資さんうどんで飲む(おでん編)
2月になった。
暦の上では春になり、最高気温が10度を下回る日も少なくなった。だんだん冬が過ぎ去ろうとするのに、この冬は冬らしいことを全くしていない。そこで冬の料理…おでんで一杯飲むことにした。
「資さんうどんで飲む(おでん編)」
おでんで飲むと決めたはいいもの、自宅近くにぴったりのお店が見当たらない。かといってコンビニでおでんと缶ビールを買い込んで自宅で飲むというのも味気ない。
そこで困った時の資さんうどん、おでんも美味い資さんうどんの出番だ。
お酒を飲むからには徒歩になるが、おでんで飲むという目的を果たすには必要コスト。それに数キロ歩き軽く汗をかいてからの方がビールも一層美味しいはずだ。そうやって色々と屁理屈をこねつつ、家から数キロ徒歩四十分ほどの資さんうどんへ向かった。
店員「いらっしゃいませ~空いているお席へどうぞ~!」
資さん名物ナイスマダムの声を聞きつつ窓際に着席。
呼び出しボタンを即ピンポーン。
店「ご注文お決まりでしょうか~?」
岡「とりあえずヱビス、それからおでんを全種類ください。」
店「ヱビスビールと、おでんを全…種類ですか?」
岡「全種類です(あれ?意外と全種類注文されることは少ない??)。」
店「わかりました、では5本セットとそれ以外を単品で9種ですね。」
※5本セット(牛すじ、しらたき、玉子、大根、厚揚げ)は単品よりお得。
しばらくして…
店「お待たせしました、ヱビスとおでんですね。ごゆっくりどうぞ~。」
岡「なんだかすごいことになっちゃったぞ!(中年独身輸入雑貨商風」
流石に全14種が並ぶと壮観だ。どれから食べるか目移りする。
とりあえず乾いた喉をビールで潤して最初に選んだのは…
①ウインナーソーセージ 100円(以下単品のお値段)
1番ウインナーは元日ハム多田野選手のイーファスピッチ感もあるが、
岡「ドイツ生まれのビールに、同郷のウインナーが合わない訳がない。」
という単純な理由で選んだ。
ボイルしたてのシャウ○ッセンのようにパキッとした食感はないものの、肉系のうまみに、おでんだしの和の要素が加わってとてもおいしい。長くだしにつかっていたため軟らかく、子供でも大丈夫そうだ。そしてウインナーにからし、合わないわけがない。
あっという間に食べ終わり二個目に選んだのは…
②ロールキャベツ 100円
洋につづいて洋で助っ人外人の1・2番だが
岡「ウインナーにはザワークラウト(キャベツ)⇒ロールキャベツ」
そんな連想ゲームで選んだ。
そもそもコンソメスープがおでんだしに変わっただけなので美味しくないわけがない。だしが染みてとろとろになったキャベツと、中のひき肉がほろりと崩れマッチしてうまい。そういえば実家のロールキャベツは出汁用の昆布いれていたな…ふと思い出して食べたくなった。
三個目に選んだのは…
③味付け椎茸 100円
このあたりから少し酔いがまわってきていて
岡「2020年のギラヴァンツ北九州の3番⇒福森健太⇒大分へ移籍⇒椎茸」
とかそんな感じで選んだと思う。正直よく覚えていない。
見るからに肉厚な椎茸を噛むとジュわっとおでんだしと椎茸のうまみが口いっぱいに広がる。傘の部分のプルっとした食感も好きだが、柄の部分のシャクっとした歯触りもたまらない。そして4枚も串にささっていて、とてもリッチで贅沢でお得な感じがする。
四個目に選んだのは…
④丸天 100円
酔っていたので選んだ理由は覚えていない。
おでんの練り物とラーメンのチャーシューというと、どうしても出汁取り要員ですかすかになっていることが多いけど、資さんの自家製丸天は違う。
歯ごたえしっかり、つなぎを多用せずすり身を贅沢に使っているのだろう。もちろん味わいもしっかり贅沢。ここは辛子でなく一味唐辛子を合わせた。
余談になるが、うどんの丸天とおでんの丸天は別物らしい↓
資さんうどんの丸天に対する並々ならぬこだわりがうかがえる。
炭火で炙って一味マヨつけて食べると最高にハッピーだと思う。
間違いない。こんどお持ち帰りしよう。
五個目に選んだのは…
⑤玉子 100円
酔っていたので選んだ理由は覚えていない。
この茶色く染まった白身がそそる。燻製と見まがう染まり具合でとても美味しそう。しっかり出汁につかっていたので、固めのプリッとした歯ざわりが最高。追いで出汁をすすり、口の中で黄身と混ざり合うとたまらない、美味い。ゆで卵もプリンも固めのほうが好きだ。
六個目に選んだのは…
⑥こんにゃく 100円
①~⑤でしっかりした味のタネを選んできたので、
ちょっと一息ついて、口の中をリセットと思って選んだような気がする。
おでんの〇△◇の△といえばこのこんにゃくだ。若干飽きが来ていたがここで味覚と食感をリセットする。とはいうものの、写真の様に丁寧に包丁が入れられており、味も染みていてなにげ美味い、いぶし銀。90年代後半のホークスでいうところの柳田か(ギータじゃなくて聖人のほう)。
七個目に選んだのは…
⑦ごぼう天 100円
終盤にボリュームあるネタはつらそうだから先に食べておこうと選んだ。
