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三陽スピリッツ:「努力の上に」

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桂 小金治さん(元落語家・俳優・タレント)の言葉
 努力の上に辛抱という棒を立てろ。
 そこに花が咲く
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 桂小金治さんは、落語家や俳優・タレントとして様々な世界で活躍された方です。すでに他界しておられますが、とても涙もろい方で、テレビの司会でよく涙を流されていたのを思い出します。
 そんな桂小金治さんが子どもの頃のお話です。父親にハーモニカを買ってくれとせがんだ時、「いい音ならばこれで出せ」と言って、父親はと神棚の榊(さかき)の葉を1枚取って、草笛で「ふるさと」という曲を吹いてみせ
ました。その音に魅せられた小金治さんは、その後父親に教わることなく一人で草笛を練習しましたが、一向に音が出ないので数日で練習をやめてしまったそうです。
 その姿に小金治さんの父親は一喝して、
「一念発起は誰でもする。実行、努力までならみんなする。そこでやめたらドングリの背比べで終わりなんだ。一歩抜きん出るには努力の上に辛抱という棒を立てるんだよ。この棒に花が咲くんだ」
と諭したそうです。その時の言葉がいつまでも小金治さんの心に残っていたのですね。
 その言葉に触発された小金治さんは、来る日も来る日も練習を続け、やっとメロディーが奏でられるようになり、草笛が吹けるようになった日、さっそく父親の前で得意満面で草笛を披露しました。そしたら今度は、
「偉そうな顔するなよ。何か一つのことができるようになった時、自分一人の手柄と思うな。世間の皆様のお力添えと感謝しなさい。錐(きり)だってそうじゃないか。片手で錐は揉めぬ」
と言われたそうです。 努力することに加えて、人様への感謝の気持ちが生きていく上でどれだけ大切かということに気づくことができたと小金治さんは語っておられます。
 この話には続きがあります。草笛を披露した翌朝、目を覚ましたら枕元に新聞紙に包んだハーモニカが置いてありました。喜んで父親のところに駆けつけると、「努力の上に辛抱を立てたんだろう。花が咲くのは当たりめえだよ」と言われました。子ども心にとても嬉しい気持ちになったので、母親にも話をすると、「ハーモニカは3日も前に買ってあったんだよ。お父ちゃんが言っていた。あの子はきっと草笛が吹けるようになるからってね」という事実が・・・
 自分を信じてくれた父親の温かい愛情を感じ、小金治少年の目からは、大粒の涙が流れ落ちたということです。まじめに生きること、人に感謝して生きること、努力を継続することなど、人として生きる大切さを気づかせてくれるお話でした。
 中村学園の学園祖中村ハル先生の遺訓「努力の上に花が咲く」に加えて、本校校訓「誠実・感恩・向上」、生徒会が自ら生徒の生きる姿勢を示した三陽綱領「挑戦(小さな一)・努力(大きな努力)・忍耐(決意の持続)」にも通ずるお話だったこともあり、とても心に刺さりました。

人間力向上しても委員会:KY先生(ペンネーム:困難好きなYoutuber)

福岡の中高一貫校で「令和の日本型教育実践校 No.1」を目指しています。サポートよろしくお願いいたします。