母とわたしと宗教のこと⑥

母の信仰心や言動に、違和感や釈然としない気持ちを抱えていた私ですが、どこかで母に認めてもらいたい、褒めてもらいたいという気持ちも持ち合わせていました。
ただ、母に認められたり褒められたりするためには、宗教関係の事をしなければいけないわけで。それはそれで自分らしくない感じがありました。

就職をきっかけに実家から離れる事になった私ですが、当時は母を喜ばせたい気持ちがまだ強くあり、自分から宗教の御札をアパートに祀る事を提案していました。
嬉しそうな満足そうな表情をしている母をみて私も嬉しかったのですが、しばらくすると、なんであんなことしたんだろうという後悔というか何とも暗い気持ちになりました。
日々のお祈りや集会への参加など宗教活動を全くする気もなく、そのうち「信仰してます」というパフォーマンスをしていれば、母からぐちゃぐちゃ言われない、という気持ちになっていました。
そんな私をどうにかして宗教に引き込みたかった母は、突然年齢が近い信者さんを連れてきたり、集会の場所として私のアパートを使おうとしたりといろいろ画策していました。
しかし相変わらずな私をみて、母もそのうち以前の様にとやかく言わなくなりました。

一人暮らしを始めた事で、母からの宗教という干渉が減った私は、母との関係性に悩みながらも、実家にいた頃よりも、自由に好きなことができる解放感を味わっていました。
そして、母の支配が及びづらい環境になった事で、これまでよりも一歩引いて宗教を信仰している母に関われる様になっていきました。