書評:『遺言 日本の未来へ』

『遺言 日本の未来へ』

80歳過ぎの戦争体験のある人たちが、戦争体験と今後の日本人へ伝えたい遺言を書くという企画。稲盛さんやセブンイレブンの鈴木敏文さん等、そうそうたるメンバーが書いています。

私は、祖父たちに戦争体験を聞いて「戦争はしてはいけないものだ」と強く思っていますし、戦後70年の平和の結果、戦争の無かった今までの私の人生に感謝しています。この本で、「原爆の落ちた長崎の地獄絵図」や「東京空襲で近所の小学生の女の子の手を引いて防空壕にむけて走って逃げていた。『あれ、軽い』と思って振り向くと、女の子の手だけを引っ張っていて頭と胴体は焼夷弾に吹き飛ばされて無かった」という体験を読むに、戦争の悲惨さを痛感します。

こういう恐ろしい話が、日常になってしまうのが戦争だと思います。そして、歴史をひもとけば、些細な小競り合いから大きな戦争は始まっている訳で、「戦争をしない」という強い意志がないと、「島嶼部の小競り合いから、悲惨な大戦争に巻き込まれてしまう」のでしょう。戦争の悲惨さが色あせぬよう、実際の戦争体験を文字に残しておくこの試みに私は賛同します。

他、楽しく読ませて頂きました。私は80歳をすぎた人のアドバイスは素直に聞く事にしています。

『遺言 日本の未来へ』
http://goo.gl/XOZK3v

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