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映画感想戦『君たちはどう生きるか』

今を生きる人々に向けてのエールと言ってしまえば、簡潔で綺麗なものに見える。


⚠️もしかしたらネタバレ⚠️

前情報無し、監督宮崎駿の名前と不可解な一枚絵のみで勝負に出た感じがしますね。
同名小説もありますが完全に別作品だと思います。作中主人公が小説を読むシーンもありますが深く掘り下げることは無いです。
あらすじを書くのは野暮かなと思うので(面倒なので)勘弁してもろて、各々見に行くかどっかで調べるかしてください。
冒頭は結構リアリティのある世界設定でしたが、進むにつれてファンタジー色強めになります。千と千尋の神隠しと構成や雰囲気は似てるかしら。

以下、感想文。

正直に申し上げると内容を汲み取るのが難しい。大まかな流れ分かるけれど、頭いくないトマトスープは細かいところに気付けないし、考察ができないので不思議な気持ちになって素通りする箇所が多々ありました。考察できる方に頼みます。
個人的には主人公に感情移入するより、世界観に没頭しました。ポスターの謎の生き物にも納得、かぁいい。まさかお前が推しだとは思いませんでしたありがとう配役決めてくれた人。

アオサギという鳥は、日本ではあまり良い評価とは言えないらしいですね。
枕草子から抜粋「鷺はいとみめもみぐるし、まなこゐなども、うたてよろずになつかしからねど」と清少納言は好きじゃないらしい。ちょっとおめめ怖いもんな。
頭が良く、自分より体の大きなツルやコウノトリの獲物を掻っ攫ったりして狡い面も。…
反面、海外では肯定的なイメージがあるようで、知性や忍耐力、幸運の象徴であるといわれます。ggりました。宮崎駿はどういう意図でアオサギをモチーフにしたのか、なぜ主人公の友人として置いたのか、分かりませんけれど彼らが対等な関係になったのは良かったです。最初こそ不仲だったけど関わりを持つうちに互いに歩み寄ってるのが分かって、ジブリっぽい友情の築き方だなと思いました。

鳥がいっぱい出てきたな…と思ったのでダラダラ書き連ねます。
個人的には焼かれたペリカンが気になっていて、セリフは曖昧なんですけど「俺たちは地獄に連れてこられた」というような言葉がありました。外部から呼ばれたのか、役割の一つ・世界の一部分として生み出されたのか。「生まれてくる子は飛ぶのを忘れた」というので、彼らもあのまま居たなら王国を築いたインコと同じようにずんぐりした生き物になっていたのかなと思ったり。
人間大のインコたちも連れてこられたのか、生み出されたのか。世界を作って人間のように知的生命体を置いて文明を作るように示したのか。
全く謎ではありますが、これって風刺映画なのでしょうか。不安定な世界は現代社会の不明瞭さ、インコは愚鈍や自分勝手さ?
「若者よ、未来に希望を抱け」「君たちの手で変えていくのだ」みたいなメッセージ性を感じさせつつ、宮崎監督の引退宣言をこれでもかと含んだ映画だったなと思います。今を生きる人々に向けてのエールと言ってしまえば、簡潔で綺麗なものに見えるけれど、その実宮崎駿監督、それに準ずる方々の思想をファンタジックにした映画かなと思いました。言語化できない考えを無理くりアニメーションに充てがったような。物語として面白いし、児童文学を読んでいるみたいな心地で楽しかったです。ただなんか、どう言えば良いかわからない寂しさがあり、自分の理解力のなさが大変悲しい。

話は変わりますが、ジブリといえばスタジオポノックが話題に上がりますね。
「メアリと魔女の花」、短編アニメーション「小さな英雄」もありました。透明人間のやつしか見てないけど。
ジブリの血を引く作品をと銘打って、実際その通り節々にジブリの脈動を感じました。ただマァ個人的には「ジブリを踏襲しようとしている、あるいは模倣に近い映画」という感覚になりました。たぶん見慣れてないだけでしょうけども、やっぱりジブリとは決定的に違う作品の味という感じがして進んで見ようとならない。

でも!!
最新作「屋根裏のラジャー」はなんかおもろそう!!!見よ!!!!

ミーハーだから新作には心惹かれます。今までグダグダ言ってたのは全部捨てしょうね。結局面白くて感動できたらそれでいい節がある。わはは。

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