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朝ドラヒロインは必ず夢を叶えないといけないのか
NHKの朝ドラ「半分、青い」を観ている。
放送開始から2ヶ月ずっと録画しっぱなしで観ておらず、10週分(60話)の放送が終わってからようやく観始めた。面白くて、2日で観終わった。今はほぼリアルタイムで観ている。
かなり端折って説明すると、ヒロインは高校卒業後に漫画家を夢見て上京し、アシスタントから始めて見事デビュー、数年連載するも打ち切りに。最近はアシスタントに戻り、引越し屋のバイトもしたりしている。ストーリーが組み立てられず、自分の漫画は描けなくなっている状況。(ここに恋愛要素も絡んで迷走しているヒロイン)今週の放送では、漫画家を辞める決断をするらしい。
内容に関しては賛否があるようだ。個人的には、ここ2週間くらい観ていて「え?」と思ったり、28歳になっても子どもっぽい言動が多すぎるヒロインにイライラすることが増えた。
それでネットで視聴者の意見を読んだりしているのだが、「漫画が描きたくて上京したんじゃないのか(それなのに辞めるのか)」といったニュアンスのコメントを見かけた。漫画家を辞めることに納得がいかないらしい。
「漫画家として成功するストーリーじゃなかったのかよ」と思う気持ちはわからなくないが、漫画を描けなくなってしまった以上、もう続けられないだろう。しがみついたところで、巻き返せるようには見えない。いろいろと努力した結果の「描けない」だと思うので、辞めるしかないとわたしは思う。
でもそんなストーリーは、朝ドラヒロインらしくないようだ。
わたしは久しぶりに朝ドラを観ているので、これまでのヒロインたちがどんな描かれ方をしていたのかそんなに知らないし、どんなストーリーが朝ドラらしいのかもよくわかっていない。
おそらく、夢があったらそれに突き進んで努力して、叶えて、その途中で恋や結婚をして、充実した人生を送る… みたいなのがスタンダードなのだろう。
でも。世の中「夢を叶えることができた人」ばかりではないしなあ、とわたしは思う。今作のヒロインみたいに夢を諦める人は、世の中に少なからずいる。わたしもそうだ。(わたしは夢を叶えるための気持ちも努力も足りなかったから、「もっとやれたんじゃないか」とは思うが)
だから、1人くらい、夢を諦めて、全然違う人生を歩む朝ドラヒロインがいてもいいんじゃないか。そんなに「朝ドラはこうあるべき」「朝ドラヒロインは夢を叶えて、それを主軸とした人生を送るべき」みたいなのを押し付けなくてもいいのでは。
そのコメントを書いた人も、現実社会で夢を諦めることが悪いと言っているつもりはないとは思う。あくまでも朝ドラヒロインの生き方として、納得がいかないのだろう。
でも脚本家は放送前から「朝ドラ革命を起こしたんじゃないか」とか言っていたみたいだし、朝ドラらしくない作品になることは最初からわかっていたはずだ。
朝からつらいストーリーを観たくないとか、ドラマなんだから現実的すぎないほうがいいと言われたらそれまでだし、ヒロインの言動には正直理解できないことも多いんだけど。
でも、観たくないなら観なきゃいいわけで。
ちなみに放送開始前のNHK公式ドラマニュースに、漫画家としては挫折するとか、その先のだいたいのあらすじなどネタバレが書いてある。七転び八起きなヒロインは、最終的にあることを成し遂げるらしい。そもそもが「漫画家として成功するストーリー」ではないのだ。
夢を諦めても、そこで終わりじゃない。「こうあるべき」なんて気にしなくていい。自分の人生は自分のもの。こういう人生もありだよね。みたいなメッセージを伝えようとしているのかも?
今週分の予告の中にあった、ヒロインの祖父のセリフはそのひとつかなと思っている。
「(漫画家を辞めた先の人生)どうにでもなる」
イマイチ理解できないストーリー展開やヒロインの言動は今後もあるだろうが、わたしは最終回まで、彼女の人生を見守るつもりだ。
そしてわたし自身、「夢が叶えられなかった不幸な自分」みたいな呪いにかからないように生きていきたい。
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