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BOSJ沼オタクがBOSJ29について叫ぶ

 BOSJを愛し、BOSJに愛され……ているかはわからないけど人生は救われた女、その名もゆきみです。
 この記事はただ、いちBOSJオタクがBOSJ29の主観的良さと感想と溜まった想いをまき散らすだけでBOSJ布教や紹介の意図はまったくありません、というかそんな説得力ある整然とした語りができませんし、そんなことしなくてもBOSJに触れた人は大体みんなその魅力に気付いて勝手に堕ちてしまうと思っているのでやりません。
 オタクの、暑苦しい愛(のようなもの)に付き合ってやってもいいかなという人だけ読み進めていただければと思います。

 まずはBOSJ29、選手のみなさまもスタッフ・関係者のみなさまもファンのみなさまも完走おつかれさまでした。選手のみなさまにおかれましては大きな怪我なく全員が最後まで闘い抜いてくださったことに心からの感謝と敬意を申し上げます。
 ほんとに「日本地図わかってんの?」と言いたくなるような移動距離、且つ後半は公式戦が連日行われる過酷なツアーとなった中、一部の選手は空き時間までSNSを駆使してBOSJを盛り上げてくださったり丁寧にファンと関わってくださったり……。日本でプロレスをすることや日本そのものをとても愛してくださったこと、それを惜しみなく表現してくださったこと、ほんとうにありがたいなと思いました。
 コロナ禍でプロレスにハマったわたしにとって、「開かれたBOSJ」はことしが初めて。How exciting!!と、覚えたての英語で叫びたいほどに刺激的な3週間でした。気を抜くと「すごかった」「すごい(すごい)」「すげー」で終わってしまう感想ですが、どうにか眠たい脳みそ叩き起こして愛を吐き出していこうと思います。
 すでに前置きが長いですね。これはよくない。本題にいきましょう。
 なお、以下全文選手については敬称略で進めていきますが、文章のリズム感についての個人的な好みで外しています。お慕い申しておりますので、そこは先にお伝えさせてください。

①フライ技の魅力がカンストしてたね!!

 ヘビー級でも跳ぶひとはいますが、やはり「跳ぶのがあたりまえ」レベルで多数のレスラーが跳んで(たまに飛んで)くれるのがありがたいです。それ故にあまり(まったく)跳ばない人がそれとして魅力的に映るという側面もあると思っています。
 実際最推しが基本跳ばない(し、別に彼に跳ぶことを求めていない)ので他の選手がひょいひょい跳ぶのを見てキャッキャしてるんですが

個性の塊すぎてみんな優勝

ってなるのです。
 プランチャ、トペ・コンヒーロ、トペ・スイシーダ……あんどそーおん。跳び方だけでもさまざまあるのに同じ名前でも選手によって形が違う、美しさのベクトルが違う。助走で魅せる人、高さで魅せる人、飛距離で魅せる人、形で魅せる人。今回ベリーロールしちゃう人まで現れて大興奮でした。ダイブ系もたまらないですね。
 今大会で(飛びつき系も含め)個人的にとても好きだったのは
・ロビーの(掟破りの)サンダーキス'86
・YOHのプランチャ前バタバタ
・監督の三角跳びプランチャ
・TJPのマンバスプラッシュ
・DOUKIのデイブレイク
 これらが出ると「出た出た!!」って心が躍ります。体温ちょっと上がる(最初のは( ゚д゚)ってなった)

 ELPのラ・ケブラーダが目の前に跳んできたときに、ふわあっと甘い匂いに包まれて、隣の席の人が「なんか甘い匂いするね」「ね」って話すのを聴きながらその匂いに少し呆けていたのですが、こうやって匂いを感じられるくらいの距離にプロレスが戻ってきたんだなと感動できたのもフライ系の技のおかげなのでここに残しておきます。

※これは跳んでるとは違う

②場外プロレスすごかったね!!

