完成しないのではないか
紙 鉛筆
デザイン学校のつながりで、植物画を習いに行ったことがあります。
いわゆるボタニカルアートです。植物図鑑にあるような、学術的な植物の絵です。
何度か展示をギャラリーに見に行きましたら、実に美しくて、幸せな気持ちになります。
それで、この植物画のワークショップがあると聞いて、参加させてもらったのです。
わたしはすぐにその気になって、習えば出来るようになるのかと思ってしまうのです。
用意した植物の写真を、トレーシングペーパーを使って、紙に転写します。
このとき、仕上がりを考えて、余計と思われる部分を省いておきます。
うっすら見える下書きに、面相筆でごく薄く色を乗せていきます。
これが、本当に薄い色なのです。何度も何度も重ねて塗っていきます。
実に繊細で、神経を使う作業です。これを完成するまでくり返すのかと思うと、気が遠くなります。
生徒の1人が、「もうこの絵は完成しないんじゃないかと思っちゃいます」というと、先生も、
「うん、僕もいつもそう思うから。完成しないんじゃないかって。誰でも思うから、大丈夫」
とおっしゃってました。
根気の要る作業をくり返し、長い時間をかけて、ようやく1枚、仕上がります。
素晴らしいですねえ。
ところで、わたしのボタニカルアートですが、下書きだけで終了しました。
人には適性というものがありますから・・・キャンバスの方が向いているようです。
見ていただいてありがとうございます。イラスト・デザイン・コミックを手がけています。よろしければポートフォリオをご覧ください。 https://salon.io/nobuko/nobuko-portforio