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【大会レポート】勝手にディバイドバトル 韓国エリア ソウル会場

0.はじめに

おつかれさまです、37.4℃(びねつ)です。
普段は、主に「Blooming Camellia」や「火竜の会」といったビルディバイドの調整チームに所属しており、全国大会である「ディバイドバトル ファイナル」で優勝することを主な目標に掲げ、カード・構築の研究や、試合の練習を重ねています。

先日(2024年8月3日)、韓国のソウルで「勝手にディバイドバトル」というビルディバイドの自主大会を開催したので、その大会の様子をnoteにまとめました。

「1.開催の経緯」では、筆者が本大会を開催するに至った経緯等を記載しております。大会レポート本編は、「2.予選スイスラウンド」からになります。必要に応じて以下の目次から移動し、読み進めていただけますと幸いです。

それでは、本文へどうぞ。

※本文は全文無料記事となります。


1.開催の経緯

「0.はじめに」の自己紹介の続きになりますが、昨年の春より、仕事の関係で韓国のソウルで暮らしています。このため、前述の調整チームとは、主にDiscord(オンライン)でコミュニケーションを取っています。

他方で、カードゲームは対面(オフライン)で遊ぶのが一層楽しいと考える筆者は、韓国のカードゲーマーにビルディバイドの魅力を普及することで、韓国でもビルディバイドのコミュニティを形成・維持し、当地でもビルディバイドを楽しんでいるところです。

既に多くの韓国の方にビルディバイドを楽しんでもらえていますが、強欲な筆者は、「もっと多くの人にビルディバイドの魅力を知ってもらいたい!」「もっと多くの人にビルディバイドを好きになってもらいたい!」と日々考えております。

そんな折、2ndシーズン最後の大型イベントである「ディバイドバトルファイナル」において、ディバイドバトルの海外開催の決定が発表されました。

ディバイドバトルが韓国で開催されたら、どんなに素晴らしいことか!

ただ、そんな筆者の思いは叶わず、公式から発表された開催地は台湾であり、韓国にディバイドバトルを招致することはできませんでした。

もちろん、台湾でのビルディバイド人気については承知していましたが、他方で、韓国におけるビルディバイド人気も負けていないと感じていました。

その根拠の1つとして、韓国に赴任した2023年4月18日以降に、筆者と有志で開催したビルディバイドの大会等の実績が以下のとおりです。

直近こそ小規模での開催になってしまったものの、1年とおしてコンスタントに2ケタ近い(平均9.9人)参加者が集まっていました。こういった実績からも、「韓国で1番強いプレイヤーを決める大会」と銘打って開催すれば、より多くのプレイヤーに参加いただき、台湾での「ディバイドバトル」や地方で開催される「ショップグランプリ」にも引けを取らない大会を開催することができると確信していました。

韓国のプレイヤーに、もっとビルディバイドのことを好きになってもらうには、あのディバイドバトルの熱気を肌身で感じてもらう他にない!

そう考えた筆者は、文字どおり「『勝手に』ディバイドバトル」を韓国で開催することにしたのでした。

さて、次章からいよいよ本編です。


2.予選スイスラウンド

当日、集まったプレイヤーは・・・なんと16名!よって、「勝手にディバイドバトル」は、韓国における過去最大規模で開幕することになりました!

予選は最大4回戦のスイスラウンドで行います。テリトリー分布については、以下のとおりです。

以下の〈フラッシュバッカー〉〈超越者の揺り籠〉〈焼炙の門〉の3テリトリーが各2名ずつで、その他のテリトリーは各1名ずつの、まさに群雄割拠。〈フラッシュバッカー〉のうち1名は、本大会の招待選手として日本から招かれたタケシ(本文中は、本大会でのプレイヤーネームの「Takeshi」)選手ですが、韓国のプレイヤーも1名〈フラッシュバッカー〉を準備しての参戦。

