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始まりは、ひっそりね。

自宅近くを黒目川、落合川という2つの川が流れている。
この2つの川が合流する地点を折り返し、ぐるっと1周するように走るのは、私にとって定番のコース。
澄んだ浅い川、眺めているだけでもなんとなく気持ちが落ち着く。
春にはかわいいカルガモ親子に会えたり、川沿いの遊歩道は季節によって様々な花が咲いている。川沿いのちょっと向こう側には湧水地や公園、神社仏閣などいくつもの寄り道スポットがある。
同じ風景でも、季節や時間で印象が変わる。
右回り、左回り、どっち回りにするかで景色の拡がり方が違う。
散歩や走るひと、結構人がいる場所もあるけど、おおかたのんびりモード。
穏やかな日常の一場面を通りすがることができるこの道が好きだ。


落合川に関しては住宅街の中に上流端があって黒目川と合流するまでの短い川なのは、なんとなく知っていた。
黒目川はどんな川なんだろう?
そんなことを思ってみたのは、井本文庫を読んだから。
川を読むっていう感覚がおもしろい。
カヌーで黒目川は下れないけど。川沿いで黒目川、読めるかな?
まずはGoogleマップを開く、スマホの小さな画面、指で川を上る。
小平霊園の前で途切れた、ここがスタート?
川沿いにずっと道があるのかわからないけど...距離的には全然走れるぞ。
途切れたちょっと先に、さいかち窪ってあるけど、コレ何だ?
ここで初めて、黒目川、源流、で検索。
さいかち窪が黒目川の源流とな。
さいかち窪は小平霊園の中にあるけど、開園時間は誰でも入れるって。
へぇ~そうなんだ。ってことで。
川に興味を寄せて、源流地点まで走ってみたよ。

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黒目川沿いにある「東久留米総合高等学校」から上流に向かうことに。
ここ、志村けんの母校。でも、このことを知ったのはつい最近だった。
昭和の小学生、土曜8時、ドリフかひょうきん族かの2択だった時間。
私、ドリフでした。
アイーンは永遠。(アイーンはいつ生まれたんだろ?)
春、この道沿いは桜がとてもきれい。写真は春に走った時のもの、チビちゃんも散歩してた道。

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そんな土曜日の夜だけ、夕ご飯の時に缶ジュースを妹と分けっこして飲んでいたなあ...でコカ・コーラ工場の裏側を通る。

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250mlの缶ジュースを2人で分けっこって、貧相な気もするけど(笑)
ご飯の時にジュースってだけで特別気分だったのですよ。
そして、ここは小学生の時に社会科見学で来た工場、見学の時にコーラが飲めたよー!っていうのも、最近思い出した。
生まれも育ちも多摩県です。
https://wakusei2nd.thebase.in/items/997919   ←多摩県のことはここで!

工場を通り抜けてからは、特に特徴のない風景が続く。
しばらく走るに集中。

途中、川沿いの道がなくなり大通りを通る。
大通りの下を流れて、また川沿いの道が現れる。
自然...?きちんと整備された川なんだなあ。
案内板が現れた。

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なんだよ、ちゃんと説明がここにあるじゃん、黒目川の源流...(笑)
きちんと見たことなかった。
ここからはこのマップ通りの道を走るよ。

下里氷川神社。人がいない、静か...ではなく蝉すごかった。
夏休みっぽい雰囲気。
今まで意識してなかったけど、近くにお寺や神社もたくさんあるんだよね。
大きな有名どころではないけれど。
静かに佇んでいる、地域に根付いている感じの場所。

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少し過ぎると、コンクリート工場。
ここらへんまでは走ってきたことが以前もある。
夕陽に照らされた工場がかっこよかったよ。

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もう少しすぎると、親水広場ということで川遊びしてる子どもたちも。
ちょっと休憩、私もちょこっと水遊び。
川遊びするには、落合川のほうがいい場所たくさんありそうだな。
散歩や一休みな人も結構いて、休日の広場らしい雰囲気。

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写真、人がいないけど…。

広場を通り抜けると。
ここから川沿いの道がさいかちの道と名付けられているみたい。

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どんどん川幅も細くなるし、道も細くなる。なんか陰ってる。
人も少ない...ってかほとんどいない。
普段もそうなのかな?
なんとなくサミシイというか、不安になってくる道のり。

