書評:『中国、敗れたり』(日高 義樹)

日曜日の昼間に『日高のワシントンレポート』というテレビ番組がテレビ東京でやっていた頃、暇がある時に、興味深く見ていました。日高さんは、定年退職後、米国のシンクタンクに行き、米国上院の政治を良く見ているので、米国側の主張がよくわかります。

日高さんの主張の要旨を書くと、「中国は恐れずに足りず」
・日本のマスコミは、中国のミサイルを過剰に報道しているが、米国のイージス艦が簡単にミサイルを撃ち落とせるから、問題ない。第七艦隊の空母は、中国のすぐ近くまで行って爆撃する能力がある。オバマ大統領がチキンだから下がっているだけで、軍事的には米国の圧勝の状況である
・中国の海軍は張り子の虎。米国の新型機雷を中国沿岸に設置したので、中国海軍は会場封鎖され、鉄くずと同じ。中国は潜水艦の能力が低いので、中国海軍はあっというまに米軍に壊滅させられる
・中国は貿易国で、シーレーンが無いと経済が成り立たないが、自国で海洋物流を守れない。米国と戦争すれば、インド洋を海洋封鎖され、輸送が出来ず、経済崩壊。資源不足に陥り、戦争が続かない
・米国空軍は、ステレス戦闘機で、中国の基地を爆撃できるので、空軍も勝負にならない

折しも、南シナ海で軍事的には何も出来ない中国軍が証明されたこのタイミングですが、通常戦力による軍事バランスは依然として米国の圧倒的な優位で、中国の軍事脅威論は日米の間違った認識と言うのが日高さんの主張でした。

(少し米国びいき過ぎる気もしますが)「少なくとも海軍通常戦力としては、中国は米国におよばない」ということは良く理解できました。

ただ、これは2014年の本で、2015年の本はまた違うんですよね。それは、また別の書評で。

『中国、敗れたり』(日高 義樹)

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