〈フラッシュバッカー〉以外にも、比較的新しいカードを採用してデッキを組んでいるプレイヤーがたくさんいました。

これまでもアイリスを使用し続けていたプレイヤーは、さっそく〈煉極門・驪竜〉(5月31日発売、BT14 叫べ、深淵の彼方まで)をテリトリーとして採用。その他にも、同弾の箱プロモである〈勇戦する姫騎士 エル・ド・ラドリス〉を採用した〈海底神殿 アレイネ〉であったり、中には、2024年5月度の公認大会プロモである〈大火国の野盗 艶冶〉を採用した〈赫灼竜 ヴォルガネード〉型の〈焼炙の門〉など、多くのプレイヤーが、比較的新しいカードを揃え、大会に臨んでくれました。

また、日本のプレイヤーが執筆したnoteを参考に、テリトリーやそのリストを持ち込んだプレイヤーも少なくなかったです。具体的には、優駿さんが愛用する「剣呑揺り籠」であったり、中には、くろんげさんが執筆した「14弾環境 青白カノン」のリストを完コピして挑んだプレイヤーも!どちらのリストも、デッキとしての楽しさと強さの両方を兼ね備えており、韓国でも注目されているようです!

予選ラウンドの様子。

さて、いよいよ予選ラウンドの始まりです!

第2試合では、1番テーブルでさっそく波乱の展開です。現環境で最強と名高い〈フラッシュバッカー〉を使用するTakeshi 選手に挑むは、〈転生の柩〉を使用する액숀(エクション)選手。最強のアグロ性能を誇る〈転生の柩〉を相手に、先攻を渡したくないTakeshi 選手でしたが、ジャンケンで負けてしまい、後攻になってしまいました。

ちなみに、韓国のジャンケンは、「가위(カウィ)=はさみ」「바위(バウィ)=岩」「보(ボ)=ふろしき」という掛け声で行います。また、「가위」については、日本で用いる一般的なチョキの手ではなく、親指と人差し指でピストルのような形をつくり、手を出す人も多いです。

話は試合に戻りますが、액숀 選手が1ターン目から〈抗拒の聖兵 アスファ〉と〈守護巨人 レイブラス〉の2体を展開し攻め立てる、まさに〈転生の柩〉の理想形で試合が始まりました。

何とか受けを間に合わせたいTakeshi 選手でしたが、テリトリー開放後も액숀 選手の怒涛の攻めは止まらず、ライフから捲れた〈呪術師の謀略〉も、しっかり〈抗拒の聖兵 アスファ〉の効果で打ち消し、そのまま押し切り勝ちとなりました。

予選ラウンド第3試合では、2番テーブルで〈超古代遺物 ヴァレリア・キティラ〉と〈海底神殿 アレイネ〉の一戦が行われました。中盤〜終盤には、〈海底神殿 アレイネ〉の伝家の宝刀〈深淵より降誕せよ、異界の門徒たち(シュブ・ニグラス)〉が炸裂しますが、〈超古代遺物 ヴァレリア・キティラ〉側も、〈シュトルムファルケ〉などのコマンドで効率良く攻撃をいなし、試合はさらにもつれ込んでいきます。激しい攻防が続き、とうとう制限時間は残り1分に。予選ラウンドは、持ち時間30分で、時間切れは両者敗北のルールを適用していました。山札を引き切って、どうにか勝ち筋を探る〈超古代遺物 ヴァレリア・キティラ〉側でしたが、このターンに勝ち切ることができず、そのままエンドフェイズへ。〈超古代遺物 ヴァレリア・キティラ〉側の残りのライフは1枚ですが、残り時間は僅か・・・誰もが両者敗北かと思ったその瞬間、〈海底神殿 アレイネ〉側の이정민(イ・ジョンミン) 選手が、エンドフェイズにすかさず〈月明かりの宴〉をプレイ!〈超古代遺物 ヴァレリア・キティラ〉側にライフのドローを強いて、迎える自分のターンも即座に番を返すことで、残り数秒で相手をLOさせる劇的勝利!予選ラウンドで一番の大歓声に包まれました。

一方で、第2戦目に1敗を喫したTakeshi 選手でしたが、その後は、持ち前のビルディバイド力(りょく)で連勝し、3ー1で予選ラウンドを終えました。


3.決勝トーナメント

さて、熱戦の予選ラウンドを抜けたのは、以下の8名とテリトリーです!

