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♯3 慕情 と、虹色と蛇 について

 ユリシスはとても変わった子で、小さい時から『私は蝶の王様だから』が口癖でした。それは傍から見ても本当で、ユリシスの周りには数匹の蝶がヒラヒラ舞っているのが常でした。

 ユリシスは学校が終わって友達と遊んだ後『遅くなってしまったな』と大きな葉を避けながら家までの道を急いでいました。クラ森は人通りがないのであまり近づかないようにと大人から言われていましたが、学校から家までの近道であったため、門限が近い時はいつもそこを走り抜けていました。その日はクラ森の鹿の林道から蛍の湖を片目に、猪の茂道から湿った洞窟の前を横切…ろうとした時、いつも無いものかそこにありました。なにか白い固まりが、否、人間離れした綺麗な容姿をした人間が切り株に腰掛けていました。ユリシスは森で人を見かけたのは初めてだったので珍しいと思い声をかけました。『こんにちは、白い人。ここにいるなんて珍しいですね』『こんにちは、蝶の王様。たまに見かけるあなたとおしゃべりしたくてここで待っていました。いつも急いでいるようですが、今日もそのようですね』『ああ、私は日が暮れるまでに家に帰らないといけないのでいつも走っているのです。』『なるほど今日は間に合いそうにないですね。ではあなたが間に合うように私が太陽をもう1つ空にあげておきましょう。その太陽はあなたが家に入るのを見たら沈みます。』
 ユリシスは、もう間に合わないからどうせ怒られるなら興味の対象に接触してから走って帰って親に謝るつもりでした。白い人の言い分には助かります。何せ門限に遅刻したら明日の水汲み当番は自分です。
『ありがとう、白い人!急いで帰るよ。』『気をつけて』2人は手を振り降り別れました。太陽はユリシスの帰り道の上を照らし、家に着くと沈みました。

 次の日、ユリシスは学校帰りに白い人にお礼を言いに、クラ森の湿った洞窟前まで急ぎました。そこには白い人が昨日と同じように切り株に腰かけていました。『やあ蝶の王様』『昨日はありがとう白い人!今日は余裕があるので少しお話しよう』ユリシスは、白い人は人間でないことに気づいていたのですが怖くないと思ったので興味のままに仲良くなることにしました。今まで自分の周りの蝶達が危ない時には助けてくれていたからです。
 3時間話しました。二人はウマが合いました。疲れたので水筒の水を飲もうと思ったら中身は空でした。白い人が果物のジュースをくれたのでそれを飲みながらまた3時間話しました。ふと、一向に太陽が全く沈んでいないことにユリシスは気が付きました。『白い人、もしかして今日も太陽を出してくれているの?』『おやあまりに楽しかったから勝手に出てしまっていたみたいだ。…困ったな、戻ってこない。』『おなかが減ったのでそろそろ私は帰ろう。蝶に太陽を誘導させてみよう』『じゃあまたね』『また明日』ユリシスは家に帰り、太陽は蝶とともに地平線に沈みました。蝶は帰ってこず、ユリシスの周りの輝きが一欠片なくなりました。

蝶はユリシスを守り、ユリシスは蛇王の許嫁になる

そんなことが3ヶ月ほど続きました。一日ごとに太陽と蝶は地面に吸い込まれていきます。ユリシスはだんだん蝶の王ではなくなり、代わりに小さな白い鱗が生え、虹色に光るようになりました。

 白い人は巨大な蛇の化身でした。湿った洞窟を住処とし、地下の虹色の龍の巣の主でした。

蝶の王でなくなったユリシスと太陽を追いかける白い人


えーーーとーーーこっからまたざっと書いちゃうんですけど


三年三月、2人は逢瀬を繰り返しユリウスが蝶の王でなくなり18になったので白い人はユリシスと婚姻します。そこで焦ったのが、本物の『蝶の女王』です。ユリシスは赤子の時…なんなら受精卵になる前から『蝶の女王』に捧げられてます。蝶の加護はそこからだったんですよね。ユリウスの親は子供が欲しくてたまらなかったので蝶の女王にお願いしに行って、18になったらお返しするという約束。でも親2人はもう亡くなってる(育ての親は母方の妹宅)

白い人とユリシスが一緒に暮らし始めてからすぐ、蝶の女王が手紙をよこします。女王が課す試練にうち勝てばユリシスは自由の身になるよ。白い人と一緒にがんばれー!っと言う話。

白い人(でっかい美女。)とユリシス(細身の男の子。)をひたすらイチャイチャさせたいのと、蝶の女王(のじゃロリ)がかわいい話になればいいね。

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