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嗜好品なのに1200円くらいなら気持ちよく支払えてしまうもの

毎月の支出、その内訳には、「生活必需品」とそれ以外の「嗜好品」が存在していて、
生活必需品の高騰の影響で、日に日に嗜好品に充てられる分の金額が目減りしている。

そもそも、ネットを開けばほぼ無料でいくらでも時間を潰せる時代に生きているので、
お金を払って時間を潰すために存在している「嗜好品」というものに対するハードル自体がけっこう上がっている自覚がある。

そんな嗜好品の値段のボーダーとなるのは、個人的に1200円だと思っている。



それ以下の値段のものなら、1個くらい何の気なしに買ってしまったりすることなんてザラにある。

汗だくになりながら駅の構内を移動している時なんかに、売店でアイスを見つけた時には500円くらい使ってしまっていたりして、後々よく考えたら「割高だよな…」と思うことだって今まで何回もあった。

しかし、この1200円を超えるものとなると、
「一時の楽しみのためだけにこの額を使ってしまうのは……」という脳内会議が開かれる。

この辺は個人差があるような気もするけど、自分の中ではここが分水嶺になる。



例えばコーヒーに関しては、味だけで考えるならコンビニで290円くらい払って飲むラインから上のものがない気がしている。

ちょっと酸っぱめだったり苦めだったりするだけで、それ以上の違いは分かっていない。

そこから先の微妙な風味の違いに価値を見出せるほど舌が肥えているわけでもないので、ベローチェより高い店でコーヒーを飲む時は「これは雰囲気代だから無駄遣いじゃない……」と自分に言い聞かせながらお会計しに行く。

コーヒー以外で同じような気持ちになる場面といえば、スーパーで買わなくてもいいものを何個か買ってしまった時で、その総額が1200円を超えてくると若干の背徳感がある。

特にレジ横のちょっとしたお菓子に手を出してしまった時は、「まんまと店側の策略に引っかかっている」感があって余計に悔しくなる。


たかだか買い出しでこんな気持ちにさせられるのは割に合わないので、中々コンビニには足が向かない。

コンビニとはそういった「金を使わせる策略」の塊だと思っているので、
そういうものたちにいくつも引っかかって、当初の予定以上よりも随分とレシートを長くして店を出る自分が嫌になってくるからだと思う。


その点、お笑いライブを見るとなれば1200円くらいはポンと払ってしまっているし、
なんならそれでも安いとすら思っている。

オンライン配信をスマホやらパソコンやらの小さな画面で見るためだけに払った1200円にも、そんなに後悔していない気がする。

お笑いに値段の相場なんて存在しないので、考えても仕方ないことではあるとしても、
そこに自分がそれだけの価値を見出しているのは確かだと思う。


日常生活の中で大口を開けて爆笑することなんて滅多にないし、
まして数十人単位の人達と、同じ空間で同じものを見て笑って、その笑い声の中に自分が包まれたように感じることに至っては、劇場以外では人生の中で数える程しかない。

そんな状況にいつでも遭遇できるのがお笑いライブの強みだと思う。
この場所以外では分泌されない脳内物質が、ドバドバ溢れてくる。

いわゆる「脳汁」という脳内麻薬を如何に感じるか、ということが娯楽の醍醐味だと思っているので、
劇場のパイプ椅子に座って待っているだけで勝手にそれを分泌させてくれるお笑いライブこそが最も手軽な脳汁提供サービスだと思う。

ついでに言えば、お笑いライブを成立させている芸人側も、自分が生んだ笑い声を浴びることで脳汁を出しているようなので、こんなもん完全にwin-winだろ、とも思っている。


そんなわけで、自分が1200円くらいの金額をどのような嗜好品になら簡単に使ってしまえるのか、ということを考えてみた結果、
圧倒的にお笑いライブの比重が大きいことが分かった。


お笑い、サイコー!!!!!!

あさっても行っちゃうもんな
台風直撃らしいけど


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