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余談が尽きない事は良い証拠 7.4 FMWE旗揚げ戦感想②

前回からの続き。

会場である鶴見青果市場の受付に到着すると早速ある光景が目に飛び込んだ。

警察だ。

いくら何でも早すぎる。自分の脳裏にはもう何かやらかしたのか、興行中止なのかという不安がよぎるも、無線で話す警察官はどうやら会場外にはみ出していた客について報告をしていただけだった。

しかしこの時点で自分の中のわくわくポイントに10ポイントが加算された。そうそう、これ、こうでなくては。

自分が到着した時には外には人が溢れていなかったが、そんなに人がいたのかと思い場内を見ると、5月の倍以上はくだらない客の数が。

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噂に聞いていた会場キャパを超える、どこかにバレれば怒られるレベルの入り具合だ。わくわくポイントがさらに5点追加された。

想定通り開演時間を10分近く過ぎたところで興行がスタート。

この日は前5試合が行われ、電流爆破の試合はメインイベントだ。

第1試合には自分の学生プロレス時代の自団体の先輩と他団体の後輩が戦う試合が行われた。

余談だが、その先輩のリングネームは太仁田ブ厚(フトニタブアツシ)といい、名前の通り大仁田厚をコピーしたレスラーである。

大仁田厚に多大なるリスペクトを持ちながら、電流爆破"風"マッチという電流爆破をクラッカーで表現したコミックマッチを当時から行い、約16年位前の学生時代には時代の先駆け的に「無観客試合」でこれらの試合をして、自分達だけで楽しんでいた。

それがなぜこの場でこうなったかはちょうどインタビュー記事がWEBにあったので、興味ある人だけこちらを見ていただければと思う。

※インタビュー記事に出てくる「当時の後輩」は僕の事である。

さらに余談だが、大仁田厚には「大仁田信者」というファンが多く存在する。その信者達は大仁田の入場時にはのぼりを掲げ、入場花道を彩るというのが恒例行事的に行わる。

太仁田さんも自前でのぼりを用意していたらしいのだが、そののぼりを掲げる旗手がおらず、試合開始直前までTwitterでのぼりを振ってくれる人を募集していた。ただ、様子を見ていても一向にのぼりを持つ人が現れなかったので、一緒に見に行った後輩に「降ってきてあげなよ」と促し、晴れて、そののぼりは日の目を見ることができた。

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試合はあの頃のように有刺鉄線ならぬ、無刺鉄線のリングで数々のクラッカーが鳴らされ、わくわくポイントの加点こそ無いが、程よくいい感じの温まり方で試合が終わったと思う。

こうして、思わぬ形で過去と現在が繋がり、メインイベントを前に懐かしさと嬉しさと気恥ずかしさ混ざり、興行にスパイスを与えてくれた。

その後、第2、第3試合と続くが、昨日の事なのに正直あまり覚えていないため割愛する。

一度目の休憩を挟み第4試合は配信の投げ銭に応じて凶器が追加されるハードコアマッチという新たな試みをしていた。

実際に今大会は全世界に配信されており、英語の実況もあったため、ネットを見ると海外のプロレスファンも少なからずこの大会を見ていたようだ。

後で分かったことだが、通常プロレスの配信は日本語実況と英語実況で配信チャンネルが異なる。普通に考えて主音声と副音声みたいなものなので当たり前なのだが、この大会は違ったらしく、日本語実況の横で同時に英語実況をしており、音声が重なって配信されていたのである。

後付けわくわくポイント案件である。

そんなこんなで第四試合も終わり、ようやくメインイベント「有刺鉄線電流爆破+バリケードマット地雷+電流爆破バット+電流爆破テーブルマッチ」が始まる。

が、そのまえに2度目の休憩。もちろん電流爆破マッチをやるためには準備が必要だ。

ロープには電流付き有刺鉄線が張りめぐされ、リング前にはバリケードマット地雷なる、プロレス以外では全く聞き覚えの無いアイテムが淡々と準備されていく。

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無造作に置かれてはいるが、この画像に写っているものの多くは爆発物だ。

現実世界に非現実なものが投入されている状況に観客も高揚し、この爆発物を皆、写真に収めていた。

またまた余談だが、この会場にはなんとトイレが無い。300名ほどの観客が居るにも関わらずトイレが無いという状況ははっきり言ってぶっ飛んでいる。

ではどうするかというと、会場を出て道路の向かいにあるイオンのトイレに駆け込むのだ。

そのため休憩になると数十人単位の客が一斉にイオンに押し寄せる。前回の興行で自分も経験をしたが、スーパーに数十人が一斉に押し寄せるという状況が異常でしかない。スーパーの客が何事かと恐れおののいていた光景が目に焼き付いている。

こんな状況は西友偽装肉返金事件くらいでしか見たことが無かった。

しかしこんな会場の異常さだからこそこのイベントができるのである。

こうして休憩時間が過ぎていくのだが、待てど暮らせどメインイベントが始まらない・・・

休憩開始から30分、40分、リングの準備はとうに出来ており、前述の大仁田信者も10数人が旗を持って入場ゲート前で大将大仁田の登場を今か今かと待ち受けている。

明らかな異常である。こんな長い休憩はトラブル以外あり得ない。

しかし、我々はこれくらいで文句を言うほどやわではない。

ここでは異常こそ通常なのである。

いくらでも待とうじゃないか。このフラストレーションが後に爆発するのであれば待った分だけ楽しめる。

調教された我々が待つ事約50分、遂にその時が訪れた・・・。

メインイベントの始まりだ!

その③に続く



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