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伝説というものを実感してきた 7.4 FMWE旗揚げ戦感想①

コンサート、イベント、スポーツの試合等世の中のエンタメコンテンツの中にはファンの間に語り継がれる「伝説の~」というものが存在する。

その多くは振り返ってみたときに非常に貴重だったという状況がそうさせたり、二度と見れないという時にこう呼ばれると思う。

自分は20年来のプロレスファンだが、2021年7月4日、これまで見てきた興行の中でもベスト5に入る衝撃的な興行に立ち会う事ができた。

その興行はタイトルにあるFMWEという「邪道・大仁田厚」が新たに立ち上げた団体の旗揚げ興行だ。

大仁田とFMWEの説明は割愛するが、自分は20年プロレスを見てきて今年まで生で触れてこなかったものがあった。それは「電流爆破」というギミックマッチだ。

プロレスを知らない人でも、もしかしたら聞いたことがあるかもしれない(若い人には馴染みは無いと思うけど)この名前。

人が生活する中で全く出会う必然性の無い、ファンタジーの世界に存在するもの、それが電流爆破。

だって、人間が電流に触れれば感電死するし、爆発すれば人は吹き飛んで死ぬ。そんなことは常識なのにプロレスのファンタジーの中では常識は通用しない。

そんな電流爆破の試合形式を一目見たいと思い、数少ない電流爆破チャンスを求めて電流爆破童貞を捨てたのがさかのぼる事今年の5月。DDTという団体の主催する「爆破甲子園2021年春」というイベントだった。

そのイベントのメインでは「電流爆破バット&五寸釘爆破ダブルブラシ」なる、プロレスを知らない人からすると全く意味不明なアイテムが使われた。

リング上では大仁田を含む8人の選手が入り乱れ、一発食らうだけで大ダメージを与えられるその武器を奪い合う攻防が繰り広げられ、遂にその時がやってきた。

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その瞬間人生では聞いた事の無いレベルの大音量の爆破音で目の前の大仁田が爆発した。

ここまで書いておいてなんだが、映像では何度もこの電流爆破形式というものは昔から見てきた。何が起こるかも分かっていた。ただ、生で見たことが無かっただけだった。

結果、かつてない衝撃だった。

あまりの音のでかさと衝撃に一緒に童貞を捨てに来た友人と顔を見合わせて大笑いした。凄すぎたら笑うしかないという状況がまさにこれだった。

しかしこの試合はこの一発だけではなく最終的に計4回もの爆破が実行された。2発目からは一発目の衝撃で恐怖が刷り込まれ、体をすくめ、膝を曲げる完全防御態勢を無意識に取っていた。

最後の4回目の爆発の後、試合が決まった。

本来プロレスにおいてはどの選手が勝つかで一喜一憂し、攻防の流れでテンションがあがるが、そんなプロレスの楽しみ方を根本から覆す、ジェットコースターに乗る時に似た感情で試合を見ていた。

もうこれは試合ではない、アトラクションだ。

しかしどんなジェットコースターでもアトラクションでも味わえない、本物のヤバさを体感してしまったことで完全に高揚感がバグってしまった。

そもそもこの興行の会場である鶴見青果市場という場所がまた凄い。住宅が隣接し、向かいにはスーパーもある、ただの立体駐車場の1Fに雑然と開かれた、ただのスペースなのだ。爆発音が出れば隣の住宅にももちろん聞こえる、そんな現実との境目の空間がこの非現実な状況とイベントとの共犯感を助長させるのだ。

この新たな扉を開いてしまったことで、同じく20年以上プロレスを見てきた二人の友人でさえも自分と同じ状態になり、帰路に着くときには興奮も冷めやらず次にまたこれを味わえるなら絶対チケットを取ろう!と誓った。

そしてこのチャンスはすぐに訪れた。

邪道、大仁田は自らが自由に立ち舞え、会社のコンプライアンスのキャップを限界まで開くため、FMWEという団体の立ち上げと共にこの7月4日の興行がアナウンスされた。

この興奮をプロレス仲間に伝えると、自分も生で見てみたい!とさらに友人が手をあげ、結果6人で今回の興行に行くことになった。

そして7月4日、小雨の降りやむ中、前回よりも倍に増えた友人と共に再び鶴見青果市場の地に戻ってきた。

②に続く。


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