新入社員研修の不正について
※この文章は2019年4月にメモとして残していたもの
※この会社の新入社員研修の会場は男女で別
※この話に出てくる会社はそこそこネームバリューがある
新卒で入社した会社の新入社員研修で起こった話。
1ヶ月間あった研修の最終日、4月18日の出来事。
【スケジュール】
午前:グループワークの発表
午後:筆記テスト
4月18日お昼、事件が起きる。
男性会場は女性と逆で午前に筆記テストを終えたのだが、お昼に男性会場の人にラインで問題用紙の写メを送ってもらって勉強していた輩、『モリさん(仮)』『辻さん(仮)』を私は発見した。カンニング行為である。
悔しかったが時間も迫っていた為、何も言わずにテスト開始。
勉強がポンコツな私でも去年の平均点(50点)くらいは取れたからまぁ満足していたのだが、不正行為をしていた辻さんは90点、モリさんは80点。
2人は「あんな短期間でここまで覚えられるとはね」と言いながら笑い合っていて、あまりにも腹が立って私が人事の主任にカンニング行為を報告。
その日の夕方、
以上が行われた。
が、テスト平均点の表彰では辻さんがいるグループが断トツの平均点を獲得して優勝。でもメンバーは頭が良い子が多かったから不自然感は全くなかった(有名私大卒などいた)。
しかしながらテストの点数個人1位として表彰されたのは80点を獲得した、辻さんとは別の子。
90点の辻さんが呼ばれなかったのは私が告発したからだと踏んだ。
表彰式が終わった後、夕食の時間になっても私と同じ部屋の子たちはみんな食堂に行かず、部屋で不正行為を見つけたことについて話合った。
すると隣の部屋の子が私たちの部屋に来る。
その隣の部屋の子曰く、
と。
また、
と。なんだか恐ろしいことになったなあと思いながら、とりあえず部屋の子たちと食堂にご飯を食べに行くことに。
遅い時間だったからほとんど人がいなかったんだけど、事もあろうに食堂で辻さん、モリさん、そしてその2人と仲良いグループに遭遇。
それはまだよかったんだけど、ご飯が用意されている席が辻さんグループの隣しかなくて仕方なくそこに座ることに。
でも辻さんは涙目で死んだようなぼーっとした顔でご飯を食べていたから、主任にテストのことで怒られたんだろうなあ…と思った。
モリさんに関しては普通にご飯を食べていたが(怒り)(あなたもカンニングしていたでしょ!)。
それはいいとして、その日は研修最終日だったから私の部屋の子たちで写真撮ろう!ってことになってカメラを構えたら、ここでまたまた事件が起こった。
辻さんグループが笑顔でカメラに入ってきたのだ!!
お、おや、、、?
辻さんは泣きそうな顔になりながらずっとぼーっとしてたんだけど、少しすると笑顔でカメラに入ってきた。そこで自分はさすがに我慢できなくなった。
「あなただけは入らないでください!!!!!」
これを自分でも驚くほど大きい声で、辻さんに向かって言い放っていた!
みんな仰天して、一瞬にして空気は最悪になったのだった…。
けど少し考えて欲しい。
私がどんな思いで、最終日に向けてテスト勉強をしてきたのか。
去年の就活時期から、行きたい会社に転職しやすいようにネームバリューがある企業を受けまくっては落ちて、毎日死んだ顔してた頃。
やっと今の会社に内定もらえて、その時に考えたこと。
「何年か支店での業務を頑張る。頑張りが認められれば本社に行ける。本社には広報部があり、そこはあの有名なCMを作っている部署がある。
転職活動をする時に『あのよく放映されているCM制作に携わっていました』と言えば入りやすくなるかもしれない」
勤務地は希望のところではなかったけど、諦めず入社を決めて、新入社員研修は1ヶ月あったが他の大学生に負けないくらい気合いを入れていた。笑顔と明るさと元気の良さは誰にも負けない自信があった。
入社式では会長・社長・入りたい部署の部長に自分売り込むために挨拶しに行って。
いろんな講師の方や部長・課長陣に「今自分は何が必要か」を聞きに行って。
研修期間中は6時〜22時まで縛られて、クタクタの中勉強して23時には消灯の生活。
それでもテストで良い点数を取りたいから、最終日前の1週間は5時に起きて朝1時間勉強して、夜はみんなが消灯して寝た後、トイレの明かりで勉強していたこと。
そんな中、不正行為して笑ってる人がどうして許せるか。
どうでもいい人間に割く時間は大嫌いだし、馬鹿なことする人間はほっとけば後でそれ相応のことが起きると思っているけど、この時はどうしても我慢できなかった。
話を戻して、食堂。
私が大きい声出した結果、辻さんは泣き出してしまった。
そこでモリさんがすかさず口を挟んできたのだが、その言葉が
「お前、それはねえだろ。なんてこと言うんだよ」。
私「?????????」
そのあと辻さんグループは怒って全員出てってしまったし、私の部屋の子たちも葬式みたいになってしまったんだけど、そこで近くにいた1人の子が私に話しかけてくれる。
「私テスト終わった後、あなたが主任に泣きながら言いに行くところ見たよ。
不正してた人がいたんだよね。実は私も他に不正してた人を見たんだよ。
だから主任に話した。悔しかったよね。
あなたがテスト勉強頑張ってたの知ってるよ」
自分に寄り添ってくれる子がいて、冷えきった心も少し暖かくなった。
そうやって労いの言葉をかけてくれる子がいてくれるだけで救われるなあと思った。
でもそれだけじゃなくて、そのあと同じ部屋の1人の子が急に人事のところへ行くと言い出して、10分後戻ってきた時にはなぜか泣いてた。
何があったか聞いたら「あなたが毎日頑張ってたの知ってるから悔しくて言いに行った」と。
テストで不正してる人間がいて、正直一瞬だけ「なんて会社なんだ…」と思ってしまったが、こんな素晴らしい子たちと同期になれて、やっぱりこの会社に入れてよかったなと改めて思った。
その後部屋に戻った。みんなは私に労いの言葉をかけてくれたり、泣いてくれたり、怒ってくれたり。
そんな感じでもうほのぼのしてたんたんだけど、そんなことも束の間。
部屋にモリさんが来て私を廊下に呼び出した。
「なぜさっき辻にあんな強く言ったの?」と。
別に彼女は怒ってる訳じゃなく冷静な態度だったから、私も思いを冷静に話した。
不正行為が許せなかったと。
そしたら耳を疑うようなことを言い出したんだ!!
