心理学実験Ⅰ 鏡映描写課題レポート 【評価S】(聖徳大学)表・図・考察・引用文献付き
鏡映描写による両側性転移の検討
問題
学習は、心理学の中の代表的な研究領域である。一口に学習と言っても、条件づけ、言語または記憶学習、社会的学習等があるが、本実験では、知覚運動学習をテーマとする。知覚運動学習とは、知覚系と運動系の協応を必要とする運動技能が、練習によって上達する過程を指す。そのため、技能の学習とも呼ばれる。例として、キャッチボールの習熟(手と視覚の協応関係の成立)などがあげられる(横山,2015)。
知覚運動学習の課題としては、鏡映描写課題、標的追従課題などがあるが、本実験では鏡映描写課題を用いて、学習あるいは訓練の転移の現象について考察する。転移とは、先行する学習Aが、後続する学習Bに何らかの影響を及ぼす事を指し、その何らかの影響が促進的な場合を正の転移、妨害的な場合を負の転移という(心理学実験指導研究会,1985)。
本実験では、転移現象の一例として両側性転移を扱う。両側性転移とは、身体の一方の側の効果器(例えば右手、右足)を用いた練習が、他の側にある効果器(左手、左足など)による遂行に影響を与える現象の事を指す。鏡映描写課題における両側性転移は、非利き手で鏡映描写の練習をすることが、利き手での同課題の遂行にどのような影響を与えるかが検討される。
目的
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