#パプリカゲーム短歌 2022まとめ
ハンドベル 息するように影を踏もう季語にふれたら石を積むのよ
吊橋で会えたら僥倖わたしたち振り向けばまだ魔法にかかれる
空き瓶を五月の吐息で染めた日に帰りの道で会えるかみさま
衛星はアクアマリンにしてください珊瑚はまたたくように崩れる
花のない丘で弔うオカリナを通り過ぎてきた指の皺の数
遠泳は不時着までのはるかな日 スミレとりんごを持ってゆくのよ
リキュールは宇宙を知るためよ立ってごらん日時計はまだ欠けていないから
人感でひらく花たちはゆうれいの樹に連なって蝶を待ちます
踏む影に置手紙とリボンを結って琺瑯に牙は隠すべからず
風がゆくレンズの厚みはタータンの名前を知らずに猫と踊るよ
芒って風がこぼしたミルクでしょう可視の光と呼んでもいいね
走り去る予言に寄せるのは銀河 トーチにはけだるい水が落ちる
さむがりな九月にはドライフラワーをそしてはじまる五線譜の嘘
植物園あるいは金箔の落ちる場に祈りのようにかさぶたは燃えて
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