予選1位通過 액숀 選手:転生の柩
予選2位通過 Takeshi 選手:フラッシュバッカー
予選3位通過 이정민 選手:海底神殿 アレイネ
予選4位通過 최광균 選手:焼炙の門
予選5位通過 너구2리 選手:大空洞の司令塔
予選6位通過 스톰브링거 選手:フラッシュバッカー
予選7位通過 염정식 選手:超越者の揺り籠
予選8位通過 김재학 選手:超越者の揺り籠

予選ラウンド第2試合でTakeshi 選手を撃破した액숀 選手が予選ラウンド全勝で1位通過しました。


いよいよ、決勝トーナメントが始まります。

本大会は、ベスト4までに入ると〈シールド展開〉が賞品として授与されることもあって、決勝トーナメント第1ラウンドの勝利は大きな意味を持ちます。

・・・?

・・・!

そうなんです。実は、本大会のために、関西最強と名高いサカスさんが、〈シールド展開〉を4枚も提供してくれたのです!本当にありがとうございました!

そんな〈シールド展開〉を手に入れるための魂の一戦(決勝トーナメント第1ラウンド)を制し、準決勝に駒を進めたのは……以下の4名とテリトリーです!

予選1位通過 액숀 選手:転生の柩
VS
予選4位通過 최광균 選手:焼炙の門

予選2位通過 Takeshi 選手:フラッシュバッカー
VS
予選6位通過 스톰브링거 選手:フラッシュバッカー


下馬評どおり、フラッシュバッカーが2名とも準決勝に進出しましたが、ここでミラー対決となります。

準決勝は、Takeshi 選手の先攻で始まりました。〈フラッシュバッカー〉のミラー戦において、先攻は有利とされています。序盤は、そのとおりにTakeshi 選手が優勢に見えましたが、中盤で形勢に変化が生じます。Takeshi 選手の手札のエースカードが切れてしまいました。〈フラッシュバッカー〉は圧倒的な盤面形成力を有するテリトリーですが、その効果のトリガー条件は「エースを登場させること」。結果として、Takeshi 選手がエースカードを引けなかった(登場させられなかった)のは、この1ターンのみでしたが、そのターンの스톰브링거 (ストームブリンゴー)選手の盤面を捌き切ることができず、そのまま終盤まで押し切られる展開となり、Takeshi 選手がまさかの準決勝敗退。見事、스톰브링거 選手が決勝戦に駒を進めました。

もう一方では、予選1位通過の액숀 選手が勝利。決勝戦は、〈転生の柩〉と〈フラッシュバッカー〉のマッチアップとなりました。

決勝戦の様子は、後日「グァン&ストームTCG」のYouTubeチャンネルにアップされる予定です。

先攻を勝ち得た액숀 選手ですが、理想型である〈1コストのユニット〉+〈2コストのユニット〉での2体攻撃とはならなかったものの、〈濁流精霊 フリュ〉を登場させて先制攻撃。一方で、스톰브링거 選手も負けていません。返しのターンに〈アフターダーク 後藤ひとり〉を登場させ、〈濁流精霊 フリュ〉を撃破します。その後も、ショットトリガーの〈宝石魔術〉が絡んだりなどして、〈フラッシュバッカー〉開放までのライフへの攻撃を2ダメージに抑えることに成功します。

中盤は、〈転生の柩〉の展開力が〈フラッシュバッカー〉を勝り、1点ずつライフを削っていく展開になりますが、〈フラッシュバッカー〉側もライフを犠牲にしながらテリトリー効果でユニットを展開していきます。

試合はいよいよ終盤に突入します。形勢はと言うと……〈転生の柩〉側がライフ7でユニット2体、対する〈フラッシュバッカー〉側がライフ0でユニット10体。스톰브링거 選手は、エナジーもしっかり3枚起こして、いよいよ反撃に転じます。〈星座になれたら 喜多郁代〉も場に2体いることから、ショットトリガーの〈霹靂一閃・八連〉も最低限ケアすることができています。しっかり2体の〈アフターダーク 後藤ひとり〉の効果で相手のユニットを破壊しながら、1点ずつライフを攻撃していきますが、ライフから捲れたのは、ショットトリガーの〈聖域の激闘〉!これにより、10体もいた스톰브링거 選手のユニットが1体になってしまいました。勝負ありです。返しのターンに〈転生の柩〉側がユニットを複数体展開してダイレクトアタック。

見事「勝手にディバイドバトル」を制し、韓国最強の座を勝ち得たのは、〈転生の柩〉を使用した액숀 選手です!おめでとうございます!