資さんうどんでごぼう天というとあのスティック状でカリっと揚がったゴボウの天ぷらが思い出されるが、全国的にごぼう天とは練り物の方だろう。
※実際はメニューをよく見ると、ゴボウの天ぷらは「ごぼ天」、ゴボウ入りの練り物天は「ごぼう天」と表記がわかれている。
こんにゃくを食べリセットした後なので美味しく食べることができた。同じく練り物丸天は自家製でこだわっている資さんのことだからごぼう天もきっとこだわっているのだろう。ごぼ天とあわせて年間のゴボウ消費量はものすごいから契約農家、もしくは自社農園で栽培しているに違いないと勝手に思っている。もしその農園が若松区にあるなら資さんがない北九州市唯一の区、若松区出身としてはとてもうれしいのだけど…。
八個目に選んだのは…
⑧餅入り巾着 100円
これも⑦同様、終盤にボリュームあるネタはつらいから先に食べておこうと思って選んだ。
フリーターで貧乏だった20代半ばに「資さんで一つだけおでんを選べ」と言われたら間違いなくこれを選ぶ。炭水化物の餅、植物性タンパク質の巾着揚げ、食物繊維のかんぴょうと三拍子そろっているし、餅のボリューム感、味がよく染みた巾着とで量と味ともに申し分ない。おでん界のイチロー選手ではなかろうか。
九個目に選んだのは…
⑨しらたき 100円
ここから終盤は好きなタネを残しておいた。
こんにゃくとしらたき(糸こんにゃく)、親戚筋にあたるが全くの別物だと思う。どちらか一つを選べと言われたら自分はノータイムでしらたきを選ぶ。なんて言ったって複雑なビジュアルがいい、それに表面積も広いから出汁がよく染みる。ジャクジャクした食感も最高、そして低カロリーだ。まぁ、そもそもこれだけ沢山食べておいてカロリーもくそもないのだけど…。
十個目に選んだのは…
⑩牛すじ 130円
130円の高級品。これも好きなタネなので残しておいた。
牛すじというと、やはりすじのトロトロに煮込まれたゼラチン質の部分だろうけど、こっそり控えめにくっついている肉や脂の部分が好きだったりする。食レポでよく聞く「溶けちゃいそう」って表現、あまり好きではないけど、長時間じっくり煮込まれたこの牛すじはトロっと溶けちゃいそう、美味い。それに牛すじを食べると足が速くなりそうな気がする。医食同源(違
⑪だいこん 100円
おでんの〇△◇の〇といえばこの大根だ。
おでんの大根の醍醐味といえば、いかに味が染みているかだろうけど、そのしっかり染みた味のなかにほんの微かに感じられる大根特有の辛味というか苦味というか…それが実はキモだと思う。それがあってこそ「大根を食べているんだ!」と感じられるし、旨味も一層際立つ。ぜんざいに加える一つまみの塩みたいな。
⑫牛てっちゃん 130円
すじやてっちゃんといったホルモンを食べると、命を無駄にしていないなって感じる。そして牛にとって大事な部位は、その分もの凄く旨味が詰まっている気がする。適度な歯ごたえと旨味たっぷりの脂…これはもうちょっと前半の温かいうちにビールと一緒に味わうべきだったなと少し後悔。
⑬つくね 100円
つくねは偉大だ。おでんに自分の旨味を加えつつ、自分の中におでんの他のタネのうまみをとじ込める、ギブ&テイク。少し粗びきに挽かれているからか、口の中で軽くほぐれ、旨味がじわりと広がる。旨味が一気にガツっと脳にくる焼き鳥のつくねとはまた違った美味しさだ。
⑭厚揚げ 100円
おでんの〇△◇の◇といえばこの厚揚げだ。〆には優しい味のものをと思いここまで温存しておいた。外側の揚がった部分におでんの旨味をたくわえ、内部には大豆の旨味という自らのルーツである豆腐らしさを失わないでいる。そんな硬軟おりまぜた技巧派クローザーがこの厚揚げだ(もうよくわからなくなってきた)。
⑮お酒類2種 ヱビスビール500円 麦焼酎300円
生ビールがあればと思うけど、瓶ビールをおでんの種類ごとにコップでちびちびやるのもそれはそれでいい。そして麦焼酎はロックで注文し、給茶器のお湯やお茶で自分好みに割って楽しんだ。OK、セルフサービス最高!
※ちなみに銘柄は日本酒「窓の梅」麦焼酎「大王」芋焼酎「薩摩の誉」
延長戦 おでんだしうどん(ミニうどん) 220円
14個目の厚揚げを食べ終わり、大満足でお店を後にしようとしたが、皿に残ったおでんだしがどうしても勿体なく…ミニうどんをだし少なめで注文。そこにおでんだしを投入。これだけの14種のおでんタネの旨味が出たおだしで食べるうどん。美味しいに決まってる。
「(ミニうどんが)来た(おでんだしを入れて)見た(美味)かった。」
カエサルもきっと納得の美味さだ。しかし、だし少な目という注文コマンドがあるとは奥が深い…資さん、恐るべし。
そしてこれだけ食べて飲んで2450円…資さん、恐るべし。
ごちそうさまでした。次はもつ鍋で飲みに来ます。
余談 失敗したと感じたこと
・一気に14種類頼んだため、後半はぬるく美味しさが半減(申し訳ない
・上記と同様だが、脂の多い牛てっちゃんを温存したため(以下同文
・このnoteは飲みながら書いてしまいました。。。
おしまい
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