるお金を持ってる店位(パリ)じゃないかな、という印象です。

で、見習い生の仕事に関してですが、初めは先に書いた何百キロの生地をひたすら決まった量測って容器に分けて、冷蔵庫(部屋状態)に入れるという作業です。
これが、作業する間にどんどん発酵が進むので、常に大急ぎでやる必要があります。なので、作業が終わった後は、ヘトヘトです。

これが、要領よくできるようになると、機械や手での成形、オーブンへの出し入れもやらせてくれるようになります。

このように、フランスのパン職人は、思い切り男性向けの体力仕事なので、女性の職人はあまり見ないです。

そして、ほぼ単純重労働の繰り返しが、パン職人の実際であり、残念ながらフランス人の中では、パン職人は、オーナーでもない限り、低層の労働階級に位置し、見下される事も多い事実も知ることになるのでした。 実際、職人仲間は、ほぼ移民家系の人達でした。

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