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39歳からのスケート記録 #07 遠征

これは40手前から、自分らしい人生を探しにいった男の備忘録。
まだ上達した実感はわずかでも、3年後に向けた大きな目標を立てた。
とはいえ、地元のリンクは夏季休業に入り、練習時間の確保が難しくなったところまで。

アウトエッジに乗る為の個人レッスン

2月から始めて2か月で、市のスケート教室でなんとなく前後のひょうたん滑走や、フォアのセミサークルが出来始めるまでにはなったけれど、その先はかなり難しかった。特に困ったのがアウトエッジに乗る感覚が分からないことだった。

ただテレビで見ていた時は、右に左に翼が生えたかのようにリンク上を舞う選手にすごいな、きれいだなとしか思っていなかったけれど、いざ自分でやってみると、イン側に曲がるのとアウト側に曲がるので全然やりやすさが違う。目の前では小さい子は、相変わらず、インもアウトも使いこなしている。絶対にどこか自分の感覚に、大きく欠けている何かがあるなと思っていた。

そこで、こんな素人なのにとは思ったけれども、個人レッスンをお願いした。もちろん、フィギュアスケーターにコーチがいるのは見て知っているけれども、果たして始めて2,3か月のド素人がお願いしてもいいものやら。。そう思うのは自然なことだった。

しかし、感覚がずれたまま練習を重ねていても、遠回りしてしまうに違いないと思えた。なにより自分には時間がない。そして、この選択は正しかった。1回30分、個人レッスンを2回受けたのだけれど、まだまだ上達の余地はあるとはいえ、アウトエッジに乗って曲がることが出来るようになったのだから、とても有意義だったと感じた。

これは個人的な感覚の表現なので、教わったものではないのだけれど、イン/アウトエッジに乗る感覚が、クルマに乗る感覚と同じだなと思えた。
重心に乗る位置に「運転席」があって、そこにドライバー(重心)がいないと進まない。そしてイン/アウトエッジに乗るのは、親指の付け根と小指の付け根がそれぞれ「ハンドルの持ち手」があって、アウトエッジに乗るのが小指の付け根側に「ハンドル」を切る動作のような感じ。

アウトエッジに乗って上手く曲がれていない時には、「ハンドル」を切っていないのか、「運転席」にちゃんと座っていないのか。そんなチェックポイントが自分で出来た。そして同じようなチェックポイントの積み重ねをしていく感覚が、ソフトボールのピッチングで出来ていたように、脳の中で回路形成された感覚が得られたのだった。

復習のために

地元のリンクは夏季休業に入り、前回の記事の通り、仕事の変化もあって、さらに練習時間の確保が難しくなった。けれど、この折角できた感覚を失わない為には、復習しなければ。それもなるべく早く。

最寄りの夏季も営業しているリンクは埼玉にあった。

メインの大きなリンクに加え、サブリンクもあると知ったのと、年中スケート教室が開催されているところに驚いた。そしてその値段も。近場よりかなりお高かったので。。埼玉でこれだったら、じゃあ東京は?思い、明治神宮のスケートリンクを調べると。。なるほど、自分が学生の時だったら相当ハードル高く感じただろうなと思った。

しかし今は時間の余裕のほうがない。行くだけで2時間かかるのはかなりツライが、行くしかない!土日の子どもの習い事に影響が出ないよう、有給を使って6月のとある金曜日、ついに埼玉遠征という「奥の手」を切ってしまった。

埼玉アイスアリーナ

埼玉アイスアリーナ

まず着いて思ったこと。

-- さむい!さむすぎる!え、リンクが白い?

リンク内の気温が2,3℃しかない。普段長袖のTシャツで練習をしていたので、ここではもう一枚上着が欲しくなった。この寒さは、ただ寒いというだけでなくて、いざ滑り出してみた時の感覚の違いにも影響がありそうだった。具体的に言うと、より「滑らない」感じ。

実際にそうかは根拠はないけれど、ほかの方ともお話して納得が出来た話として、より気温が低いので、氷がブレードに接触して溶けることでスケートが進む過程で、氷が溶けにくいからだというお話だった。

慣れてくると気にならなくなったけれども、リンクの環境で、素人でもわかるほどの滑りの感覚の違いが出ることが面白かった。プロのレベルで、試合前の練習が前日だったり、演技直前にあるのもそういう事かな、などと考えた。

写真の通り、素人が練習するには素晴らしい環境。混んでないというのが、本当にありがたかった。そして無事、個人レッスンの復習を終えようとしたとき。地元で顔なじみになったベテランの方と、リンクでお会いできた。
なんでも週末に試合に出るので、練習しなくてはいけないとのこと。

-- 試合?大人で試合に出られるの?

また心がざわつき始めたのだった。

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