見出し画像

二人乗り自転車、男がこぐか?女がこぐか?

岩井俊二の映画みたいなタイトルにしようとして、失敗した。

「これからは岩井俊二とウォン・カーウァイとタランティーノやで‼︎」
25年ぐらい前に古澤くん(仮名)が言ってた。
当時すでにNHKの朝ドラとかに出てた古澤くんが言うのなら間違いないと、この3監督の映画はよく観た。
今でも「気が乗らないな〜」とか思いながら稽古に向かってる時は、『夢中人』を聴く。

この『恋する惑星』という映画は、片想いの男の部屋に忍びこんで勝手に模様替えをする女の子の話だ。
フェイ・ウォンがかわいいからなんかオシャレな映画に見えるが、本質はサイコ・ホラーだ。

古澤くんは勝負をかけに東京に行ったが、メディアで名前を聞くことはなかった。
「夢破れちゃったのかなぁ」と思ってたが、最近ちょこちょこ見るようになって来た。
嬉しい。
だいぶ太ってたが。

東京に行った古澤くんから突然電話がかかって来て、
「空手やりたいんやけど、どこがいいの?」
と聞かれたことがあった。
めぼしい道場を教えたが、結局古澤くんは空手をやったんだろうか。


昔のことを思い出してたらもうどうでもよくなって来たが、二人乗りの話だ。

僕は高校生ぐらいのカップルの自転車二人乗りを見かけると、微笑ましく思う。
彼女ができても女の子をどう扱ったらいいのかサッパリわからなかった自分の高校生時代を思い出して、とりあえず男子の方を応援してしまう。

しかしここ近年、このカップル二人乗りで、女の子がこいでるバージョンをよく見る気がする。
「男がこげや‼︎女の子も、なんでそれで良しとしてるねん‼︎」
見るたびに、ひとりでイラ立っていた。
完全に大きなお世話だが。

「もしかして、こんなことでイラ立ってるのは俺だけなんだろうか…」
心配になって来たので、FacebookとTwitterでも答えを募った。

結果、男は同意してくれる人が多かったが、女性はあまり気にしてないようだった。
「二人が幸せなら、どうでもいいんじゃないですか?」
その通りです。

僕は多分、必要以上にマッチョイズムにとらわれ過ぎている。
「男は〇〇でなければならない」と、がんじがらめになっている。

「格闘家あるある」だと思うけど、「強くなったらモテる」と思ってた人、手を挙げて下さい。
僕は両手を挙げる。
最近になってやっと、「強くなってもモテないものはモテない」ということに気づいた。


よく考えたら、僕も一回だけ女の子にこいでもらったことがあった。

高校生の頃。
彼女ではないが、仲良かった女の子と一緒に帰ってて。
その子は自転車、僕は歩き。
その子は美人だったが、陸上部のバリバリのアスリートだった。
当然のように
「はい、乗って‼︎はい、つかまって‼︎」
と、後ろに乗せられた。
風を切ってスイスイ走るその子がカッコ良くて、惚れそうになった。
その瞬間の僕のメンタルは、完全に女子のそれだった。

結局、最近は男がどんどん女性化してるんだろう。
女の子も、男に求めているのは「強さ」とか「男らしさ」ではなく、「かわいさ」なんだろうな…。
そんなことじゃ、もし『北斗の拳』の時代になったら……。

……ここまで書いて、今気づいた。
「最近の自転車はあらかた電動」
じゃあ別にどっちがこいでもいいや。




僕が好きなことをできているのは、全て嫁のおかげです。いただいたサポートは、嫁のお菓子代に使わせていただきます。