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恋するベーカリー

愛と教養のラブコメ映画講座を履修するシリーズです。

ハート・オブ・ウーマンに引き続きナンシーマイヤーズ作品。2009年なのね。Netflixの邦題が「恋するベーカリー〜別れた夫と恋愛する場合〜」ってさらにクソダサにされているのだけど何故なの?恋するベーカリーって時点でもダサいのにさらにトッピングしてラノベっぽくしてるの何故なの??ラブコメって邦題がダサいのも味だけど追いダサしてくるのは珍しい。現題はIt’ Complicatedで直訳だと「それは複雑です」なので日本人にはピンとこない単語だから邦題がつくのは理解できるのだけどね。あとあんまりベーカリーはメイン舞台じゃないよね。

『ニューヨーク・タイムズ』に全米No.1の評価を受けたベーカリーの経営者であり、3人の姉弟を女手一つで育て上げたジェーン(メリル・ストリープ)には、離婚した夫ジェイク(アレック・ボールドウィン)がいた。ジェイクは若妻を貰い既に一人の息子をもうけていたが、ジェーンのことが忘れられず、しきりと彼女の元に訪ねて来るのだった。そのジェーンはといえば、新しい家の設計を任せている建築家アダム(スティーブ・マーティン)の誠実さに心惹かれてはいたものの、ある日旅先で出会ったジェイクと夫婦当時の様な錯覚に陥り、二度三度と過ちを重ねてしまった。子供たちの手前誤魔化しはしたものの、ジェイクはすっかり本気になってしまい、ジェーンは選択を迫られる。
Wikipediaより引用

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終始ジェイクが自分勝手で私の中での好感度が低く、アダムを選んでよ!という気持ちで観ていた。ラブコメ映画ってだいたいくっつく2人が固定で提示されるのに最後までどっちいくか判断つかないのは新鮮だったかも。ジェイクみたいな人って外から見たら魅力的だけど、身内として付き合うには疲弊するだけの人だよね。ジェイク自身の気持ちと都合にしか興味がないんだもの。根本を見ないで今の楽しいことと気持ちだけで人を振り回すんですもの。しかも行動力があるからタチが悪い。

アダムは地味で大人しくて、ジェーンも若い頃だったら魅力を感じなかったかも、若い時ってジェイクみたいな今が楽しいだけの人に惹かれがちだもんね。
あと子どもたち長女の婚約者がとても素敵だった。長女は父と真逆の人を選んだんだね。あの子たちのように親の気持ちを無邪気に蔑ろにしたこと多分数え切れないほどあって、それを思い出して少し胸がキュッとなった。今年の年末年始は休みが長いのに実家に帰れないからなおさらかも。そして親に何も与えてあげられていない自分にゾッとしたりもした。

ジェーンのように仕事の成功と女友達、子どもに恵まれていても、寂しくて虚しくなる時があるのに。私のような友達も多くない独身で仕事もそれなりはどんな50代を迎えるのかしら?とか思うとほんと怖い。好きな曲の歌詞で「百年の寂しさより 一夜の虚しさが 生きてゆく意味 愛の喜び 望みさえ嘘にする」っていうのがあるのだけど毎晩虚しくなりそうな怖さ。やっぱ仕事頑張ろうって思った。ちゃんと生活の根っこがある女は、どんな選択肢でも選ぶ側に回れる強さが作れるはずだから。

恋愛というよりシニアへの心構えについて考えさせられた作品でした。友達と生活力は大切。

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