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またUX Nightに行ってきた

 前回のUX Nightに引き続き今回も参加してきました。UX Night毎回行くたびに思うことは勉強になりすぎて頭の回路がショートする会になっております

 今回はペパボさんのオフィスの一室で開催されました。

 今回はペパボさんではなく、ライオンさんのイノベーションラボという部から所長さん含め5名の方がはるばる東京からやってきてくれました。

 今回のお題は「未来の状況って?」というものです。未来といえばIOTの到来でボタン一つで家の環境を整えてくれたり、家電の過去の使用履歴から統計的に機械が勝手に作動してくれたりと「機械が考えて、行動までしてくれます」
 僕の派遣バイトはだいたいauで働いていることが多く、キャンペーンの案内で「auホーム」なるものを月額で登録させてauのキャリア使ってる人なら誰でも遠隔操作で家の家電を操作できるようになるシステムを作っていたりと、もう実用されているモノもたくさんあるみたいで、10年後には当たり前の光景になっているのかもしれません。

 ライオンさんのイノベーションラボさん。特殊なチームでなんでも全員が生物や化学の研究者だったりで、白衣を着て研究をしていた人が急にこんなIT分野でイノベーションを起こすと言っているのだから少し違和感がありました。

 しかし、研究者の中ではとんでもなくいいアイデアがあるが、ベストセラーな商品や会社にあってないアイデアは形にすることもできず売れる商品を追求して強化してきた背景から「イノベーションラボ」で科学者達のアイデアはなかなかにクリエイティブなことを秘めている予感がしてきました。

 イノベーションラボさんの紹介や具体的にやられていることを前半は行い、後半は各班に分かれてUX Night恒例のワークショップですね、普通のセミナーと違ってUX Nightは聞いたこととか学んだことを直ぐにワークショップという形でアウトプットできることがいいところだと思っていて、感動した熱量とかをみんなで話しながら発表できちゃうからモヤモヤしなくていいから気が楽になります。

 特に今回の場合はイノベーションラボの面々が各班に入ってくれるものだったのでとてもスムーズに会が進行したり、的確な意見を言ってくれたりすることが個人的には面白かってですね、

 ワークショップのお題は「最悪の掃除体験」でした。5W1Hで起承転結できるように最悪の掃除体験を各チームで作っていきます。

 最悪は僕に息を吐くように連呼するような単語なので僕にとってかなりの難題でした。人からしたら「あれ、それどこが最悪なの?」ツッコミどころがありあまるぐらいの言葉のミス繰り返してるレベルです。それに加えられ「掃除」掃除は僕の中では「貯金、保険、ブラック企業」に並ぶほど大嫌いな言葉なのでかなり班の足を引っ張る予感がしていました。

 ワークが始まれば「最悪の掃除」についてポンポンと意見が出てきます。しかし、最初はみんなよく意見が出るのですがなかなかに難しい。言葉としはすぐにアイデアは出てくるのですが5W1Hの形式だと当てはめることが難しい。逆にインパクトが強すぎても「これって掃除じゃないよね?」みたいな違和感が続いたり、逆に控えめに考えてみると「それって嫌だけど最悪じゃないよね?」みたいなやりとりをよくしていました。

 例えば「掃除してたら死体が出てきた!」こりゃもう最悪なわけです。でもそれって「最悪の掃除体験なの?」死体が出たことが嫌なわけで掃除が嫌なわけじゃないし、最悪の体験だけど最悪の掃除体験ではない。もっと掃除そのものに関係する最悪を作らないとストーリーができないわけです。それを5W1Hに落とし込むことは苦労しました。

 我が班は「(why)普段掃除をしていなかったため(who)母親に(what)勝手に掃除をされて部屋を魔改造されてしまいテーブルに花瓶があり、ぬいぐるみを置かれ(when)彼女を部屋に連れてくる数分前に行われ(where)自分の部屋が変わり果てていた。(how)そして魔改造された彼女に部屋を見られドン引きされる。というストーリーだ。

 最悪の掃除体験ということに各班共通していたことは「人にさせられる、人に掃除される」共通点があり、異性絡みに関しては全グループ共通だった。掃除という性質上、見られてはいけないもの「彼女以外の女性の影」や「デートの前日」「結婚記念日」「同棲していると勘違いされるカップル」などのイベントだ。

 そのほとんどが男性目線の視点の掃除体験だったことから、女性中心の最悪の掃除体験があっても面白いのではないだろうかと思えるワークショップだった。

 このワークショップ。実は作成した最悪の掃除体験を班で回し、「最高の掃除体験に帰る」という最後にとんでもないワークが待っていました。回ってきたお題は「(who)新婚の新婦が(what)トイレ掃除をしていたら(when)記念すべき結婚記念日に(why)指輪を間違えてトイレに流してしまった「where)新居で(how)ひどく落ち込んでいる」

 このどうしようもない最悪の事例を最高の体験に変えるシステムやサービスを考えないといけない。ただ簡単なことにこの問題は指輪を落としたことが問題だということでした。指輪そのものが一番解決する問題です。トイレには詳しくないが。そもそも流れないトイレならどうだったろう?ということからワークが動き始め、結局流れないトイレだから奥さんは指輪を回収できる! だがこれでは最高の体験にはならない、ホッとした出来事でツイッターでつぶやかれる程度の出来事だろうか。

 最高にしなくては!次に考えたのは指輪が綺麗になって返ってくるというものだ。結局のところ指輪を失くす、回収できるでは物足りないので、トイレの能力を活かして洗浄され綺麗な姿で返ってくるというものだ。これにはなかなか好感触だったがこれでは最高なのか。「指輪が綺麗になって帰ってきたぜ! ちょー最高!!」にはならない。

 だが、ここで忘れられているのが新郎の存在だ。この結婚記念日に新郎がうまく動いてくれば言うことなしのはずだ。

 そこで考えたのが貴金属回収サービス(ALSOK)このサービスを使えばこのように不慮の事故で流れてしまった貴金属をプッシュ通知で知らせてくれて届けてくれるというのもだ。それを旦那さんが回収し落ち込んでいる奥さんにサプライズで渡すというものだ。

 他の班で面白かったのが、「デートの前日に先輩から命じられて部室の一番汚い部屋を生まれたままの姿に変えろと言われる」ものがあった。最高のストーリーver「掃除した人のはアーティストからのサインが貰えるというものだ」これには縛りがあって。〜したらあの人気アーティストからサービスを受けられるというもので生徒はそのチケットを手に入れようと躍起になっている学校が舞台。そこでその先輩は掃除したらのチケットを手に入れていて、困っている僕がいたからそのチケットをくれて部室の一番汚い部屋を掃除し、彼女と一緒にサインをもらうというストーリーに変えたものだった。

 この話はとても面白くて、嫌々やっている掃除を自ら進んでしたくなる方向に促すという発想はUXにはとても大事な考え方だと前回のUX Nightでも触れました。

 そんなわけで僕らの反省点としては相手の新婦が進んでトイレに指輪を流したくなるようになったり、何かTBSのモニタリングされるような仕掛け人が結婚記念日に参入して掃除を促してくれたりすることができればいいUXになったのかなぁと後日では思います。

 今回の学びとしては最悪の出来事。それは日常の積み重ねや5W1Hの積み重ねで最悪になっているわけでなく、たった一つ最悪な出来事があって成立しているので、最悪のポイントを間違えるとよくわからないサービスになっていきます。なのでこまめに何が最悪なのか相手に質問したりすること、最悪だと思っていることの確認を間違えるといいUXはできないなとも感じました。

#UX #UX Night#導くよりも促す#アウトプット

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