 SNSが隆盛する昨今、場外プロレス、情報発信は遠くのファンの心を掴むのにとても有効ですが、「やる必要はない」はず。
 それでも合間を縫って写真やファンアートを見てくれたこと、リプをくれたことでパッと気持ちが華やいだ人も多いことでしょう。美味しそうなごはんとすてきな笑顔、試合で見せる顔とは違う一面を惜しみなく出してくれる彼らに親近感を覚えてグッズを買った人も多いでしょう。わたしもそうです。見事にやられました。
 SNSのおかげで昔よりも遥かに選手の人となりに触れることが容易くなりました。試合で魅せて「こそ」という考えは間違ってないと思いますが、その魅せる試合に挑む選手がどのような歴史を歩んできていて、どのような想いでいて、どのような人であるのかを知り、一方的ながら自分との類似点を見つけたり親近感を覚えてたり好きになり直してから観る試合はまた極上だなと改めて感じた大会だったなと思います。所謂「エモさ」ですね。
(そういうものを「エモい」の一言で雑に片付けてしまうのはプロレスにも言葉にも礼を失してしるような気がしていたのですが、そもそも半端な語彙力で片付けられないようなものを受け取って、表現しきれないエネルギーの漲りみたいなものをすごく端的に出すための共通言語が「エモい」なのだと先日ハッとしたので遠慮なく使います)
 SNSのおかげでエモーショナルさの訴求が容易くなったことで(もちろん選手の負担は増えたとは思うのですが)オタクはそれをありがたく享受してスルメイカのようにがじがじ噛み続けて「美味ェ……」となり、またプロレス沼にハマっていくのです。今回そのエモさが一番出た試合は
ロビー・イーグルスvsエル・ファンタズモ@2022.5.26後楽園ホール
だと思っています個人的には。思い出すだけで「グエェエモい」ってなるほどに。
 何日も前からネチネチとSNSやバクコメでロビーに絡み続けるELP、一方その頃ロビーは「次はワトだね!」とマイペースに次のことしか考えていない(こちらが普通です)前日になってようやく話に出る感じ。温度差がひっどい。わたしがELPなら泣いちゃう。
 だのに当日いざその時になったら初お披露目コスチューム!!!バンダナも黒でBC時代を彷彿とさせるような──ッ!!!

 オタクはッ……こういうのに弱いッ……!!!(作画:福本伸行先生)

 そしてあの試合ですよ。ラフプレーもほとんどなくずっとずっと真剣。掟破りまくり。いくぜ限界突破。飛ぶ!担ぐ!投げる!客をどかす!!3年溜め込んだこの恨み晴らさでおくべきか……!という執念。すごい、日本人みたいなねちっこさを見せてくれるのが長く新日本マットに立ってくれている海外勢というところにもうクラクラしていました。
 リング上からの圧はある程度距離に比例するという体感があるのですが、これを南B列どセンターで観てたのでなんか本気で食らいました。退かされもせず、金属柵への衝突にビビりすぎることもなく、B列でほんとうによかったな……と。もう少し前だったら多分震えてたし(物理的に人がすぐそばに跳んでくるのは怖い)遠くても「ほえーー」ってなってた気がするから。
あの臨場感で、先述の香りがわかる距離で、25分極上のバトルを観せてもらえたことは、この先何かあったときの自分を勇気づけてくれるなとすら思ったのです。

 もちろん他にもたくさん「エモかった!」と思える試合はあります。あとの後楽園メイン2戦とか、鈴木軍同期対決とか、BESTIES対決(これは最終着地まで含めてエモり散らかした)とか、ユウタTJP戦とか。それぞれ語ると酒と時間がいくらあっても足りないのでとりあえず一試合にします。んああエモかった。

