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ニュースから考えるSSSの費用対効果

1.スクール・サポート・スタッフ配置効果のニュース

このニュース、どう思いますか?

私はこのニュースを見て、反射的に「嘘だろ!?」と思いました。

理由は、
・(SSS配置効果としての)削減時間が多すぎる
・高校にはSSSは配置されていないのではないかと疑問に思う
・中学校だけがSSSの効果が突出している理由が分からない
です。

高校にSSSが配置されているかどうかは分かりませんが、全国の傾向で言うと、小中学校ですら一校に一人が難しいという状況なので不自然だと思いました。

ニュースをよく読むと、SSSの配置以外にも「教育現場の意識の変化」が理由としてあると書いてあるので、全てがSSSの効果とは言っていないようです。そう考えると、削減時間も納得です。

(納得って何?)

そこで、「SSS配置による『適正な』削減時間とは何時間なのか」を考えました。

2.『適正な』削減時間を考える

私は実際にSSSとして働いているので、私の学校の場合を具体的に考えられると思いました。
業務内容を普段から残しているので、一週間や一か月で誰のどのような業務を手伝ったかを上げられますし、教職員数や私の勤務時間も把握しています。これらから計算ができるのではないかと考えました。

しかし、この答えを出すのはかなり難しいことに気付きました。

例えば、A先生から丸付けの依頼をされ、私(SSS)が30分掛けて終えたとします。このときのA先生の労働時間が30分減ったかというと、そうとは限りません。もしA先生が自身で丸付けをした場合、慣れているので15分で終わったかもしれません。しかし逆に、私に頼まなかった場合、A先生は昼休みの休憩時間が無くなり、トイレに行く時間が無くなったことが原因で腹痛を起こしてしまったかもしれません。(極端な例ですが。)そう考えると15分や30分以上の価値があるかもしれません。

また、SSSの効果には「精神的負担の軽減」もあると思っていて、むしろ、こちらの方が重要なのではないかと思っています。例えば、A先生が私に丸付けを依頼した場合、A先生は丸付けのことを考えなくて済むので気が楽になると思います。仮に総労働時間としては変わらなくても、『ワンオペ回避』により、精神的な負担を減らせるという点は、重要でありながらも数字にはできないなと思います。(※)

このようなことから、SSS配置の効果を労働時間などの数字で表すことは難しいなと思いました。

(※)感情が測れる機械が開発されてきているので、何年後かには、感情やストレスの度合いが数字に表せるようになるかもしれません。労働が過剰かどうか、それが軽減されたかどうかの判定が、労働時間の長さ以外でも表せるようになるのかもしれません。

3.『費用対効果』を教育に使うのは難しくないか?

少し話が逸れますが、次のニュースも少し前に話題になりました。

スクールカウンセラー(SC)が配置されて何年も経っているが、不登校者数は減少していないことから、SCの費用対効果が低いのではないかと財務省から指摘されてしまった、というニュースです。

SSSの費用対効果を数字で表しにくいのと同様に、SCの費用対効果も数字で表しにくいと思います。さらに言うと、『教育』の費用対効果は計算が難しいと思います。

4.『費用対効果』は難しいけど、発表するのが重要

難しい難しい、と言っていますが、SSS配置による労働時間の削減については文部科学省や一部自治体で発表されています。SCもSSSも、もっと配置が増えれば良いなと思うので、「配置して良かった」という情報がたくさん発表されてほしいなと思います。

労働時間が何時間削減されたかのような計算は個人では難しいですが、「SSSが居ることで気持ちが楽になった」のような気持ちの面の効果については私個人でも発信できるのかなと思いました。私だけでなく他のSSSの人のことも知れるような方法を現在進行形で考えています。アンケートもブログの方で企画していますので、これからもお楽しみに~。

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