春啖呵
泣いてきたばかりだ。
涙が在った。意味のない涙だった。「光」みたいに、そこには意味がなかった。唯、在るだけだった。だから、神はこれをみて、よしとされるだろう。
しかし、「涙」の前に「泣く」と書かざるをえないのはどういうわけだ?
「涙」が溢れると同時に「泣く」ような、そんなふうに書けないのはどういうわけだ?
泣きたくなる不都合だ。
涙が溢れた。意味のない涙だった。「光」みたいに、そこには意味がなかった。唯、在るだけだった。だから、神はこれをみて、よしとされるだろう。
しかし、「意味のない涙」とは何だ?意味のある涙があったのか?ただ一つの、劫初の涙じゃなかったのか?
はじめての涙のはずなのに、勝手知ったるふうにしか書けないのはどういうわけだ?
「泣い」て、書いているんじゃないのか?
誰かが書いたように「泣い」ただけ、とでも、いうのか?
花に箸こそ揺らげよと身悶えす鋭利な汁を??に向かって
短針の詩情ぼくが救わねば発条巻け夜明けのPlinius
鮮に瓣捥いで喘ぐ蝶土星の環志して散り
三、五、八、十%くらいいたぶりたい平成元年生まれの君を
ほんとにうちのめされたらさ逆さに泣いてみるのかなはなびら
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