※なお後日ELD戦で同じコスで出てきたときに「オタクの早とちりほんとよくない」って反省した

③推しのプロレスと好きなプロレス

 今回の大会で気付いてしまった結構大きな点なんですが、わたし、推しのプロレスと自分の好きなプロレスがほとんど一致してないんですよね。
よく跳ぶ、身のこなしの軽さがわかる試合が好きだし
TJPに見るような圧倒的なテクニック、グラウンドワーク、サブミッションが好きだし
エモいの好きだし
真っ向勝負大好きだし
……多分今のSHOくんほとんどやってないね。サブミッションくらいだね……
もちろんSHOくんがやってるから好きなものもあります。パワーブリーカーとか(今大会で戻ってきてオタク狂喜乱舞)
 飛びつき腕ひしぎが春くらいに戻ってきた時にわあああああってなったんだけど、推しのプロレスと自分の好きなプロレスがクロスするとそれはもう至上の喜び。でもいまはそれがなかなか叶いそうもない。
 なもんで、推しのプロレスは推しのプロレスとして美味しくいただくのと同時に好きなプロレスは好きなプロレスとして観た方が自分として健全だなというのが気付き……というか逆ですね、無意識にそういう見方をしていたのを友人との会話の中で意識して言語化できた感じです。
 推しが何しても楽しい、は事実なんだけど、それとは別のところにあるわたし自身のニーズは他のところで摂取していて、それゆえにとてもフラットに「推し楽しそう、なにより☺️」という気持ちで過ごしたのがほとんどな3週間でした。

 ……かと思いきや急に変形足四の字とか入れてくるからさァァァ……!推しィィィィィ……!!好きィィィィィ……!!!
「基本腕責めの人だけど後楽園での膝責めの連鎖をどう活かすんだろ」なんて愚問でした、浅はかでした。平伏。

 話逸れましたが、自分がどんなプロレスが好きなのか、と今までぼんやりとしかわかっていなかったことが今回のBOSJでずいぶんはっきりしました。それを魅せてくれた選手が多く、だから私はジュニアが好きなんだな、と自分で自分に合点した次第。そんなわけで好きすぎた試合ベスト5は以下。

①ロビー・イーグルスvsエル・ファンタズモ@2022.5.26後楽園ホール
②ロビー・イーグルスvsTJP@2022.5.25後楽園ホール
③ウィーラー・ユウタvsTJP@2022.5.31富山産業展示館・テクノホール西館
④TJPvsエル・ファンタズモ@2022.5.28幕張メッセ国際展示場3ホール
⑤ウィーラー・ユウタvsエル・ファンタズモ@2022.5.29大田区総合体育館

 メンツの固定っぷりで好みわかりすぎて。え?次点ですか?ロビーvsユウタですよ???

 両ブロックの公式戦を1回ずつ観た直後にこう表現して、選手自身もBブロックを「地味な」と言っていたりしたけど、わたしはこのしたたかさ(漢字で書くと「強かさ」)がどうやらとっても好きなようです。Aの鮮やかさはプロレスの醍醐味であることは間違いないしそれもそれで好きだけど、90試合90通りのものをみせられて、傾向が分かりやすかったという感じです。

それでも推しがいちばんなんだけどなっ(/¯◡ ‿ ◡)/¯ ~ ┻━┻

最後に

 なんか最後の方超雑にただのオタク語り散らしになってしまったのですが、「何が言いたいかはよくわからなかったけどこいつBOSJすげー好きなんだな、楽しかったんだな」ってことが伝われば嬉しいです。
 たぶん同じような感動や体験をG1や他団体、全く他のことから受け取る人がたくさんいると思いますが、みなさんにとってのそれがわたしにはBOSJだった、というところでしょうか。
 リアタイBOSJ3回目、まだたったの3回。回を追うごとに楽しさが増していっています。大会自体は、次は節目の30回目!今回のメンバーが揃うことはないかもしれないけど、これから先も鮮やかで華やかでしたたかな大会であってほしいと願っています。参加者全員それぞれの強さと凄さを見せつけてもらえることを楽しみに、そろそろ筆を置きたいと思います。
 ああ、最後にひとつお願いがあります。もしよかったら、あなたにとってのBEST OF 「BEST OF THE SUPER Jr.29」は誰のどんなところかを、教えてください。
 わたしは「SHOくんがめちゃくちゃキレ散らかしながら監督の上にそっとバナナを置いたところ」でした。では。

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