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ゾンビの光 ④

明日は運動会ですよ

オトナトビヒは
なかなかパワフルですよ。

できれば世話になりたくなかった
がんばれ抗生物質。
まけるな腸内細菌。

***************

もうひとり
宇宙人ではない方
Zにしましょうか。

Zは高校時代の同級生です。

頭のいい子でした。
そしてとても美人でした。

Zは 
そうですね
いつのまにか横にいました。
気がつくと
信じられないほど近くに居て
いつ どこから どうやって
こんなに近くに来ることが
出来たのか

よくよく考えれば
それは驚かずにはいられない事
そのはずなのに
わたしはそれに気がつかなかった。

音もなく
スーッと サーッと
気がつくといつも 
もう
彼女は居ました。

そして
なんでしょう
心でもないし 身体とも言いにくい
こちらのどこか

その「どこか」
そこに触れる
触れられている感覚が
ほとんど無いのに
いつのまにか
確実に心地よさを増していく
マッサージのよう

そのタッチは
超ウルトラハイパーソフティ
SOFTYFULL!だったんです。
なんだ?SOFTYFULL
伝われ SOFTYFULL 。

でですね
彼女は
ネガティブな要素を持っている。
それは知っている。

知っているのだから
わかっているのだから
なんですかね
ある種の麻薬的要素
それを持っているとしても
それに侵されることは
決してない。

当時の自分は
おそろしく傲慢で
無知でした。
今もきっと
ほとんど変わってはいない
思います。

傲慢で無知
要はアホってことですね。
いや、バカ犬でしたね。
バカとアホは違う。
いや、同じか…?

いやそこではなく。

そのね、なんていうか
仮に
彼女にそういうところがあるとしても、自分にとって
それはどーでもいい
そこ見てないから
そこ問題でもなんでもないから
そう思ってたんです。

知ってるし
問題視もしてないから
効果なんてあるわけがない

あのね
ちゃんと麻薬って知ってるから
飲んだって効くわけない
的な。

アホの極み。否バカの…



で、その
寝たきりゾンビ中にですよ
起きられるようになったら
ん?寝られるようになったら
どっちでもいいんですけど

連絡とってみようと。
Zとは随分前に
こちらから関係を
切ったので
まあ詳細は省きますけどね

そして、そうですね
もう会わないかな
そう思っていました。

ただ
心残りがね あったんですよ
彼女がね
こちらから
切ったのにもかかわらず
とても辛い状況の時に
連絡をくれたことがあったんです。
でもなんか、その電話中
「大切だから あなたしかいないから」
みたいな雰囲気の裏に
「全くそうじゃない何か」
それを感じたんです。

でもたまに、ふと
「あれは本当にしんどかったのかも
そうだとしたら…」
って。 

ずっとどこかに
引っかかっていたんでしょうね。

ゾンビになって
なんだかそのことが
急に強く、はっきりね
「とにかく、連絡しよう」と。



そして
メールのやり取りが始まりました。
こちらは、アレですよ
ゾンビ生活ですから
いつでも、
パソコンにさえ向かえば
メールはできます。

でも向こうは違うわけです。
仕事行ったり、移動したり
普通に生活してますからね

にもかかわらず
ほぼ即レス。
しかも、この長文どうやって!?
くらいの短時間で。
話の中で、
検索や添付が必要になると
それも早い。

何を検索、提示が最適か。
話題のポイント、深部及び心部
正解な理解と把握
ターゲット特定、検出スピード
各種フォロー
どれもがパーフェクト!
驚くべきスピード!
excellent!!

Zはかなり仕事がデキる。。
想像できました。
しかもほとんどが
仕事中にメールくれてますからね
長文や添付つきとかで。

そして相変わらず

浮気性でした。

独身ではありませんでしたが
かなり強く
惚れ込んでいる男性がいると。
そして、ほぼ日常的に
性的な関係を持っている男性は
他にもいると。

驚きは特にありませんでした。
Zは昔からそうでした。

ですが、昔と違って
仕事同様
そちらも
キャリアアップ。

よりスマートに
さらにスムーズに
スイートさはキープ
エレガントにキャリアアップ
しているようでした。

派遣社員的な仕事の他に
ダンスとボクシングを
習っていると。

やり取りの後
ダンスの発表会を観に行きました。
まだ始めて間もないらしい
長年バレエやダンスを
やってきたわけではない
そのダンスは
素晴らしいものでした。

持ち前のセンスと 
おそらくかなりの練習量
このまま続けたら
あっという間に
他のダンス歴の長い人達を
追い抜いて
センター独占間違いない。

その証拠に
ほぼ初心者にもかかわらず
ソロのパートが長い
演目もありました。

発表会には 
惚れ込んでいる男性も
来ていたらしいので
気合いも相当だったのでしょう。

わたしは彼女をリスペクト
していました。
正確には、決して揺るがず
100%でリスペクト
している部分があったんですね。

ダンスに限らず
やると決めたら
全力で向き合い、
決して中途半端にしない。
そして、着手することは
予め十分吟味しているので
努力が無駄になるような
そんなことには
初めから手をつけない。

努力や継続力。必ず結果を残す。
それらはもちろん
ではあるんですけどね
自分自身を本当に
研究し熟知していたのです。

そしてその
自分を知ろうとすること
研究を怠らないこと
飽くなき企業努力。
その努力は、ほぼ24時間が
大袈裟でないほどでした。

そして
他人にそれを悟らせるような
スマートで美しくないやり方は
絶対にしない。

ミッションは常に
楽しそうに、軽やかに
遂行されていました。

どうすればそれが可能か
そのことも彼女は
研究し
知り尽くしていたのです。

歴然と結果がそこにある。
単なる幸運
卓越した巧妙さ
そんなものは
そこには一切入り込めない。

彼女がさりげなく
そっと静かに提示するそれらは
いつもとても
まっすぐで 確かで
そして清潔なものでした。

なんの抵抗もなく
美しい
そして 素晴らしい
そう思いました。

昔から
色んな音楽をよく聴いていたZ。
マドンナは
歌もダンスも下手だけど
このPVは好き。
当時教えてくれました。

占星術のサビアンなど
彼女は一切興味がないと思いますが
わたしのジオの太陽サビアンは
「裸馬乗り」

当人はといえば

振り落とされてばかり
人生のほとんどを
回復、修復期間で過ごし
ほぼ乗れてない気が…


〈つづきます〉


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