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YOU MAY DIE IN MY SHOW

発行日:2020/10/11
ジャンル:とうらぶ(にほへし)17冊目
     ※萩生さん(桶屋)との合同誌
表紙:ゆるチップ(そら)+FC
カバー:ディアマンテトレス+白+FC
本文:美弾紙フィジー
   本文紙変え(一部:クラフト)
遊び紙:フリッター90㎏(ソフトブルー)

カバー:EditNet Printeq(別注)
本体:日光企画(ゆるチップフェア)

表紙

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今回は全体的なイメージがシックで大人な雰囲気の御伽噺って感じだったので全体的に落ち着いた雰囲気でまとめています。
紫煙を白押さえにして透けさせるか、カバーを風合いのある紙にして空押しで文字を入れるか結構悩んだけど表紙入稿の時点でストーリーの詳細が固まっていなかったので、カバーと本体を分けて入稿できる方にしました。
ディアマンテトレスはウェディングのペーパー類とかに使う紙で、普通のトレペとちょっと風合いが違うので触り心地もつるっとしています。
透け感はあるのに薄ぼけた印象になるトレペカバーは全体が煙でかすんだ物語にもあっているなと思っています。

また、「小説と漫画のリレーで1本のお話を作る」という本だったので、それぞれお話の要素を表紙にも入れたいね、というのは初期の段階から話していました。

本来カバーとしての取り扱いはない規格だったにもかかわらず承諾いただけた印刷所には感謝。

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カバーを外すと二人が消えます。
本体はゆるチップ(そら)という紙で、グレー地につぶつぶした混入物が混ざった固めの再生ボール紙です。
そらは裏面が水色に着色されていて、見返しがブルーになっています。

遊び紙

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フリッターのソフトブルーです。
もっともこもこしているかと思ったんですが思ったよりはシンプル。
ふわっとした画用紙のような印象の紙です。

本文

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本文は美弾紙のフィジー。
今回の本は全体的に青系でまとめています。
読む際にはわからないぐらいの青ですが、小口を見ると結構青いのがわかります。
小口といえば今回の本は約1センチの厚みなんですが、相談の段階では合わせて80ページぐらいになったらいいよねと言っていたのが気付くと124ページになっていました。頑張った^^増える分にはいいよね。

各章にはタイトルと、その日がいつだったのかを書いています。(2020基準)
舞台になるお店でレコードがかかっているっていう設定だったので、ジャズのオールディーズやクラシックなどでまとめています。
1章の漫画はインストゥルメンタルにしましたが、私的には「Someday My Prince Will Come」でした。しょっぱなからプリンスはねーな…ということで。でも曲の長さとかイントロの物語が始まる感じとかすごく好きなのでジャズの方ですがよかったら聞いてみてください。
他の曲もボヤっと後ろで聞こえていても気にならないような歌詞のないバージョンを想定しています。

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せっかくの合作なので、小説だけではできないこと、漫画だけではできないことをしよう、と。本文にビジュアルイメージを挟みました。
昔の児童書とかであるような、挿絵ほど我が強くない感じでうまくいったんじゃないかなと思います。

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舞台は仮想日本です。
場所も特にどこというあれはないんですが、港町でレンガ倉庫があってちょっとおしゃれなイメージってことだったので関東住の萩生さんと関西住の私がお互いイメージしやすい場所というのを踏まえて神戸と横浜のミックスにしました。
↑の背景はハーバーランドの素材を使わせてもらってます。
ほかにも実際にある外灯や背景など描きました。
店内は深海とか夜空とかそういうモチーフで、ラグジュアリーな雰囲気の家具が置いてある喫煙室のイメージでした。
テタテット(互い違い椅子)は萩生さんからのアイデアですが、別方向を向いておしゃべりするすごくエモな感じがお話に合っててさすがだなと思いました。
本文中に出てくるキーになる家具などのデザインも摺合せしています。

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紙変えで最初の2Pと最後の6Pをクラフトにしています。
最後の6Pはおまけページで、どうやってこの本を作ったかとか、水煙草についてとか、本編や表紙で使ったイラストだとかそういったものを掲載しています。
カバーやおまけページに記載したラベルは各章で吸っていた水煙草の銘柄(架空)です。
煙草の出てこない章はその章をイメージしたものなど。
各章で吸っていた煙草は事前にそれぞれのキャラの好みなどを決めてそれに合わせてその章の雰囲気を象徴するものを設定しました。

ノベルティ

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本編のサブタイトルはまとめてレコード風のコースターにしました。
本編でレコードがちょくちょく出てくるので世界観がリンクしてたら面白いかなぁと。
カバーはハンドメイドで萩生さんに工作お願いしました。
ここだけの話入稿後頭がパーになっていた私はサイズを間違えて入稿してしまいカバーは二回刷ったため前日まで萩生さんに作業してもらう羽目に…その節はすまんかった…。
紙はファーストヴィンテージブルーグレーに白押さえFC、コースターはニス盛でつるつるしていて結構いい紙を使っています。

最後に

この本は企画から出すまでに約1年かかってるわりにお互いが忙しくて実際作画と執筆が始まったのは締め切りの約ひとつき前という鬼畜進行でしたが、妥協することなく当初の形で本にすることができてとてもうれしかったです。
個人的な感想ですが、このジャンルにきて合同誌を作ったのは初めてだったので、自分だけでなく誰かと一緒に逐一相談したり話を詰めていったり、それぞれの意見をもとに組み立てていく作業は大変でありつつとても楽しいものでした。
自画自賛ですが、お互いの持ち味がうまくかみ合った本だと思っています!
何より私自身萩生さんのファンなので一緒に作ってもらえてうれしかったなぁ。ここ小説で読みたい!ここ漫画で見たい!という部分が少しでも合致していたら嬉しいです。(こういうのをちゃんと本のあとがきで書けよというはなし)


※ネタばれです

カバーを外すと鶴丸で隠れる部分の裏表紙にタイトルの意味と号さんと長谷部が出会ってからくっつくまでの日程が書いてあります。
何回お店に通ったか、何か月の話なのかがなんとなく分かってもらえるかな、と。
タイトルは「YOU MAY DIE IN MY SHOW」→「ゆめであいましょう」というダブルミーニングでした。
森博嗣氏の同名の小説は「夢・出逢い・魔性」ですがタイトルのみ参考にしました。

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