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「値上げなし」の裏側

何もかもが値上がりする昨今。
食品価格にも頭を悩ませる今日この頃。

価格据え置きだけど・・・チーズじゃなくなったチーズ事件

この状況下、私が好きだったクリームチーズが仕様変更になった。
一見、変わらぬパッケージ。
でもよく見ると商品名の「⚪︎⚪︎クリームチーズ」が「⚪︎⚪︎クリーミーポーション」に変わっている!!

一体何が?
・・・チーズの規格をざっくりいうと。
「チーズ」と名乗ることができるのは「ナチュラルチーズ」または、「乳固形分40%以上のプロセスチーズ」。
この商品は乳固形分が40%を下回る仕様変更をしたため、チーズを謳えなくなってしまったということ。

裏側を見るとやはり。
原材料部分は変更となり、カルシウムなどが減っている。
(増粘剤が増えているので、原料を減らした分水分などでかさ増ししたのではないかと思う。)

「値上げしない」の裏で起きていること

燃料価格は着実に上がっている。
物流やエネルギーが関わる以上、全ての原料価格に影響が出る。
続々と跳ね上がる商品価格をわき目に、それでも「値上げしない」路線では何が起こっているのか。

1.がっかり!【量を減らす】

一個当たりの分量や個数を減らす、実質値上げ。
がっかり度は高いけれど、同じ出費で買えるので消費者にとって一番受け入れやすい形かもしれない。

2.大量生産を助長! 【原料のランクを落とす】

同じ原材料でも、栽培方法、製造方法、原産国などこだわりを一つ減らすとコストは下がる。
大量生産、効率重視もいいけれど、その裏で職人技や小規模の商い、国の力が消えていく。
消費者に最も見えにくいが、じわりと怖い変更。

3.持続不可能! 【パワーでコストダウン】

仕入れ先に対して、無理な価格交渉をする。
社員に無理をさせるのも同じく。お給料をカットするのも同じく。
「企業努力」と呼ぶには、あまりに持続不可能な力技。

4.栄養価と体の負担! 【代替品を使う】

見た目は同じでも中身は違う代替品に置き換える。
冒頭のチーズ事件のように、添加物の力を借りてかさ増ししたチーズもどき、卵ではなく代替卵、みりんではなくみりん風調味料、など。
似て非なるものを使えば価格は落とせる。
だけど当然、栄養価も体への負担も異なる。

価格と価値はトレードオフ。

全てが値上がりしておかしくない現状で、「価格据え置き」は必ず何かを犠牲にしている。
何がいいとか、悪いとかではなく。
「値上げしない」の裏側にはどこかに無理があることに、そっと想いを馳せてみる。
すると、真っ向から値上げに踏み切る企業の潔さ、誠実さに、ふと気づく。

知って選べば、どれも正解!
今日も楽しい食選びを!


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