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アカオチ(未決房から確定房に移る日)

出所まで875日(金曜日)

 起床してすぐ、いつでも部屋をでるように整理する。朝食後、最後の食べ納めでコーヒーと板チョコを急いで楽しむ。あぁ、これからしばらくこれらとお目にかかれなくなるのか…。

 8時半頃に呼び出されて部屋にでる。ついにアカオチだ。手に持てる以外の荷物は台車に載せてもらって、あとは自分で持つ。他にも同じフロアにアカオチする人が数人いたようで、全員そろうのを待ってから移動開始。

 未決のときと同じように新入りの荷物検査室につれていかれ、荷物を机に置く。荷物の検査が終わるまでロッカーみたいな箱(通称ビックリ箱)に入って待機。

 途中一人ずつ服を官物に着替えさせられたり、顔写真を撮影したり、荷物の確認をしたりでビックリ箱を出たり入ったり。

 官服はサイズ標記がおかしい。ユニクロのXSサイズが丁度の僕でも2Lサイズになるのだ。

 荷物は下着やメリヤス以外の衣類、裁判関係の書類、手提げかばん等の小物が持ち込みNGで領置扱いに。ビックリしたのが、リップクリームもNGなことだ。せっかく未決の間に予備の分も買ったのに…。囚人は唇カサカサになってもしょうがないということなのだろうか…。

 んで、ある程度検査が片付いたタイミングで全員ビックリ箱を出て整列する。「気をつけ!礼!」と号令をかけられ、お偉いさんから新しい称呼番号と刑の満期日を告げられる。計算したら875日後!!後衣類や日用品等を持って移動。

 ノート類は今日後程、本は翌営業日の週明けに入ってくるらしい。週末めちゃくちゃ暇になるな…。

 取り調べ用の小さい個室に全員で入れられ、処遇主席から5分くらい注意事項など有り難いお話をされる。んで、自分達が生活する舎房へ。

 今度は雑居!!願いが叶った…!ずっと一人でしんどかったもん。部屋に入ると、なんと未決のとき一緒だったナンプレおじいが!!知っている人がいて安心した。

 すぐに荷物を片付けるのだが、未決のときよりも収納の数が減ってしまっている。検査が終わって週明けに本が入ってきたら余裕でオーバーしてしまいそうだ…。

 未決は壁掛けの小さな棚、30✕60✕30㎝くらいのロッカー、40✕40✕30㎝くらいの木箱が一人一人に与えられていたのだが、確定房は木箱がなくなり、棚もより小さくなっている。

 荷物を片付けたタイミングでこのフロアの正担オヤジから生活する上での詳しいルールを説明される。面会や手紙発信の相手先の登録用紙も記入させられる。面会する理由、手紙のやり取りする理由も書かなきゃいけないのだが、家族とのやり取りに理由なんているか?とりあえず定番のフレーズと言われた「安否確認」で登録した。ちなみによほどの理由がない限り、親族しか登録できないらしい。

 その後、今日は作業日ではなく矯正指導日(免業日)ということで、さっそく作文の課題を出される。月に2回作業を休んで更生のための指導を受ける日なのだ。今日のお題は「今まで模範としてきた人、これから模範としたい人」。A4 1枚の指定用紙にびっしり書いた。

 午後はビデオ観て感想を書くというもの。1本目は感想文の対象ではないビデオで「中高生が質の高い睡眠をとるには」といった、何かのテレビ番組を録画したもの。僕は20半ばだし、ビデオで紹介されていることは懲役生活で実践できないものばかり。アラサーは約7時間、50代は約6時間くらいの睡眠時間がベストで、それ以上寝ようとすると逆に睡眠の質を下げてしまうらしいのだが、我々は強制的に9時間は寝かされるのだ。何でこんなビデオみせるんだろう。

 ちなみにホリエモンの「刑務所なう」に書いてあった「ビデオ観てる間はメモ禁止」ルールはなかった。神戸拘置所はビデオの内容に関することはOKらしい。

 感想文対象の2本目を観ようというところでオヤジに「新入りのテスト受けてもらうわ」と呼ばれ、部屋を出ることに。初犯の懲役が集められて整列、行進。
会議室のようなキレイな部屋にてテスト実施。に十字をキレイに書いたり、点を番号順に結んだり、IQテストみたいな法則性みつけるやつをやったりした。これで器用さとIQを見るらしい。その後性格診断の質問100問ほどと、A4の紙にえんぴつで木の絵を自由に描かされて、テストがトータル50分程で終了。その後課題の作文の続きをやって夕食。

 夕点検後、未決房ではラジオ放送だったが、なんと確定房ではテレビ放送が実施される!それも完全自由チャンネルだ。1年ぶりのテレビに感動。こんなにおもしろかったっけ?大相撲とアメトークを楽しみに。あと夕点検後は未決では無かった回覧新聞(読売新聞・夕刊)が回ってくる。一部屋につき1時間のみなので、仲良く回して読まねばならない。

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