息子の表現力

一昨日、息子と喧嘩をした。彼は幼児。こちとら、10倍近い。
事の発端は、12年モノの空気清浄機のカバーを外したこと。
ふと気になって、空気清浄機のカバーをパカーと広げてみたら、もっさーと3センチを超える毛布のような厚さのホコリが積もっていた。掃除機を持ち出し、ガガー ガボー ゴボボボー とホコリの山を勢いよく吸引しはじめた。ズズズズズと綺麗になっていく空気清浄機。
その間中、まとわりつく我が息子。
協力してくれようとするが、正直、邪魔だ。彼としては褒められたかったのかもしれない。
そして、大方綺麗になったので閉じようとした、とのときだ。
息子は言った。

「まだその下にホコリが残っているよ!」

彼は正義漢の傾向がある。
正義だと思うことを口にする。
私は言った。そこは大丈夫。もう終わり。すると楽しそうに彼はつづけた。
「ママはキレイ好きじゃないんだね!」
そんなことないよ、もうホコリは無いし、そっちは掃除機では吸えないから。とたしなめる私。繰りかえす息子。
「だって、まだ残ってるのに!ママは綺麗好きじゃない!」そんなことないよ。そのやりとりが数回繰り返された。
そして、私はキレた。あなたはきれいずきなの?じゃぁ、この椅子を見て。この椅子汚れてない?「汚れてないよ」(まだ楽しそうな息子)今日、あなたは汚してどうした?きれいにした?きれいにしてないよね?!拭かなかったのを一生懸命拭いたの、ママだよ。それでもきれいになってない。掃除しないし気づかないあなたはきれいずきじゃないよね。
そこまで言って、ハッとした息子。うっと冷や汗の私。
畳みかけてしまう私。今、どう思った?ママはあなたのこと大好きだよ。でも、きれいずきじゃない、っていわれたとき、悲しい気持ちになったんだよ。
このあたりから言い訳がましくフォローにまわる。

彼は泣きそうな顔をしていたが、しばらくなだめると、目を潤ませたままこういった。

「ほいくえんには、ママよりいい人がたくさんいるよ!」

彼なりに、色々考えた結果のこの一言。彼の日本語能力を感じる一言であった。相手をダイレクトに評価・批判するのではなく、少しずらして相手に伝える。私はといえば、猛反省だ。感情的に声を荒げたりなどしていないが、冷静に言葉で詰めてしまうのも結構な恐怖だと思う。
そんな中、自分なりに言葉を紡ぎだした彼に感謝したい。
その後は、フォローに次ぐフォローだったことを申し添えておく。