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OKCサンダー初優勝時に投稿するブログを先に書いておく【プロローグ】

 みなさんお気づきかと思いますが,オクラホマシティサンダーは,今後数年間のうちに優勝する可能性があります。「富士山は活火山だから噴火する可能性がある」のと同程度かそれ以上の確率で。
 なので今(2022.5.22)のうちから,優勝したときに投稿するためのブログをちょっとずつ書き始めます。備えあれば憂いなしですね!

0.プロローグ

 「どこで間違えたんだろう」と何回も頭をよぎったが、きっと、なにも間違っていなかったのだ。しかし間違っていないからといって、望む結果に辿り着けるわけでもない。整数を無理数でわるとき、有理化をせず計算する場合と有理化して計算する場合とで、計算結果は違ってくる。きっとそんな感じだ。

 例えば 1÷√3 という計算を考えよう。
 有理化をして計算すると,次のようになる。
1÷√3=√3÷3=1.73…÷3
 有理化せずに計算すると,次のようになる。
1÷√3=1÷1.73…
 同じ数式から計算を始めたので答えが一致するのが道理のように思ってしまうが,実際はそうとも限らない。

 ご存じのとおり,√3 は小数点以下が無限に続いてしまう。それでは困るので,仮に「√3≒1.73」として計算を進めてみるとどうなるだろう。
1÷√3=√3÷3=1.73÷3=0.5766…
1÷√3=1÷1.73=0.5780…
 このように,計算結果がずれてくる。

 もちろん,数学的には「どちらの方が適切な計算手法か」という話はあるだろう。だが,僕が言いたいのはもちろんそこではない。同じスタート地点,明白な「過ち」は犯していないように思えるプロセス。それでも,ゴール地点が異なることがある。望む場所にたどり着けないことがある。なにも間違っていないのに?

 そのことが僕の心をざわつかせる。


0-1.OKCサンダー 18-19

 2018-19シーズンが終わったとき,われわれはどこで間違ったんだろうと考えた。

ラッセル・ウェストブルックがスタッツパダリストとしての地位を確立してから早3年。ポール・ジョージとのデュオでプレーオフに進出し,宿敵(だと勝手に思っている)ポートランド・トレイルブレイザーズと対戦した。

 1勝3敗で迎えた第5戦,スティーブン・アダムスというおっきい選手と,エネス・カンターというおっきい選手のティップオフで始まった試合は残り24秒,115-115でがっぷり四つ。ラッセル・ウェストブルックがスリーポイントラインの外側からドリブルを突き始める。ウェストブルックを守るのはアル・ファルーク・アミヌ

 ウェストブルックはドライブで突撃し,放ったレイアップがリングの上で2回跳ねる。

 落ちた。

 外れた。

 そのあと何が起こったかを,この場で語るつもりはない。

ウェストブルックがOKCのユニフォームを着てシュートを放つのは,これが最後のことであった(※1)。

(※1)2022年5月22日時点。この記述は数年後に変更される可能性があります。


0-2.OKCサンダー 19-20

 翌シーズン,ポール・ジャーニーと入れ替わりでシェイ・ギルジャス=アレクサンダーという2年目(当時)の若手選手が,ラッセル・ウェストブルックとのトレードでクリス・ポールというヘッドコーチがやってきた。2枚看板を放出し,チームは再建へと舵を切ったのだ。そしてシェイこそが,次代のオクラホマシティサンダーを担う選手のひとりだった。独特のリズムから放たれるレイアップ,そしてフィニッシュの多彩さは,新時代の到来を期待させた。実際,シェイは大活躍をした。
 クリス・ポール,シェイ,そしてデニス・シュルーダーのスリーガードは大方の予想を覆して大躍進を遂げた。再建(一部の心無い人間はそれを「タンク」と呼ぶ)のはずだったオクラホマシティサンダーはプレーオフ進出を決めた。われわれは,思わぬサプライズに大興奮していた。と同時に,心のどこかでわかっていたのだ。「どれだけ好成績を収めても、このチームは今年限りである」と。

 プレーオフ1回戦の第7戦,宿敵(だと勝手に思っている)ヒューストン・ロケッツとの対戦は,最終盤までもつれる大激戦だった。試合時間が残り 6:00 を切って得点は 96-99。まだどちらに試合が転ぶか分からない。
 このシーズン,オクラホマシティサンダーの「勝負強さ」の一因だったのはクリス・ポールの存在だ。このレギュラーシーズン,クラッチタイムにタフジャンパーを次々沈め,時にはディレイ・オブ・ゲームを自らコールし,勝利を手繰り寄せてきた。この試合でも,4Qの前半6分間で10得点を記録し,チームを引っ張った。しかし,第7戦の最後の6分間で,クリス・ポールは1本しかシュートを撃つことができなかった。

19-20 シーズンのオクラホマシティサンダー最後の6分間,放たれたシュートは計13本。このうちシェイ・ギルジャス=アレクサンダーとルー・ドートダリアス・ベイズリーで7本のシュートを放っている。また,この13本のうち,決まったシュートは2本だけ。ルー・ドートの同点スリーと,シェイの逆転スリーだけである。これからチームは,シェイ,ドート,ベイズリーとともにある(※2)。未来は若ラホマシティサンダーに託されたのだ。

(※2)この記述は,今後(2022年5月22日以降)の選手動向によっては変更される場合があります。

 それを象徴するかのように,残り1分を切った場面,最後のプレーはドートとシェイに託された。
 試合時間は残り10秒を切り,オクラホマシティサンダー1点ビハインド。逆転をかけてドートがスリーを放った。
 残り1.2秒,最後のオフェンス。スリーを決めれば逆転勝利も可能だ。インバウンズ役はシェイ。 

 いざ終わってみれば,どちらもあっけないものである。こうして,夢のような 19-20 シーズンは幕を閉じた。
 そして予想通り,この奇跡のようなチームは見る影もなく解体された。


0-3.OKCサンダー 20-21

 理由は不明だが,このシーズンのことはよく覚えていない。精神的ショックによって一時的に記憶が飛ぶことがあると聞いたことがあるが…。細くて長い選手が入団したところまでは記憶があるのだが,それ以降はまったく。

目が覚めたら,手元には大量のドラフトピックがあった。これだけは確かだ。


0-4.OKCサンダー 21-22

 108つのドラフトピックのうち4つを使って指名したルーキーたち。彼らはみな光るものを持っていたが,ジョシュ・ギディーははっきりと「違う」選手だった。プレシーズン開始3秒で足をひねってベンチに下がったときはどうしようかと思ったが,その実力は本物だった。

 ギディーだけではなかった。シーズンの始まりから,なにか「違う」雰囲気があった。例の細くて長い選手は、さらに細くなって帰ってくる気概を見せつけた。

 21-22シーズン初戦の対戦相手はユタ・ジャズ。ルディ・ゴベアと対峙した若ラホマシティサンダーは,果敢にリムに突撃していった。そして最初の8得点4FGMはすべて,ゴベア相手にインサイドで得点したものだった。

いま思うと,「このチームは優勝する(※3)」と確信したのはこのときだったかもしれない。

(※3)優勝しない恐れがあります。

 ちなみにこのシーズンについても、シーズン後半の記憶がない。細くて長い選手がトリプルダブルを達成したのを最後にベンチから出て来なくなったところまでは覚えているのだが。


このシーズンも、寝て起きたら枕元にたくさんのピックが置いてありました。

※以下随時更新

【最新編集日:2022.08.11】


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