見出し画像

日経新聞証券部の記者と全く意見が合わない件

日経新聞を見ていたら、こんな記事を見つけた。

まあ、意見が合わないことが甚だしい。

記事の要旨をたどると、こうなる。

ソニーの株価がITバブルを目指しており、かなり躍進している。ソニーは事業の変革を昨今進めてきた。ゲームを始めとしたリカーリングレベニューの割合を増やしてきた。これ以上にするには、キャッシュが先に出て後から入ってくる電機事業の復活が大切だ。というのは、リカーリング事業の緩衝材になるからだ。

はあ?証券部 山田航平さん、何を言っているのか、私には理解できませんけど・・・。

まず、ソニーの株価と業績がよくなったのは、電機事業をリストラして小さくしてきたからです。子会社だった、ソニーミュージックだの、SCEIなどのゲーム事業や、ソニー生命、ソニー銀行などの金融事業をコアに据えて、キャッシュが先に出ないで安定的に営業キャッシュフローを稼いでくれる事業を増やしたのと、完成品ではなくて安定した部品事業に徹してきたのが業績の安定化をもたらし、今のソニーの素晴らしい業績があるわけですよ。リカーリングレベニューを生み出す事業のおかげでしかない。

それを推し進めてきたのが、CFOだった現状の吉田CEOであり、吉田CFOがずっとやっていたのはこれ。平井前CEOなどただの看板で、実質はずーっと吉田さんがこれをやってきたら、ソニーは伸びた。

吉田さんの改革の最終仕上げが、ソニーグループである。お荷物である電機事業を格下げして、他の事業の邪魔をしないようにしてきた。若い人を吸収するのもやめるように、無駄な事業から人を引き上げさせて、全部新規事業にぶち込んだ。これが、私は吉田さんがやった改革だと思っている。

だいたい、日経新聞自体が、こんな良いチャートを作っているのに、このチャートを山田航平氏は読めない。

スクリーンショット 2021-01-04 17.28.53

このチャートを素直に読めば、ソニーの価値は、ゲーム事業、カメラをはじめとしたイメージセンサー事業、音楽事業、金融事業、映画事業である。電機は無くなってもいいレベルである。もはや、おまけである。

どうにもならない総合電機事業から、イメージセンサー事業というエッセンスを取り出してちゃんとした半導体事業にしたのが吉田さん。クソミソを一緒にしてはいけない。クソだけまとめたのが、電機事業と言っても過言ではない。

要するに、ソニーはモノづくりといって聖域化された製造業を捨てたから素晴らしい企業へと復活できたわけである。電機事業など本当にどうでも良い。

だいたい、ソニーというは、製造業ではない。ソニーは、昔っからエンターテイメントの企業なのである。ウォークマンを作ったのは、エンターテイメントを作った。そこに流す音楽も買った。映画も買った。ゲームにも進出した。ソニーは、エンターテイメント企業であり、コンテンツ企業なのだ。何をもって、ソニーを昭和の製造業に回帰させたいのか、この山田という記者のいうことは全く理解できない。盛田さんが怒るぞ。

また、キャッシュフローが安定したリカーリング事業を捨てて、どうして、キャッシュ捻出が先行する電機事業の比率をあげなくてはいけないのか、理解不能である。どうしても投資先行のキャッシュが欲しいなら、センサーの半導体事業に大きく投資をすべきであろう。

撮影機材や音響機器は地道に作って欲しいが、電機事業など復活する必要はない。よくわからん、電機事業が大きな顔をさせないために、ただのおまけ事業だよ、というのをわからせるために、用意周到にソニーグループという名前にしたわけで、吉田さんは、ソニーの株価成長のために、ソニーの電気事業を売り払ってもいいと思っていると思うよ。なんだったら、電機事業にこだわりを持っている高齢の従業員たちに、MBOで事業を売ってやれば良い。その微々たる売却代金を半導体事業の投資の一部にあげるとか、古い映画を持つ小さなコンテンツ企業の買収に当てたほうが、株価は上がるだろうよ。だって、テレビ事業だってなんだって、韓国のサムソンに後塵を拝しているわけで、それらの何分の一だよ。

今の時代に、キャッシュ創出力の弱い製造業などという第二次産業はいらないわけで、どうして、こういう過去の栄光を忘れられないバカが日本の経済記者に多いのか理解に苦しむ。

ソニーはデジタルな会社であり、電機などやらなくてよろしい。復活するなら、エンタメロボのAIBOぐらいだろうよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?