決勝戦の振り返りですが、〈聖域の激闘〉はもちろん、〈白刃の天使 ロードリック〉も、〈フラッシュバッカー〉を倒す上での重要なカードだったように見えました。〈フラッシュバッカー〉のエースたちはパワーが5500のため、それらを一方的に倒せる上に、デコイを持っており、〈フラッシュバッカー〉にとっては非常に厄介なカードです。


最終結果は、以下のとおりでした。みなさん、おつかれさまでした!
優勝  액숀 選手:転生の柩
準優勝 스톰브링거 選手:フラッシュバッカー
3位  Takeshi 選手:フラッシュバッカー
4位  최광균 選手:焼炙の門

優勝した액숀 選手の〈転生の柩〉のリスト
準優勝の스톰브링거 選手の〈フラッシュバッカー〉のリスト
3位のTakeshi 選手の〈フラッシュバッカー〉のリスト
4位の최광균 選手の〈焼炙の門〉のリスト


優勝した액숀 選手には、世界に1枚だけの、本大会オリジナル優勝プレマが授与されました!羨ましい!

このプレマや、本大会のロゴについては、日本のビルディバイドプレイヤーのシキさん(@lovekangirl)が作成してくれました。素晴らしいデザイン、本当にありがとうございました!

韓服を着たアイオラがとても可愛い。シキさんはXにて、たくさんのビルディバイドのイラストを投稿しています。是非チェックしてみてください!

また、本大会では、日本のカードサプライ会社のCRAFT CROWN様(@pokehaya_jpn)がスポンサーとして支援してくださったおかげで、入賞者のみならず、全てのプレイヤーに豪華な参加賞などを配布することができました。本当にありがとうございました!CRAFT CROWN様のサプライは、筆者も愛用しており、特にデッキケースがコンパクトで持ち運びが良く、大変重宝しています!

その他にも、VioSさんをはじめ、多くの日本のプレイヤーに賞品を支援いただいております。本当にありがとうございました!

こういったみなさんのご協力もあり、大盛況で大会を終えることができました。

大会中は、それはもうみんな楽しそうにビルディバイドをしていて、改めて、韓国でもビルディバイドが愛されていることを実感することができました。

韓国のプレイヤーのみなさん、ご参加いただきありがとうございました!これからも、一緒にたくさんビルディバイドして遊びましょう!


最後に、招待選手として遥々日本から参戦してくれたTakeshi 選手のコメントを紹介します。大会を盛り上げてくれて、本当にありがとうございました!

【Takeshi 選手からのコメント】
招待選手として参加しましたタケシです!結果としては決勝トーナメントでミラーに負けて3位でしたが、3位という結果以上に、韓国でもビルディバイドが大盛り上がりだということを肌で実感できたことが大きな収穫であり、とても嬉しいです!対戦いただきました皆さん、びねつさん、ありがとうございました!

私のビルディバイドの持論に「海を隔てると環境が変わる」というものがありまして(日本でも福岡や札幌が該当)、韓国の環境はどんなものだろうと期待に胸を膨らませて臨んだのですが、フタを開けてみれば、持論どおり最近の日本とは異なる雑多環境で、色々なデッキを見ることができて楽しかったです。一番印象に残った試合は3位決定戦でのvs焼炙の門に先攻を取られた一戦で、英語で試合をしていたのですが、相手が2ターン連続でラビアンを投げてきて「Oh....」と絶望していたら、相手が「Rabian yeah〜!」とテンションアゲアゲだったのを見て、ビルディバイドは世界共通語なのだなと実感できました。

次回開催の際には今度こそ優勝を狙いたいと思います!日本のみなさんも一緒に行きましょう!本当にありがとうございました!!


4.おわりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか。

日本のビルディバイドプレイヤーのみなさんに、韓国でのビルディバイドの盛り上がりが、少しでも伝わっていれば嬉しいです。

日本へ一時帰国した際は、たくさん遊んでください!これからもよろしくお願いします!

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