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アレについて

生まれた時から、「そういう」環境だったので、
自然と心にはタテジマが刻まれていた。
我らが阪神タイガースは、いよいよ18年ぶりの「アレ」に向け、
いよいよM1となった今日、アレに向き合ってみた。

暗黒時代でも楽しかった

藪が先発の小雨降る甲子園に、
友達となけなしの小遣いで巨人戦を観に行った。
序盤に巨人のホームラン攻勢をうけ大量失点。

雨が強まった5回裏で、「もうえっか。帰ろう。」となって、
トボトボと家路についた日でも、まぁそれはそれで納得していた。

伊藤 敦規、葛西 稔、遠山 奨志に部坂 俊之。
サイドもしくはアンダースローがやたら多いリリーフ陣が、
数少ないリードの場面、そして得点力の差に絶望しながらも同点の場面で、
必死に変化球を駆使して、コーナーワークで、他球団の強打者に立ち向かっていく。

坪井の活躍だけは、まともに楽しみ。
よくそれで売り出そうと思ったなという「F1セブン」。
まぐれとしか思えない、ドラ1的場のヒット。
カツノリもいたっけ。
濱中のうねり打法には希望の光を感じてた。

愕然とするほど弱かった。
それでも、苦しいどころか、楽しかった。

闘将 星野 仙一とアニキ 金本

ノムさんが蒔いた種は、闘将星野によって、
そしてアニキ金本のリーダーシップによって、
それまでからガラリと変わって、強いチームと変貌を遂げた。

井川がいて、伊良部がいて、下柳がいて。
田中秀太にはほっこりした。
沖原もよく頑張ってた。
鳥谷を最初見たときは、阪神ぽくなさにドキドキした。

一時でも、勝つのが当たり前になった。
強いチームのマインドセットは、
闘将星野とアニキ金本によってもたらされた。

それを継承した2005年の岡田阪神も強かった。

まるで不可解なほどに、
ボビー・バレンタインのロッテに手も足も出なかった日本シリーズから、
それはそれは長いトンネルだった。

あれから18年

浜中のうねりはいつ開花するのか。
林威助にもずっと期待し続けた。

JFEも良いけれど、SHE※もいいよね、とか
※桟原 将司(S)、橋本 健太郎(H)、 江草 仁貴(E)
能見の美しいワインドアップ。
日本人より、よっぽど大和魂を魅せてくれるメッセンジャー。
メジャー帰りの藤川の直球も、まだまだロマンがあった。

あの暗黒時代より、ちょっと期待値は大きくなってしまった。
なかなか優勝に手が届かない。
それがもどかしいと思う気持ちは間違いなくあった。

一方で、選手たちは「あの頃」と比べれば数倍頼もしかった。
優勝なんてしなくても、勝っても負けても。そういう気持ちにもなった。
アツくはなれないけど、まあこんなもんかな。
そんな風に思っていた。

”アレめざす”道一筋

でも、どうやら岡田監督は違っていたらしい。
西宮神社に奉納されている絵馬には、こう書いてある。

”アレめざす” 道一筋

これを書いたシーズン前、もしくはキャンプ前から、
アレを岡田監督は本気で目指し、冷静に着実に、
指揮官としてやるべきことを進めてきた。
それがよく分かる、今年のペナントレースだった。

9月はついに負けなし10連勝。
そして、交流戦前も、8月も、どうにも負けなかった。
負けがこむイメージすら湧かない。

最強8番バッター 木浪 聖也。
結局頼りになる大山、サトテル。
後半戦の森下の輝きは眩しいほどだ。
ノイジーは打てなくても、レーザービームで走者を刺す。

大竹、村上の大・大・大活躍はもとより、
2点取られても、打点2くらい自分でなんとかしてしまう西 純矢。
佐々木朗希に投げ勝った才木 浩人。
スペードのエース 桐敷 拓馬。
最後は塩の岩崎 優。

なぜだろう。
やっぱり勝つと、楽しい。
毎日のように勝っても、やっぱり楽しい。
大谷がホームランをかっ飛ばしてくれるのを連日伝えるニュースと同じように楽しい。

アツい気持ちが湧いてきた。
やっぱり勝たないと。勝たないと!

これがアレか。(もはや何言ってるか分かんない。)

アレはもうすぐ。M1。
パインアメ準備して。
しっかり喜びたいですね。


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