「あなたの気持ちもわかる。
でもね、辻は今日の研修が終わった後主任に怒られて反省したんだよ。
それに部屋に帰ってきても泣きながらみんなに全てを話した。
それなのに、反省してる人にあれはなくない?強すぎる、さすがに。
社会に出たらずるいことする人はたくさんいると思う。ムカつくと思う。
でもそこはあなたが大人になって、ほっとくなりわかってあげるなりしてほしい。
とにかく、辻は反省してたから今度会ったら謝ってあげて」
、、、、、!!!!!?????????
この人、待って、本当に、何言ってるんだ????????
自分のことは棚に上げて、尚且つ、私に謝れと、、、!!??!?
確かに食堂で大きい声を出してしまったのは悪かった。非常に。はい。
でも!告発したのは私なのに、自分は不正したことがバレてないとでも思ってこんな偉そうな態度を取っているのか?滑稽すぎるな!
この人!しかもだ!!
私はモリさんの隣にいたから知ってるが、男性から写真をもらったのはモリさん。それをモリさんが辻さんに送った。
そんなことまで知ってるなんて知らずに、私に「大人の対応」を求めてるなんてもう馬鹿馬鹿しくて何も言う気になれなかった。
この辛かった1週間はなんだったんだろう。
「そうなんですねー。本当に悪かったなー。モリさんわざわざ言いにきてくれてありがとうございますー。大人だー。私が悪かったー。さっき謝ればよかったなー。次会ったら謝らせていただきますー。」
そう言って別れた。
そのあと部屋に戻って上の話をしたら部屋の子たちもさすがにドン引いてた。そりゃそうだ。でも何も言う気になれなかったし、悪いことしてる人間はきっと後で返ってくる、必ず。だからもういいやと思った。
まだ話は続く。
およそ30分後。私は人事の主任に呼び出されて事務局室に向かった。そこで言われたことには非常に感動した。やっぱり人事はいろんな人のことを「きちんと」見てるんだなあと思った。
びっくりしすぎて言葉に詰まったけど、まず口に出たのは
『この会社入れてよかった、、、』。
正当に評価してくれる同期、上司がいる会社で本当によかった。この1ヶ月間の研修は体力的にも精神的にもしんどかったけど、それと両立して早起き・夜更かししながらコツコツ勉強を頑張ってよかったと思った。テストの点は平均点レベルだったけど、自分のことを見てくれてる人がいるってだけで、辛かったこの思いも少しは楽になった。
日は変わって4月19日、事務連絡の日。
の前に冒頭で、不正した人たちが望んでみんなの前に出て謝罪をしてた。
テスト平均点の優勝グループ(辻さん含む計12人)
だけでなく
・テストの点数個人1位で表彰された子(80点取った子)
・研修期間個人MVPの子
など。いつも研修でリーダーシップを発揮してくれてた子たちばっかりでかなりショックを受けたし、がっかりもした。
昨日落ち着いた気持ちもやっぱり整理がつかなくなった。
その中でも私に謝りに来てくれた子がいた。
研修期間個人MVPの子。
「あなたが頑張ってたの知ってた。なのに不正してごめんね」
と。その時はしんどくて、どんな表情で言ってるのか顔を見るだけで精一杯で何も言えなかった。
その後、どうも辛くて泣いてしまったのだが、個人MVPの子とめちゃくちゃ仲が良いMVP2位の子(という言い方で合ってるかわからないがとにかく2位だった)が、慰めてくれた。
が、その時
「あの子も悪気があった訳じゃないんだよ。ラインで問題用紙を送られてきちゃったんだって。学生気分が抜けないまま、大学生の頃みたいに問題用紙見て少し勉強しちゃったんだって。他の子もそうだと思うよ。ほとんどの子は絶対に悪気はない。わかってあげて。声かけてあげて?」
と言われた。
「わかりました、ありがとうございます。」
と返したが、ただただ燃える思いしかなかった。
こいつら、絶対に見返してやる。同期、いや、この会社の誰よりも努力して、本社勤務に推薦されて、広報部に入って、CM制作に携わって、必ず行きたい企業に入社してやる。歳なんて関係ないからな。
その思い以外なかった。
こんな感じ。
ちなみにモリさんは最後までシラを切り続けていた。みんなが謝罪してる間1人スマホいじって。人事はあなたが何をしたかぜーーんぶ知ってるのにね。
おしまい
【追記 2020/12/29】
現在入社2年目。本社行きたくない!!この会社はマジで意味わからん!!理不尽すぎる!!絶対すぐ辞めてやる!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?