顔に泥を塗る

『顔に泥を塗る』という漫画がある。最新巻の4巻まで読んだが、ヒロインの美紅ちゃんの心境が分かりすぎる。何故ならほんの少し、自分に似てるからだ。この人の言うことは絶対的に正しい、言うことを聞いていれば間違わない。彼が必要としてくれることがうれしい。だから彼が必要なら、お金も出そう。✕年ぐらいそんな状態だった。数百万ほどは結局、お金を負担した。何故ならそのときはそれが正しいと思ったから。今にして思えば、逃げたら良かった。逃げても良かった。どれほど才能があり頭が凄まじく良く、学んだことも少なくない相手とはいえ、付き合ってるんだか付き合ってないんだか分からないような相手だった。結局彼は私の知り合いと結婚した。しかし✕年たらずで離婚し離婚ぶりに彼から呼び出され再会した。私は彼が全てだったので、またしても気が狂い、彼からのプロポーズを受けた。彼がそれで喜んでくれるならそれが正解だと思ったから。でも、プロポーズを受けたあとから、後だしで分かることが色々出てきた。数年の間に、学んでいなかった愚かな自分。学んでいたと錯覚していた。客観的に見たらプロポーズを受けるべき相手ではない。なのにその判断ができなかった。結局、私から婚約破棄をした。破棄すべきまっとうな理由があった。綺麗に離れたかった。私がまともな判断ができていれば、そもそも受けなかった。彼が結婚したとき、自分の人生は自分で作らなきゃ。と、ようやく目がさめて必死に建て直していた✕年ほどの期間。それなりに頑張ったけれど、彼の声を一声聞いただけで崩壊した。適切な距離というものがある。まさしく適切な距離をとるべき相手だったのに。彼から学んだことは私の財産にしよう。でも、人生を共にする相手ではなかった。彼は私を運命だと言った。でも、運命の相手が人生を共にする相手ではないのだと分かった。

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