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ASKA、徹底擁護。

 チャゲ&ASKAのASKAについて私はほとんど何も知らないのに、どうしても擁護をしたいという気持ちでいっぱいになってしまった。ASKAのインタビューがツイッターで変なバズり方をしているのを見たのがきっかけだった。またしても前後不覚になっている芸能人がインターネットでおもちゃにされてしまっている。「芸能人」というと、いわゆる「セレブ」のような華やかでゴージャスでパワーのある存在というイメージもあるかもしれないが、私が間近で見た芸能人の方は、知名度に関係なくだいたい普通の人間であり、だいたい心細そうで混迷しており、今にも消えそうな心の炎を日々の仕事の中で絶やさないようになんとか守り抜いて自我を保っている人の方がむしろ多かったような気がする。特に、日本の芸能界はお騒がせセレブというよりも誰にも嫌われないが誰にも忘れられない、適度に毒やクセがあるのに波風がたたず、かといって誰かと同じでもないという難しすぎる奇跡のハンドリングが日々求められる。その上「波風が立たない」の基準も毎日、どころか朝と晩ではもうすでに変化をしているくらい厳しいので全く気が抜けない。はっきり言ってこんな環境で薬物に手を出さずに毎日楽しくやっている方が人間として異常だし狂ん人(きょんちゅ)だと思う。ASKAさんのことはよく知らなかったが、バズっていたのは「ASKAが最近買ったもの」というインタビュー記事であった。「覚醒剤」を想起するからだろう。記事への反応は活況を呼んだ。記事を読んだら、ASKAさんが毎日買っているのは「顰蹙」とのことであった。どうだろうか、この小市民っぷり。善人に違いない。覚醒剤以外はなんの軽犯罪もやったことがないんじゃないだろうか。運転免許証もペーパーでゴールドのまま律儀に更新し続けているタイプだ。個人的には顰蹙のオチ(とされてしまった小市民の日常風景)よりも冒頭からASKAさんが「僕は毎日ノニジュースを飲んでいるのですが」と朝4:00とかにスターチャンネルでやっていそうな通販番組みたいなで出して話が始まってしまったのが気になって仕方なかった。「ノニジュース」とは。調べたら、どうもそういう「ジュース」があるらしい。今まで見知った全ての「ジュース」の中で最も「ジュース」感がない。「ノニ」が強すぎる。ノニとは主に太平洋諸島などで民間療法的に用いられる常用樹の実だそうだが、有効性を証明したデータはないとのことだ。検索するとサジェストで「がん」と出てくる。サジェストで「がん」と出てくる健康食品を毎朝一番に常用しているなんて、もはやインターネットの誰よりも小市民だと思う。こんなに度し難い小市民が覚醒剤に手を染めたとして、悪はこんなに絵に描いた小市民に覚醒剤を使用させる業界の構造にあると思う。私はASKAを徹底擁護したい。

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