かれぴっぴカードバトル #雑談/10
ふとしたタイミングで、大学の学部の同級生3人と久々に集まった時のことを思い出す。
社会人になり、それぞれの職場にも慣れ落ち着いた春頃のことだ。
そこそこの距離感を保っていた私たちは、同じ授業を受けたりお昼を一緒に食べたりはするものの、大学以外の時間で集まることはほとんどなかった。
むしろ卒業旅行を除けば、初めてなんじゃないかと思う。仲が悪かったわけではないんだけど。
美味しいパフェをいただきながら、思い出やら仕事やらショッピングやら話に花が咲いた。大学時代と変わらないなあなんて思いながら、ゆるやかに話題はそれぞれの恋愛事情へとシフトする。
当時の私は、彼氏と別れて半年が経っていた。
遠距離が終わったことの喜びと、モラ気質から離れることができた解放感。
少しの喪失感はあったけど気分はスッキリ!✨
私以外の3人はそれぞれ彼氏がいたからなんだか後ろめたいような気もしたけど、みんなの近況は気になっていたし、次のチャンスに向けて参考にしよう〜と気軽な気持ちだった。
みんな「普通だよ」と言いながらも彼氏の話をしている顔は幸せに満ちていた。いいねぇいいねぇなんて呑気に聞いていたら、唐突にそれは始まった。
ひとりが、彼氏の写真を私たちに見せた。
仲睦まじいツーショットに微笑ましくなったのも束の間「〇〇の彼氏も見たい」と一言。
「別にかっこよくないよ」の前置きと共にそれぞれがおもむろに彼氏の写真を見せる。私は差し出すものがないので、静かにその様子を見守っていた。ちょっと気まずい。
3人の彼氏の写真が出揃った時、カードバトルみたいだな、と思った。さすがに言葉にはしなかったけど。スマホに映し出されたその大きさと形のせいかもしれない。
バカにしているとかそういうつもりじゃなくて、なんだか順繰りにそれぞれのエピソードを話した後、秘密兵器のように写真を出す姿がそう見えたのだ。
その時私に彼氏がいなかったから冷静に(?)感じることができたのだと思う。私も彼氏がいたらニッコニコで見せるもんね!!
結局その後は、当たり障りのない「優しそう〜」という感想が飛び交って収束した。
ただそれだけのことなのに、あの光景はいつになっても思い出してしまうくらい衝撃的だったなあ。
でも本当にそういうカードゲームがあったら面白いかも。会社、年収、ルックス、ラブラブエピソード等をステータスとして、マウント取り合いバトルとか。
いや〜熾烈な争いになりそう……。
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