いじめ撲滅委員会-~これまでの研究~ 中国・台湾・日本でのいじめ対策

今回は、日本だけではなく、その周りの国でのいじめについてご紹介します。日本で起きているいじめ問題やその対策を知っていくことは、教育現場ですぐに役立つものになります。しかし、教育現場も国際的になってきた今日、日本だけではなく、その他の国の事についても知っておくと応用ができるものもあると考えられます。2020年にはオリンピックもありますので、国際的な視点も大切にしていきたいものです。


・中国における「安全責任」といじめ対策と学校の役割
中国においては、2000年代以降、身体的または心理的な攻撃を受けた生徒が自殺した事件、および仕返し殺人事件がしばしばメディアで報道されました。それによって、学校におけるいじめ問題が大きな社会問題として認識されるようになり、メディアや研究者たちから注目を集めてきました。
さらに、近年ではスマートフォンやインターネットなどが普及したことで、加害者やその目撃者である傍観者などが撮影した映像などがSNSといったインターネット上に流出し、メディアに大きく取り上げられることとなった事件もあります。
例えば、2009年に発生した「上海熊姐事件」は、いじめの過程が撮影されて、その動画が後に動画投稿サイトにアップロードされたことで、大きな関心を集めた事件です。その後、加害者の行為に憤った200人以上のネットユーザーが加害生徒の在籍する学校の校門前に集まり、校長の謝罪を求めたのです。
このことは、いじめ問題が公衆のパニックを招くというリスクが政府に重視され、教育だけでなく行政機関の介入を要請しました。中国では、2007年に全国の小中学校に配布された『中小学公共安全教育指導綱要』(小中学校における公共安全の学習指導要領のことです)で、中国教育部ははじめていじめ問題に言及し、学校の安全教育の重要な課題であると規定しました。
また、いじめの危険性と予防の必要性を認めたものの、当時の中国教育部は行為を明確に規定していませんでしたが、2015年に発行された教育部の研究機構の研究報告ではじめて、いじめが定義されるようになりました。
中国教育部は「学校の教育活動を妨害し、被害生徒の心身的な傷害を与える行為」と認識し、対策の目標を「学校を最も明るく、最も安全な場所にさせる」と定めました。つまり、「いじめは単に子ども同士、あるいは生徒に関連する攻撃行為だけでなく、学校の教育秩序と安全をおびやかす行為でもある。」ということです。
そのため、対策の目的は加害者に対する懲戒に止まらず、生徒全体の安全意識の向上および学校安全の実現も含んでいます。
以上のような「安全」を中心とした対策は、未然防止と事件処理という2つの目的で国に浸透しています。
まず、予防教育および予防システムによって構成された未然防止の目的では、予防教育が主に安全をめぐり、「いじめの危険性を理解し、対応の方法を学び、自分と他人の安全を守る」という方針で展開されてきました。
一方、学校の安全管理体制を充実するために、中国教育部は「学校安全条例」の制定を計画し、関与者の責任を明確にすることで、事件への緊急措置を制定しようとしています。さらに、学校内部の安全体制に限らず、学校周辺の地域治安を向上することも重視されています。
また、事件の事後処理として、加害者に対する懲戒が強化されました。とりわけ、『刑法』、『未成年人保護法』、『予防未成年人犯罪法』など、生徒と教職員の安全を守る法律の操作性を強めると同時に、責任や処罰に関わる内容を具体的に規定しています。
いじめ対策の具体的な内容から見ると、中国教育部のいじめ対策のもとで、「安全事件」特に「安全を妨害した責任事件」として取り扱われています。防止に関する政府の施策も主に「責任範囲の明確化」という方針を採用しており、いじめ問題の予防および対処における加害者の責任、学校の責任、警察の責任範囲をはっきり規定しました。
具体的には、学校の内部および教育活動において発生した事件が学校の責任範囲に含まれ、学校周辺および校外に起こった事件は、治安管理機関の責任範囲に入っています。
つまり、中国のいじめ対策が公的機関の介入および対策を要請したものの、学校と治安機関の介入が最小限に限られ、安全保護のレベルに抑えられているということです。この方針のもとで、教育部はいじめ問題を「安全責任に関する事件」と見なしていて、事件の責任者への責任追及を重要視しています。
そのため、安全と法律に関する教育は主に学校によって実行されるが、安全管理の方は場所によって、学校と地域の治安機関によって分担されています。

いじめ撲滅委員会-HP
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いじめ撲滅委員会-YouTube
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