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夏休みのお誘い


これはnoteで作る下書きです。
実際に出す手紙の下書きです。

ふたばちゃんへ

裏の溜め池に朝一番の光が差し込むと、開きかけた睡蓮の花びらが自分から光る様子が美しい季節です。ここは涅槃ではないかしら、と紛うほどです。

来ませんか?我が家に。

あなたのこと聞きました。
超アーリーリタイアを華麗にキメて、マリーナ近くに持っていたマンションを手放し、次の家が見つかるまでの間、ご実家に帰ってきているそうですね。

しばらくステイしませんか?我が家に。

笹の群生が母屋の庭に出現してしまって、ご近所や親戚からはなんとかしなさいという圧を感じますが、庭のジャングル感がグルーブ感あっていいの!母が生きていた時は手入れしてたんだなあ。まさに文字通り、「手を入れてない」庭には、近隣の野原から地下茎を伸ばしてやってきたと思われる野性み溢れる草たちが手が入れられないくらい生えています。笹なんて、放置すると2mくらいになるんですよ!笹が群生すると、まあまあ圧巻。そのジャングルの前に位置する和室があなたの部屋です。

寝泊まりしませんか?その部屋に

基本、平日の昼間は私たちはいません。
放置されます。
夫の趣味用の軽トラックがありますので、好きなところへ乗って行ってください。マニュアル車の免許、持ってたよね?最寄駅がもよりでない我が家では、来訪者にも車が割り当てられます。徒歩で行ける範囲にはコンビニすらないので覚悟して!○○平野の農道を地平線まで暴走するもよし、一車線しかない狭い道をあえて選んで対向車が来ないことを祈りながら林道の突き当たりまで行ってみるもよしです。

風になりませんか?田舎道で。

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我が家の過ごし方で、一番のおすすめは、階段に座って本を読んで過ごすことです。階段の横の壁は全て本棚になっております。ハシゴもあるので高いところに並べてある古いコミックスにも手が届くはずです。「ガラスの仮面」や「砂の城」などの古典もしっかりおさえてあります。遠い昔に、あなたと古本屋さんを回り、もらったばかりのバイト代をコミックス全巻買うのにつっこむのはとても楽しかったですね。夫の蔵書、「スクリーン」「ロードショー」のバックナンバーも見どころ満載です。子どものとき読んだ、物語もあります。「モモ」のミヒャエル・エンデや「やかまし村」のプロイスラー…。

時間を忘れて、読みにきませんか?

夜は、私と娘と一緒にガールズトークに花を咲かせましょう。私の若い頃の武勇伝をあなたは沢山知っていますね。苦い失恋も。娘のハトちゃんは、「好き」「恋」に憧れるお年頃になってきたので、興味津々で聞いてくれると思います。
ドリンクは、モヒート。裏庭にもじゃもじゃに生えたミントをこれでもかと入れたやつです。おつまみには、水切りしたヨーグルトを生ハムで包んでオリーブオイルと黒胡椒をパラリとしたやつをお出しします。

飲んだり食べたりしながら夜更かしトークしませんか?

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これまであなたが渡航先から気まぐれに送ってくれたいくつものエアメールは大切に取ってあります。その絵葉書を見ながら、あなたから本当の土産話を聞きたいです。

特に、イースター島。この葉書がポストに入ってた時にはとても驚いたので、是非聞きたいです。仕事から疲れ果てて帰ってきたら、そこにモアイ。心ごと持ってかれました。あなた、イースター島の海で野生のウニに手持ちの醤油をかけて食べたって書いてたじゃない?美味しかった?

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しばらく会っていませんでしたが、何かとあなたの顔は浮かんできていたのです。あなたもそうだといいのですが。

ありのままのあなたで、お越しください。

ありのままの私が、おもてなしいたします。


チーさんより


もし、このお手紙を読んで訪問したい気持ちになられた方は、どうぞ、スキを押して行ってね。




このお手紙の宛先は、このnote の登場人物でした。↓







ハトちゃん(娘)と一緒にアイス食べます🍨 それがまた書く原動力に繋がると思います。