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ちょっと足を速めつつ進むと。
東京名湧水57選、黒目川天神社前に。
静かです...昔話にでてきそうな風景だなあ。
ちなみに東久留米にある南沢緑地、竹林公園も選ばれているそう。

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東京名湧水57選って?
東京都は、湧水に対して都民の皆さんに関心を持っていただくとともに、湧水の保護と回復を図るため、57か所の湧水を「東京の名湧水」として平成15年1月に発表しました。 東京都環境局より

関心持ち始めています、とてもきれいだ。

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さて、もう少し寂し気な道を走って行く。川自体は小さい流れ。
あっけなく!?新青梅街道に出て。
道路の向こう側に小平霊園、さいかち窪に到着。
さいかち窪、今は水が枯れていることも多いようで。
水源...いまは他の場所から流れ出ているのかな。東久留米は湧水地点たくさんあるらしい。他の地域もそうなのかな?
霊園の中の雑木林のなかにあるちいさな窪地。
中をゆっくり見てみたい、けど。
案内板に蜂がいます!とあるし。止まると、蚊のぶ~んが耳元で囁くし。
人も全然入って行かないし。
ダッシュで駆け抜けて終了(笑)もう少しよい季節の時にまた来てみよう。

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霊園と言えば。spitzの曲で「猫になりたい」という曲があって。
「広すぎる霊園のそばの このアパートは薄ぐもり 暖かい幻を見てた」 っていう歌詞があり。この時にイメージになった霊園が、多磨霊園とか小平霊園とか言われています。多分多磨霊園だった気もするんだけど、どっちなんだろう?マサムネさん、国分寺に住んでいて武蔵野美術大学に行っていたので、ここらへんもご近所ではあったはず。
時間軸、ちょっとずらしてすれ違いたかったな。


街の中を流れる小さな川。
井本さんの川を読むとはちょっと違う行程になったけど。川をたどる中での景色の変化、いつも走っている場所と違っておもしろかったな。
上流に向かうにつれ寂し気な感じもあって。普段は走っているときに、こんな風にサミシイ感じになることはないんだけど。それも含めて。
昔の川沿いはどんな雰囲気だったんだろう。昔から、ひっそり静かに水は湧いて流れていたのかしら。
いろんなものを守るため整備されて、守るために見えなくなったものはなんだろう。
この街に住んで、もう10年以上経つのに。
すぐ近くのことなのに。まだまだ知らないことがたくさんあるよ。
今まで見えなかったご近所。走るコトで見えるようになった景色かな。
そして何でもないような穏やかな一場面が、新鮮だったり、愛しく見えたりするのは、仕事の環境変化も大きいのかなと思っている。
病棟で働いていた時は夜勤もあって生活不規則だし、病棟で繰り広げられるアレコレは穏やかじゃないことも多い。心身ともにストレスも大きかった。このストレス発散、楽しみや癒しは非日常な空間や時間で求めることも多かった。旅行もどーんと遠いところに行きたかった、ご近所を散歩って何があるんじゃ~みたいな。
あと一人暮らしだし、自分の生活で地域事情と関わることもほとんどない。
訪問看護に移って地域というものに関心を持つようになった。
家で生活すること、地域で暮らすということ、日常を過ごすということ。
穏やかと表現できるコトの貴重さみたいなもの。
仕事の変化と走るコトが重なって、今、ご近所が愛しいのかも。
年、とったのかなー(笑)

そして、そんな流れで。
そういえば、ちょっと前に東久留米を舞台にした映画あったなと思い出して
「河童のクゥと夏休み」Amazonprimeで観てみたよ。
当時は、東久留米が舞台って地味...って感じだったし。(すみません)
画風があまり好きじゃないなとか思ったし。(本当にすみません)
全然興味がわかなかったんだけど。
クゥとクゥを守るための上原家の行動や、康一の夏休みを経ての小学生らしい変化がとても良い映画だった。クゥは黒目川の辺に埋もれていた大きな石の中に化石状態の様になって発見されたんだけど。黒目川やその周辺、ランニングや走って行ったことのある場所もたくさん出てきて面白かった。
ちなみにちょっと前じゃなくて、2007年公開でした、ずいぶん前だ。

そんな黒目川。
落合川と合流した先は埼玉県に入り、新河岸川と合流して荒川に。
その合流付近に朝霞水門というのがある。
今度は、この水門まで行ってみたいなあと思っています。
こちらは結構距離があるので、涼しくなったらチャレンジ。